きんようブログ 社員エッセイを掲載。あの記事の裏話も読めるかも!?

金曜俳句への投句一覧(2月24日号掲載=1月末締切、兼題「田楽」)

「櫂未知子の金曜俳句」投句一覧です

選句結果と選評は『週刊金曜日』2月24日号に掲載します。
どうぞ、選句をお楽しみ下さり、櫂さんの選と比べてみてください。

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予約もできます。「週刊金曜日」で検索してください。配送料は無料です。

【田楽】
田楽や貫く串の青さかな
田楽に老の解説はじまりし
高僧は木の芽田楽好みけり
散歩道田楽の香のはみ出でて
田楽の串造りをり聞き上手
田楽や持ち味を出し支え合ふ
二軒目は味噌田楽と地酒かな
田楽や帰れぬ国のあるものか
田楽やハングル文字のように置き
あつあつの木の芽田楽星の夜
田楽の出て説教はうやむやに
田楽や蒟蒻自慢聞きながら
田楽のこもる香のある記憶
田楽や我凡才の徒と終へん
花魁を田楽刺にして食らふ
串の無き田楽もあり新世紀
田楽の味噌たつぷりに目が合ひし
田楽やあなたのことは忘れやう
破れふすま田楽刺しの槍出そう
田楽の店にやさしき媼かな
田楽の木曽屋へ急ぐ息白し
裏町の田楽の香につつまれし
田楽に秘めたる恋のあらざりき
全員に田楽一本追加の夜
田楽やアップダウンのあることも
田楽を貫くほどの志
田楽や燠消ゆるまで舞続く
田楽を框に置いて長話
田楽に手前味噌たつぷりと塗る
田楽や味噌焦げるまで香立つまで
田楽と一杯余分の辛口酒
田楽と旅してゐたりみちのく路
田楽の焼き上ぐる間を母の癖
田楽や明日父を看に行くつもり
田楽をほゝばる顔はうりふたつ
田楽の串の太さの由来聞く
田楽に雨となりたる古都の闇
田楽やいつもの科白失ひし
田楽や身の振り方を決めかねて
相槌うつ田楽の串なめながら
二年坂登る下るや田楽焼
田楽や老女(ばば)の豆ひくなつかしく
田楽や早く来たこと隠しをり
田楽に脇の甘さのありとせば
田楽や味噌焙る燠煽りつつ
ほろほろと田楽口にする漢
ベランダの木の芽の似合ふ田楽よ
吹きつ喰うほどに焙れよ田楽は
田楽や討論嫌ひなんて嘘
田楽やわれら後期の高齢者
田楽の味噌の香を褒め味を褒め
峠茶屋ひと息つくは田楽や
大皿の田楽味噌をさらへけり