編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

流行語大賞が発表されたが、今年は呆れた。

 流行語大賞が発表されたが、今年は呆れた。
 どうでもいいと思うが、これが文化として残っていく。
 大賞のなでしこジャパンは確かに私の好感度も高い。「どや顔」もしないし。

 問題だと思うのは原発関連の言葉が「風評被害」しかないのかということだ。
 これはあまりにも恣意的すぎる。
 ちょっと考えても、「福島第一原発」「ただちに人体に影響はない」「内部被曝」「シーベルト」「暫定規制値」「ホットスポット」「出てこい清水」「班目でたらめ」「脱原発」など、
ちょっと偏向しているのかもしれないが、今年定着した言葉はいくらでもあるはずだ。

 帰宅難民より「自主避難」が深刻だ。ラブ注入より「海水注入」に世間は釘付けだったはずだ。
 米国ですら海渡雄一、福島瑞穂夫妻を「グローバルシンカー」一〇〇人に選んでいる。
 理由は脱原発だ。

 ついに流行語大賞は「メルトダウン」したのかもしれない。
 あれ、審査員には姜尚中さんと鳥越俊太郎さんがいるのか……。バラエティ化を極める日本が怖い。