きんようブログ 社員エッセイを掲載。あの記事の裏話も読めるかも!?

兼題「去年今年」__金曜俳句への投句一覧
(1月30日号掲載=2025年12月31日締切)

去年今年(こぞことし)とは、元日の午前零時で去年から今年に変わることをいいます。一瞬で年が変わる感慨がこもります。

さて、どんな句が寄せられたでしょうか。

選句結果と選評は『週刊金曜日』2026年1月31日号に掲載します。

どうぞ、選句をお楽しみ下さり、堀田季何さんの選と比べてみてください。

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※差別を助長するなどの問題がある表現は、この「投句一覧」から省きます。
※上記以外で投句した句が掲載されていない場合は、編集部(伊田)までご連絡ください。

【去年今年】
去年今年しばらく続くゼロパンダ
蕎麦啜り香残る湯気や去年今年
去年今年丑三つ刻の魔や居留守
去年今年師の第一句集をよむ
去年今年地下通路にてすれ違ふ
AIが後ついてくる去年今年
去年今年老老介護そのままに
病人として病棟の去年今年
去年今年繋ぎ重ねて積み木かな
去年今年いつも変わらぬ窓景色
風と入る回転ドア去年今年
去年今年しづかな海神の眠り
去年今年ぬるきしまい湯つかりたり
子の苦難親の非力や去年今年
去年今年平和を願うお参りよ
喪中でも鐘の音聞こゆ去年今年
これがまあ細き棒なり去年今年
殉職者霊堂に雨去年今年
新聞屋手持無沙汰の去年今年
先輩にラーメン誘われ去年今年
不調なる国政のまま去年今年
物価高をさまらぬまま去年今年
白髪染めやめる思案や去年今年
姉の継ぐ母の気丈さ去年今年
面白く平気に生きて去年今年
ランキング褪せしニュースの去年今年
この町を終着として去年今年
去年今年犬は変化に疎いかな。
風吹けば波戦ぎたる去年今年
去年今年アンモナイトを拾う駅
大酒に飲まれたままの去年今年
麺麭種の目覚めたるまま去年今年
喪中にて買い物もなし去年今年
青い鳥身内に飼ひて去年今年
砂時計返す間もなく去年今年
通勤の靴を洗いて去年今年
去年今年渋谷新宿工事中
右往左往古希にもなりて去年今年
去年今年家電壊れて貫けず
伊達巻の値札に見入る去年今年
寒いねと言ふ君の耳去年今年
小説はブラジルへ飛び去年今年
去年今年白華となりて夢に入る
卓袱台に料理あふるる去年今年
驕らずに人と比べず去年今年
ゾワゾワのつづくコチョコチョ去年今年
去年今年恋はするもの落ちるもの
去年今年流れる今を抱きしめて
この上なく澄みし眼の去年今年
兒のはしゃぎ夢に迎ふる去年今年
毎日を大切に生き去年今年
カーテンの二センチ足らぬ去年今年
妻にまたまた叱られて去年今年
恐竜は博物館に去年今年
去年今年何も変わらず年をとる
よきことのなきを笑ひて去年今年
孤老なる身を永らへて去年今年
千年の古都の騒めき去年今年
この星の電波混み合ふ去年今年
この寺に風の乱れや去年今年
追い炊きの湯船につかる去年今年
一滴の灯油の音や去年今年
去年今年かけ流しなる露天風呂
焦臭い香を撒き散らし去年今年
去年今年螺旋状なるコルク抜
去年今年記憶掘り出す年月日
父も逝き母も逝きけり去年今年
一枚が三六五となる去年今年
持越しの大屋根修理去年今年
石を掘るとがりたがねの去年今年
去年今年見ず知らずの他人かな
誰ぞ死ぬような日に愛去年今年
去年今年やはり願うは平和だけ
つげ義春大全二十二巻去年今年
去年今年良かった事は生きている事
成す事を吾の手に持てる去年今年
寄り添ひて手を繋ぎ合ふ去年今年
鐘の音をラジオに聞いて去年今年
恋の句に恋の句が付き去年今年
金太郎飴を見るごと去年今年
抗へる意志を貫く去年今年
愛犬の吐息に触れて去年今年
天秤の向こうとこちら去年今年
去年今年サプリメントの海老茶色
去年今年同じ事の繰り返し
去年今年息整へて男坂
歯嚙みして辺野古の沖波去年今年
余生てふ支流は迅し去年今年
ゴミ袋去年今年今髪に触れ
今年こそホコリに奇襲攻撃だ
平凡を良しとするなり去年今年
遠くより切れることなく去年今年
砂漠にも星のきらめく去年今年
習慣をきつちり守りて去年今年
天地の去年を脱ぎゆく今年かな
足し算より引き算多し去年今年
紅白の高速の列去年今年
去年今年海はいのちの水を溜め
神木の樹齢千年去年今年
さみしさを湛ゆる夜空去年今年
灯台の光の往路去年今年
去年今年馳走も酒も無き喪中
灰皿に吸い殻一つ去年今年
去年今年ぽとりと落つる灯油の音
去年今年姿くずさぬ菩薩像
しんしんと呼吸せる木々去年今年
ルームキー抜いて夜景の去年今年
壊す家の鍵持ち帰り去年今年
夕富士と朝富士拝む去年今年
