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「櫂未知子の金曜俳句」1月末締切の投句募集について

『週刊金曜日』2022年2月25日号掲載の俳句を募集しています。

【兼題】「春隣」「鶯餅」
※雑詠は募集しておりません。

【選者】櫂未知子

【投句期間】 1月1日(土)~1月31日(月、必着)
〔前回の投句との混同を避けるため1月1日以降にご投句下さい〕

【投句数】1人計10句まで何句でも可
※特選に選ばれた句の作者には櫂未知子さんの著書(共著を含む)をお贈りします。

【投句料】無料
【投句方法】官製はがきか電子メール
(氏名、俳号、俳号の読み、電話番号を明記)

【投句先】
郵送ははがきで
〒101-0051 東京都千代田区神田神保町2-23
アセンド神保町3階  『週刊金曜日』金曜俳句係宛。

電子メールはhenshubu@kinyobi.co.jp
(タイトルに「金曜俳句投句」と明記してください)

【その他】新仮名づかいでも旧仮名づかいでも結構ですが、一句のなかで混在させないでください。なお、添削して掲載する場合があります。※公式サイトが攻撃を受けているため、新規アクセスが困難で、掲載が遅れたことをお詫びいたします。

兼題「初髪」__金曜俳句への投句一覧
(1月28日号掲載=12月31日締切)

初髪は、新年になって初めて結い上げた髪です。

さて、どんな句が寄せられたでしょう。

選句結果と選評は『週刊金曜日』2022年1月28日号に掲載します。

どうぞ、選句をお楽しみ下さり、櫂さんの選と比べてみてください。
『週刊金曜日』の購入方法はこちらです

電子版も発行しています

amazonなどネット書店でも購入できるようになりました。
予約もできます。「週刊金曜日」で検索してください。

※差別を助長するなどの問題がある表現は、この「投句一覧」から省きます。
※上記以外で投句した句が掲載されていない場合は、編集部(伊田)までご連絡ください。
※公式サイトが攻撃を受けていたため、掲載が遅くなったことをお詫びいたします。

(さらに…)

兼題「宝船」__金曜俳句への投句一覧
(1月28日号掲載=12月31日締切)

「宝船」とは、めでたい初夢を願って、枕の下に敷いて寝る絵のことです。室町時代に始まり、江戸時代に盛んになりました。江戸では、正月早々から「お宝、お宝」と呼んで宝船売りが売り歩いたそうです。

さて、どんな句が寄せられたでしょう。

選句結果と選評は『週刊金曜日』2022年1月28日号に掲載します。

どうぞ、選句をお楽しみ下さり、櫂さんの選と比べてみてください。
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予約もできます。「週刊金曜日」で検索してください。

※差別を助長するなどの問題がある表現は、この「投句一覧」から省きます。
※上記以外で投句した句が掲載されていない場合は、編集部(伊田)までご連絡ください。
※公式サイトが攻撃を受けていたため、掲載が遅くなったことをお詫びいたします。
(さらに…)

「櫂未知子の金曜俳句」12月末締切の投句募集について

『週刊金曜日』2022年1月28日号掲載の俳句を募集しています。

【兼題】「宝船」「初髪」
※雑詠は募集しておりません。

【選者】櫂未知子

【投句期間】 12月1日(水)~12月31日(金、必着)
〔前回の投句との混同を避けるため12月1日以降にご投句下さい〕

【投句数】1人計10句まで何句でも可
※特選に選ばれた句の作者には櫂未知子さんの著書(共著を含む)をお贈りします。

【投句料】無料
【投句方法】官製はがきか電子メール
(氏名、俳号、俳号の読み、電話番号を明記)

【投句先】
郵送ははがきで
〒101-0051 東京都千代田区神田神保町2-23
アセンド神保町3階  『週刊金曜日』金曜俳句係宛。

電子メールはhenshubu@kinyobi.co.jp
(タイトルに「金曜俳句投句」と明記してください)

【その他】新仮名づかいでも旧仮名づかいでも結構ですが、一句のなかで混在させないでください。なお、添削して掲載する場合があります。

※公式サイトが攻撃を受けているため、新規アクセスが困難で、掲載が遅れたことをお詫びいたします。

兼題「負真綿」__金曜俳句への投句一覧
(12月24日号掲載=11月30日締切)

