編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

デジャブ

 連休で久しぶりに時間ができたので、ロシア映画『親愛なる同志たちへ』を観た。84歳のアンドレイ・コンチャロフスキー監督が、ソ連時代最大の労働者蜂起「ノボチェルカッスク事件」を描いた2020年の作品だ。

 スターリン亡き後のフルシチョフ政権下、1950年代後半から60年代前半にかけて導入された経済・貨幣改革によって、ソ連全土では物価高や食料不足が起きていた。62年6月、ソ連(現在のロシア)南西部の町ノボチェルカッスクの国営機関車工場で、賃金カットに怒った労働者たちによるストライキが起きる。5000人以上に膨れ上がった群衆は現地の共産党幹部が集結する工場管理棟を占拠。だが、現場に戦車とともにやってきたソ連軍は群衆を武力で鎮圧した。事件下で娘が行方不明となった熱烈な共産党員の女性が映画の主人公。はたして彼女が取った行動は?

 配給品を優先的に受け取れる党の幹部や共産党に忠誠を尽くすと討論する労働者代表など、デジャブな場面が個人的には印象に残る。(文聖姫)