編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

関東大震災

 今日は関東大震災が起きてから100年目にあたる。この日を前後して、毎年集会などが開催されているが、今年は100年という節目もあって、例年より多くのイベントが催されていると感じる。その一つ、東京・町田で開かれた講演会に行ってきた。本誌6月16日号でもインタビューが掲載されている新井勝紘さんが講演した。震災後に描かれた絵から読み取れる朝鮮人虐殺について、詳細に解説してくれた。本誌のインタビューを読んでいたから、どんな絵があって、どんな意味があるのかはある程度知ってはいたものの、実際に大きなスクリーンに映し出された絵を見るのとでは印象が違った。生々しさに圧倒された。

 今回特集で登場いただいた深沢潮さんの本にも、虐殺のシーンが登場する。しかも、朝鮮人に間違われた日本人女性が殺害される。福田村事件の犠牲者も朝鮮人に間違われた日本人だ。

 町田の講演会は立ち見も出るほどの盛況だった。この問題への関心が高まっている証しだと思った。(文聖姫)