編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

注目すべき判決

 冷え込みが厳しくなってきた。きょうは冬至。朝、自転車で通勤中、散歩中の保育園児に出くわした。前後を先生に見守られ、手をつなぎ、おしゃべりをしながら園児が通り過ぎる。その上を、街路樹の葉っぱがキラキラと光る。ハンドルを持つ手はかじかむけれど、温かい気分になる。

 今月16日、名古屋高裁金沢支部(蓮井俊治裁判長)で注目すべき判決があった。精神科病院で身体拘束された患者の死亡事故をめぐり、遺族が病院を経営する社会福祉法人に過失があるとして約8630万円の損害賠償を求めた民事裁判の控訴審判決だ。名古屋高裁金沢支部は原告敗訴の一審判決を覆し、身体拘束の違法性を認めて社会福祉法人に約3500万円の支払いを命じた。1月31日号本誌で詳細を報じた案件だ。

 判決が確定するかどうかはわからないが、医療関係者はこの判決を戒めとしてほしい。もう二度と同じことが起きてほしくない。

 今週号は年末年始合併号です。1月8日号でまた、お会いしましょう。