編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

中村哲さん

 先週号(3月3日号)に掲載した中村哲さんは、本誌の読者にも非常に人気がある。ぜひ誌面で紹介してほしいとのご意見を多くいただいてきた。2019年にアフガニスタンで凶弾に倒れるまで、医師として現地の人々を診続け、用水路建設などに携わってきた中村さん。現地の人々にとって本当に何が必要なのかを身をもって知っていた方だと思う。

 中村さんの35年間にわたるアフガニスタンでの活動を追ったドキュメンタリー映画『荒野に希望の灯をともす』もロングランを続けているという。谷津賢二監督に話を聞いてまとめたジャーナリスト、佐々木亮さんの原稿には、観客からのこんな感想も記されている。「武器ではなく鍬とスコップで平和になるんですね」。ウクライナで戦争が続いている今改めて、中村さんの仕事から多くを学ばねば、と感じている。

 そして、明日3月11日は、東日本大震災から12年。武藤類子さんへのインタビュー他、原発問題をテーマに特集を組んだ。(文聖姫)