負真綿とは、寒さを防ぐため、下着の背中の部分や羽織の下に入れる真綿のことです。櫂未知子さんによると、とてもあたたかいそうです。

さて、どんな句が寄せられたでしょう。

選句結果と選評は『週刊金曜日』2021年12月24日号に掲載します。

どうぞ、選句をお楽しみ下さり、櫂さんの選と比べてみてください。
『週刊金曜日』の購入方法はこちらです。

電子版も発行しています。

amazonなどネット書店でも購入できるようになりました。
予約もできます。「週刊金曜日」で検索してください。

※差別を助長するなどの問題がある表現は、この「投句一覧」から省きます。
※上記以外で投句した句が掲載されていない場合は、編集部(伊田)までご連絡ください。
※公式サイトが攻撃を受けているため、新規アクセスが困難で、掲載が遅れたことをお詫びいたします。

【負真綿】
負真綿肩をすぼめる夫婦連れ
冬の旅辻音楽師負真綿
長靴にスコップ持ちて負真綿
姉よりもわずかに軽し負真綿
負真綿うまれしたまごの温かさ
負真棉厨の土間の水仕事
うつしよととこよのすきま負真綿
五人の子負ふて育てし負真綿
神事見て負真綿見て我を見て
負真綿椽(えん)の媼の膝に猫
風つよく木戸を押しけり負真綿
どこまでも歩いてゆける負真綿
告白にそろと脱ぎたる負真綿
老け作りして番台の負真綿
夜回りや背中頼もし負真綿
ぽんしんを着て背の骨を正しけり
食卓の日月澄めり負真綿
負真綿撮影の間の待ち時間
真綿負え老たる母に見送られ
負真綿楽譜に音符ひしめきて
負真綿罠に獣の気息濃し
負真綿仰げば獅子座流星群
有難や温さ生みたる負真綿
我がからだ壊れかけおり負真綿
荒れし手に絡み付きけり負真綿
初警邏やせ我慢捨て負真綿
母負いし形に箪笥の真綿かな
負真綿猫負うような温もりよ
負真綿SDGsも包み込み
負真綿スコットランドより打球
老画家は膠溶きをり負真綿
負真綿して丈足りぬ喪服かな
骨折の子の片袖や負真綿
縁側の負真綿で笑む祖母記憶
朝市の能登の訛りや負真綿
負真綿駆ける子を見て犬を見て
奥飛騨に生きたる証し負真綿
負真綿人の温さと夜の寒さ
縁側に茶飲み話や負真棉
負真綿妻の三十年の留守
借財はおほかた残り負真綿
負真綿母の重さを知らざりき
負真綿すさみしこころ解き放つ
負真綿夢のつづきの唄かすか
結目のまたも増えゆく負真綿
病む母の背に問ふ宵や負真綿
負真綿せなになじみて温かき
ダウンだよ孫に教へし負真綿
負真綿きのふの夢がうつすらと
本籍は遠き町なり負真綿
負真綿すこし猫背となりにけり
負真綿ほどいて母の洗い張り
幾代の老女抱いたか負真綿
負真綿お蚕様の偉業かな
知らん人に会わぬ家居ぞ負真綿
シフト入り冷え性の娘は負真綿
負真綿ねぐらへ帰る群れ静か
六地蔵かけてやりたや負真綿
子をおろす背の軽さや負真綿
風水を信じぬ母の負真綿
負真綿よごるるほどになじみけり
負真綿二階へ上がればいもけんぴ
肩の荷の有るうち着れぬ負真綿
野次馬の語源知らぬが負真綿
負真綿お子さまランチにくぎづけ
婆様の負真綿着るいたこかな
負真綿キリンが街に来し記憶
負真綿英語のスペル暗記の夜
山守る母の老いたる負真綿
綿子きてことばゆつくり育つかな
