編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

今週号では『琉球新報』の内間健友記者に寄稿していただいたので、こちらでは『沖縄タイムス』をひこう

 今週号では『琉球新報』の内間健友記者に寄稿していただいたので、こちらでは『沖縄タイムス』をひこう。
 九月三〇日付の社説は内間記者の原稿と通底する。

〈ゲート前抗議の論点は、もはや「オスプレイの安全性」という枠を超えている。明らかに「普天間閉鎖」要求にシフト、集約されつつある〉
〈県民の意思は、県内移設や振興策との取引で妥協できる段階を超えている。政府の思考停止ぶりは悲劇といえる〉

 本土の私は相変わらず甘かった。ぬるかった。
 沖縄のオスプレイへの拒絶反応は、もはや臨界点を超えている。
 つまり、本土が何をもちかけても一切の妥協の余地がないということである。
 オスプレイへの絶対的拒絶を無視しての強制的配備は、米軍普天間基地そのものへの絶対的拒絶を生んだ――ということだ。

 全国で原発再稼働への怒りの声が続くのとまるで同じだ。
 絶対的反対に妥協の余地はないのだ。妥協できるという想定を政府は捨てるべきだ。
 尖閣ではなく沖縄を失うことにもなるだろう。
(平井康嗣)