編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

いよいよか

 年始年末、個人的には原発関連のニュースに目がいった。まず、東京電力福島第一原発事故による汚染をめぐる早野龍五東京大学名誉教授らの2本の研究論文で、福島県伊達市の同意していない市民のデータが提供されていた問題。

 さらに「計算ミスがあり、線量を3分の1に過小評価していた」(『毎日新聞』)問題。早野氏の論文については本誌17年6月30日号で黒川眞一高エネルギー加速器研究機構名誉教授が「福島の放射能汚染を過小評価してはならない」として批判をされていたこともあり、おおいに気になる。

 サプライズは経団連の中西宏明会長が年頭、原発について「国民が反対するものはつくれない」と発言したことだ。りそな銀行も「核製造企業への融資禁止」を打ち出した。昨年最後の仕事で、長年一貫して脱原発を提唱している俳優の石田純一さんから経済人の動向を聞いていたので「いよいよか」と頷いた。石田さんのインタビュー記事は近いうちにお届けできると思う。