鬼婆の声なき笑ひ負真綿
薄灯漏る深夜に兄の負真綿
負真綿声を聞いてるだけでいい
負真綿目は妹を追ひぬ子規
負真綿けふの歯科医の下がり眉
ゴブランの椅子の残り香負真綿
見られざる背中の広さ負真綿
背の真綿ひそと確かめ体育館
負真綿母より譲り受けしかな
接続の悪き鉄路や負真綿
寝るつもりなくて寝て居る負真綿
野宿者の背に新聞の負真綿
ジーンズの遠ざけたりし負真綿
しばらくは樟脳匂ふ負真綿
足の爪伸びたら切るだけ負真綿
うたた寝の月に焦げたる負真綿
負真綿して宵闇を手懐ける
鬼城なら背なを真直ぐに負真綿
子孫夫母を食わせて負真綿
負真綿潜って呟く秘密かな
負真綿すればたのしき風の夜
負真綿今日は一日口きかず
いつの間か居眠りしたり負真綿
行き帰り五分の湯屋へ負真綿
新潟の古民家で見し負真綿
人生は一回だから負真綿
湿布薬張りたる背中負真綿
負真綿睫毛の長き少女かな
負真綿脱いで一日の終わりけり
夕ぐれの窓に及べり負真綿
背蒲団くゝる祖母の手ひび割れて
双方の言い分聞いて負真綿
義母縫いし綿入れ半纏安住ましき
負真綿紫煙くゆらす老教授
負真綿昭和の冬は寒かりし
ひとり寝の床に嵩張る負真綿
負真綿義母の手縫いの半纏に
ダサかわい夜の素顔の負真綿
抽斗の過去捨て切れず負真綿
名札ある水の匂ひの負真綿
湯上りに負真綿着て宴席へ
星空に夢中なる子の負真綿
真綿負う孫ら騒ぎて赤き顔
負真綿明治生まれの祖父の粋
負真綿江戸の水車を初警邏
手荒れの母ペタンペタンの負真綿
負真綿偲ぶ歌なり赤とんぼ
負真綿ほどく時間の中の母
負真綿今やモンベル・パタゴニア
綿子着て写真はいつも隅っこに
背筋しゃん足腰のばす負真綿
十歩とて納屋の遠さよ負真綿
負真綿記憶の母はいつも背に
捨てられぬ母の形見の負真綿
母のやさしさを丸ごと負真綿
負真綿ここにいるよとささやけり
夜の深くパジャマの上の負真綿
負真綿展示や郷土資料館
負真綿数式ひとつ解き終わる
負真綿羽織り畑へ出てみたり
炭深く肴を隠し負真綿
まんなかに子をはさみこみ負真綿
負真綿母亡き後は吾が纏い
負真綿遠い昔のやせ我慢
水いろの無聊をこぞる綿子かな
負真綿気づかれぬやう着こなせり
やうやうと迎へる婆や負真綿
覚えては忘るる単語負真綿
負真綿ランプの下で足袋繕ひ
星座めく沖の漁火負真綿
負真綿行李にそつと忍ばせり
着流しに負真綿して颯爽と
寒くないと言ひて鍵と負真綿
負真綿背中にゆるり寄り添うて
負真綿して爪くらいととのえる
負真綿菜っ葉を刻む朝の厨
負真綿百年の家に住む寒さ
アイロンで紙幣をのばし負真綿
遠い日は茶箱の奥の負真綿
負真綿して飾り気のない笑窪
文机に向かふ父の背負真綿
負真綿過ぎた月日も夢の中
父母が逝きやつと自立す負真綿
負真綿けふ一日をどう過ごす
祖母よりの時のゆるりと負真綿
負真綿積分の解未だ得ず
負真綿して憚らぬ齢かな
遠き日の記憶の重さ負真綿
負真綿背なの真中の夜の匂ひ
負真綿箪笥のにほひ身にまとう
夕暮れの空泣き出せる負真綿
負真綿二人暮らしに箸五膳
負真綿山姥が出る頃合ひか
負真綿田舎を愛する異国人
負真綿背に繕ひの遠き母
美しき手の母のおさがり負真綿
負真綿の二人がつぷり相矢倉

