編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

未来への責任

 最近、衝撃を受けたニュース。愛知県の女子高校生が、自分の産んだ娘の遺体をバッグに入れ、警察署に出頭したというものだ。警察は彼女を「保護」ではなく「逮捕」した。

 出頭という行動に出る前に、彼女の頭の中にはいろんな考えが浮かんだことと思う。だが、16歳の少女は、(おそらくその迷いを振り払い)決断し、行動した。たとえ少女に何があったにせよ、そのことに心を揺さぶられる。

 共謀罪法案はいま、衆院を通過し、参院に送られた。19日、衆院法務委員会で強行採決が行なわれた直後、国会前を通りかかったが、たくさんの人たちが詰めかけ、怒りの声を上げていた。なかには読者会のTさんも。「連日国会に来ている」という。市民や野党議員らによる抗議のスピーチは、政府のしどろもどろの答弁に比べ、なんと理路整然として力強いことか。

 詐術に近いやり方で無理筋を通そうとする政府に、改めてノーを突きつけたい。どんな状況下でも、自分の、自分たちの未来への責任を果たしたい。