去年今年人生そう変わるもんじゃなし
撞木より鐘へ傳へる去年今年
エレベーター時空を超ゆる去年今年
部屋にゐてあれやこれやと去年今年
去年今年日記の文字の踊り気味
母逝きてひとり蕎麦喰う去年今年
なんとなく生かされており去年今年
捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ去年今年
去年今年雪にダイブ猫の足
停戦てふ大きな欺瞞去年今年
去年今年サイモン&ガーファンクルを聴く
一病をいとしく抱へ去年今年
一筋に晩年を生き去年今年
一冊の手帳の中を去年今年
去年今年アインシュタインあかんべえ
去年今年肩の凝りへと葛根湯
通るのは人や電車と去年今年
猫を食う魚もあるらし去年今年
去年今年結局わたしが家事育児
二リットルのペットボトルや去年今年
鐘の音の右脳に届く去年今年
去年今年こんなとこから如き棒
去年今年メビウスの輪の裏表
去年今年どこへも行かずのんびりと
新しき箒で庭掃く去年今年
呟きて新しくなる去年今年
去年今年暗渠に水の音を聴き
去年今年古い手帳をめくる朝
ジェット機でまたぎ越したる去年今年
椅子の背に服多く有り去年今年
父方の齢越えたか去年今年
去年今年つまらない句は特選だ
総立ちのカウント零(ゼロ)や去年今年
白馬村までの夜行や去年今年
なんとなく優しい夢の去年今年
介護さる妻と生きらる去年今年
去年今年カレーの匂ふランドセル
どつぷりと湯にしばらくは去年今年
音立てて拉麺すする去年今年
五人目の孫の報せや昨年今年
何となく外に出てみる去年今年
日中をパンダにつなぐ去年今年
利根川の最初のしづく去年今年
えんえんと続く介護の去年今年
病床の妻の背さすり去年今年
去年今年老いの拳を突き上ぐる
去年今年振子時計の傾きて
この嬰の熱き血潮や去年今年
去年今年夢と現の間に越せり
音信の途絶えて久し去年今年
去年今年畳収納隙間なく
去年今年つまらないのは幸せ者よ
離婚後の静かな部屋の去年今年
手拭ひの一本となり去年今年
砂利孕む海言葉失せ去年今年
心臓の変はらぬ鼓動去年今年
デジタルに振り回されし去年今年
欲ばらずあせらず生きて去年今年
遠くよりまたやって来て去年今年
休まずに動くロボット去年今年
積読の増えるばかりの去年今年
去年今年父とスマホで会話する
去年今年エアロバイクは粗大ゴミ
食い扶持の米価行く末去年今年
目標をもたぬ勉強去年今年
星々を繋ぐえにしや去年今年
トンネルをゆつくり抜ける去年今年
去年今年時間の海の波しづか
あの人の無事を祈りて去年今年
酔ふちよらんと白河夜船去年今年
去年今年大往生に間がありぬ
二人乗りすれば罰金去年今年
ほつほつと灯の消えて去年今年
重なれる鐘の残響去年今年
見比ぶる左右の手相去年今年
終電車背広でつなぐ去年今年
きつちりと通す靴ひも去年今年
砲撃の音は途切れず去年今年
ことことと焜炉の揺らぎ去年今年
もう一度襟にアイロン去年今年
去年今年遅れしままの掛け時計
去年今年棚に読まざる本ばかり
去年今年緑寿の姉のケセラセラ
急患の途切れぬままや去年今年
去年今年静かに静かに淡々と
鐘の音の続く闇間や去年今年
去年今年パッとせぬのはグッドサイン
去年今年ミシン目で切る一頁
去年今年星砂を積む貯金箱
うつろひに挟めぬしおり去年今年
胸の内明かせぬままに去年今年
廻り出すはづみ車や去年今年
読みかけの栞一枚去年今年
大禍なく我が干支迎へ去年今年
銀河系貫く一矢去年今年
一本の釘を打ち込み去年今年
一目ずつ針刺す刺し子去年今年
わたばねのごときが降りぬ去年今年
深夜便便り書きつつ去年今年
変化なく変化求めず去年今年
大切なものばかり有り去年今年
歯ブラシをせめて新たに去年今年
母逝きて一周忌は夏去年今年
いちにちをたつぷり生きて去年今年
読み切れぬ頁をまたぐ去年今年
どん底の下に底なし去年今年
玄関に靴一足や去年今年
去年今年タイムカードに刻隣る
月光を落つる点滴去年今年
去年今年スープカップの耳洗ふ
連綿と孫を愛して去年今年
カレンダー去年今年と行く季節
去年今年スマホ握りてこえるなり
去年今年万年筆にインク充ち
還付金申請済ます去年今年
海峡を汽笛ゆきかひ去年今年
職退きて主夫の修行や去年今年
隣にて横顔を見し去年今年
とろとろと詰め替へるもの去年今年
借りた本読まずに返す去年今年
下げ潮に道あらはるる去年今年
去年今年庭の雪踏む子の足音
降圧剤口中苦し去年今年
去年今年浅き夢とはならぬよう
去年今年子供の頃とおんなじに
手術痕見ずに洗ふや去年今年
去年今年笑っていよう減るもんじゃなし
復興や黝き爪切る去年今年
いやな奴の下の名を書く去年今年
子等の来て去れば一人や去年今年