兼題「初雪」__金曜俳句への投句一覧
(12月24日号掲載=11月30日締切)

初雪は簡単そうで難しい季語ですね。

さて、どんな句が寄せられたでしょう。

選句結果と選評は『週刊金曜日』2021年12月24日号に掲載します。

どうぞ、選句をお楽しみ下さり、櫂さんの選と比べてみてください。
『週刊金曜日』の購入方法はこちらです。

電子版も発行しています。

amazonなどネット書店でも購入できるようになりました。
予約もできます。「週刊金曜日」で検索してください。

※差別を助長するなどの問題がある表現は、この「投句一覧」から省きます。
※上記以外で投句した句が掲載されていない場合は、編集部(伊田)までご連絡ください。
※公式サイトが攻撃を受けているため、新規アクセスが困難で、掲載が遅れたことをお詫びいたします。

【初雪】
初雪や仲居の苗字は佐野さん
夕刊の隅を濡らして初雪は
シエラカップ湯気にとけゆく初雪や
旅に出て初雪の夜となりにけり
初雪と進路希望は同じもの
初雪の空へ応よと声を挙ぐ
初雪やいまある希望捨てずおく
すきとほるときに初雪みづになる
初雪と孤独を愛すひとり旅
初雪や都会の空は納戸色
初雪や山路に白きジビエカー
初雪やもう四年目の加賀暮し
初雪やテニスの審判の目線
初雪や見上げるうちに積りたり
初雪や異国のスープ売る広場
初雪や思わず素手で受け止めて
初雪やかじかんだ手に缶珈琲
初雪の降れば老人立ち止まる
初雪やビルの跡地に猫の背に
初雪やどうしてあなたは来ないのか
初雪やペン皿に釘置けば鳴る
順繰りに初雪降らぬ気候危機
初雪や君の町にも降るだろう
初雪の際立たせたる山の襞
初雪の深夜に至る蒼さかな
初雪やプレゼン二分前の黙
初雪や木馬のいない遊園地
初雪の白さは闇を黒塗りに
初雪と戯れし日の弟よ
初雪の空を切り裂く河岸段丘
ドーンドン初雪屋根を滑り落ち
初雪に幾度も夜の窓覗く
戸をあけて初雪と知るあしたかな
初雪や誰がつけたか足の跡
ひらがなに似て初雪のやはらかし
初雪の気配を探る犬の鼻
初雪や千切れさうなる指の先
初雪やタートルネックの男が好き
音もなく枝に初雪残しけり
前髪に初雪つけて帰り来し
初雪やまぶたは薄きものと知る 
初雪やみくじ結びて帰りけり
初雪やワン切り電話ひびきけり
深呼吸稜線はるか初の雪
初雪や川の飛石うっすらと
初雪や幼な子てのひら直ぐに引き
初雪や鍵新しき虎の檻
初雪や目覚めるたびに失くす恋
初雪や開放弦のぼろギター
初雪を載せし列車や都心往く
はつ雪や庭木の頭のみ隠し
初雪や猫の尻尾に静電気
初雪やしくしく歯痛ましてくる
初雪やふいに途絶えし二部合唱
初雪よ新たな世界始めよう
初雪や路面電車の軋む音
初雪やはつ恋いまも片想ひ
初雪や着陸待つ迎車の列
初雪にきはだつ松のみどりかな
初雪の野に佇てば血の巡る音
初雪や虫の屍を象りぬ
初雪やしじまを埋めぬほど軽き
初雪や空を見上げて出す一歩
初雪の生きる喜びあふれつつ
初雪はポルシェが載せていっちゃった
初雪やコンテナ船の錆浮けり
初雪や死後は谺の白からん
初雪や夢二今宵も待ち惚け
カタコトとフラッシュ浴びる初雪よ
初雪を放射能と言いし日の
初雪に唇重ね今の夫
初雪に人思う歳となりけり
理髪屋の鏡に映る初雪よ
初雪や雪の結晶袖に溶け
初雪の溢るる光り樹に重ね
初雪や庭石の上樹々の枝
初雪や石灯篭の梵字消ゆ
初雪や落花のごとく散りて消ゆ
初雪や寂聴凛と走り去る
初雪や右折禁止に佇んで
初雪や片恋の人逝きたると
初の雪塔婆におつる朝の露
初雪やわが足跡をかへりみる
初雪やユニゾン揃ふ津軽三味
初雪に長靴履かぬ通勤路
初雪の早き小樽よ北の街
初雪を乗せて刈らるる畑の菜
背伸びして初雪を知る木曽路かな
教室の窓にささやき初雪来
初雪やひねもす飽きず眺めをり
陶碗に初雪集めゆく人よ
関節の痛み増します初の雪
初雪や一人乗り込む縄電車
江戸七里初雪の辻六地蔵
初雪の下の赤き実緑の葉
初雪の街バス停の見つからぬ
初雪の舞い始めたる暗い空
初雪に足跡つけるマーキング
