編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

渋沢栄一と朝鮮

 2024年から1万円札の顔になる渋沢栄一が、実は約120年前に朝鮮半島で流通した第一銀行「1円札」の顔にも使用されていたのはなぜか。背景には、朝鮮を経済的に従属化させるという目的があった。NHK大河ドラマ「青天を衝け」の主人公でもあることから、世はちょっとした渋沢ブームである。だが、彼が朝鮮植民地支配においてどのような役割を果たしたのかについて関心を持つ人は少ないのではないか。前号から短期集中連載「一橋大生が迫る 渋沢栄一と朝鮮侵略」が始まった。計4回を予定している。

 この連載、執筆者は全員一橋大学の現役大学生と院生だ。朝鮮近現代史を研究する加藤圭木准教授のゼミとのコラボ企画だ。ゴールデンウイークが始まる直前に企画の討議をし、何回かやりとりをしながら、掲載にこぎつけた。学業のかたわら、よく書いてくれた。彼らが書いた本『「日韓」のモヤモヤと大学生のわたし』(大月書店)も好評だ。

 今後も日本各地の大学ゼミとのコラボ企画を考えていきたい。