初雪を丸めて小さき達磨かな
初雪を初めてみる友輝けり
曇天の風のゆるびや初雪来
初雪を臨み汗拭く夜のジム
初雪や迎える声の無き帰省
初雪を耳で知りけり大荒野
初雪に少女の顔になりにけり
初雪や頬のうぶ毛にふれるもの
初雪を歪めし玻璃戸玻璃戸なる
初雪や窓といふ字に心あり
初雪や光の木馬駆け抜ける
初雪の消えて峨々たる伊吹立つ
端渓に垂らすはつ雪喜寿の朝
初雪や怪盗黒蜥蜴が来る
初雪やドカドカときて笑む人も
初雪や緒は勝ち組の新選組
初雪に早くも犬の足の跡
初雪や目礼の美しきひと
初雪の積もりませんと言うやうに
風避けのビニル揺らして初雪す
喝采はなく初雪という無音
初雪の女工の道の熊笹に
初雪を降らせて居るのは何処の神
初雪の森にトトロの気配して
初雪の野塩団地の給水塔
初雪や村に久しき嬰の声
窓の音いつしかかわる初雪に
初雪やまぶたの中の原節子
初雪や墓にうつすら積もるほど
初雪のいつもと違ふ眩暈かな
初雪や猫が食餌をねだる朝
初雪を知らせる息の弾みをり
初雪や竈に薪の爆ぜる音
初雪の街に明治の鐘響く
初雪がドカ雪となる気候危機
初雪にたちまち白し港町
はつゆきのだあれもふんでないところ
初雪の滑り残れる笹の上
初雪や地面を濡らす直ぐ乾く
誰彼となく初雪となりしこと
初雪や無精の夫が窓あける
初雪やつめ切る音のかぼそけり
初雪の催ひ言ひたき飲み屋寄る
初雪や嫁ぐ社員を見送れば
初雪のひとひらづつの闇つぶら
初恋は初雪よりもなお淡し
喧騒を包む初雪宵灯
初雪や大地の黒さ平らげて
初雪の降りて上がれば一尺ぞ
初雪を肩に小料理屋に入りぬ
初雪にやさしくなりし街の色
初雪らしき音なき音の旅寝かな
初雪や露店の子連れ魚売
初雪やあしあとみつむ人ひとり
初雪の野をゆるり行く鳥の影
初雪に触れなむとする嬰のゆび
初雪の雪片飛べり啾々と
松の葉の初雪にらみ尖りたり
初雪やゲームセットの笛の音
登校の列のしんがり初雪来
初雪の吾を誘ひにきたるかに
初雪や熾天使たちの舞ふやうに
初雪や嘘のまじりた手紙来る
初雪や二時には閉まるラーメン屋
初雪や妹が踏めば姉も踏む
ポーズでも投げる何かに初雪に
星空のはつゆき髪にとまりそむ
初雪を端渓の墨滲みゆく
初雪やさみしさびしとわらう人
伝令の如く走る子初雪来
夜に降る初雪積もる夢捨てて
初雪や鉄路ぬくめる火の点る
初雪を捕まえ損ね帰宅する
初雪や今日も1枚喪の葉書
初雪やもう疲れたよパトラッシュ
初雪や神楽の村の薪小屋
初雪や米原撮す天気予報
昼に降る初雪色を失せがちで
初雪に庭の小草の萎みけり
初雪に手繋ぎし夜時止まり
初雪や消える足跡付く足跡
初雪や瞳に残る地平線
初雪や皆で並んで口開けて
初雪や生まれて消える儚さよ
初雪や寝床の温さ茶の熱さ
初雪のもう降りたると電話して
一夜明け眩いばかり初雪に
相撲観て抜け毛数えて初雪日
初雪やまぼろしのごと降りきたる
雨の音止みしと見れば初雪に
知己よりの電話浅間嶺初冠雪
恋人のまつ毛に積もる初雪や
早帰りしてゐる初雪を待たせ
初雪になれば初雪のお話
初雪や浪人生の目に焦り
初雪や雪掻く人と愛でる人
山の子に初雪帰宅うながせる
初雪の朝や米研ぐ音澄める
初雪や食べんとあけるおちょぼ口
初雪やルビコン川に橋有りぬ
初雪を頬ばった日のなつかしき
鉄鉢を持たぬ手なれど初雪や
初雪に濡れをる赤のランドセル
初雪の初恋のようなはかなさよ
初雪の空は無音の鉛いろ
初雪や絵の具のにほふ子ども部屋
初雪の影絵めきたる微熱かな
初雪のたちまち消ゆる湖面かな
初雪を蹴飛ばしてゐる犬二匹
雨音が消えて初雪屋根に降り
初雪に子の足跡の一筆書き
初雪やそば粉で作るパンケーキ
初雪も家に入れば水の滴
初雪やポメラニアンの黒き鼻
初雪や僕が名付けた犬を呼ぶ
初雪や雁坂峠草の原
初雪や船名わかち難く降る
ジャズ流るあれは初雪の夜のこと
初雪や数字のバスを待つ二条
初雪や絶へまなく湖水に消ゆる
初雪やホスピス棟の面会日
初雪や戦艦大和売れ残り
初雪にシート被せる三輪車
夜明け前雨音何処初雪や
解けてより初雪汚す街とせし