きんようブログ 社員エッセイを掲載。あの記事の裏話も読めるかも!?

金曜俳句への投句一覧(3月25日号掲載=2月末締切、兼題「草餅、鶯餅」)

「櫂未知子の金曜俳句」投句一覧です。
掲載が遅れたことをお詫びいたします。

選句結果と選評は『週刊金曜日』3月25日号に掲載します。
どうぞ、選句をお楽しみ下さり、櫂さんの選と比べてみてください。

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【草餅、鶯餅】
搗きあげてまだ温もれる草餅
草餅をいつかたべたいふるさとで
文机に鶯餅の来てをりぬ
草餅搗き百姓講座打上げなり
草餅の蓬香りぬ寒明ける
老舗には鶯餅の気品あり
寒明けて蓬香りぬ草餅や
百円で草餅ふたつ買い来たり
草餅や風神が雨連れて来る
いつのこと餡は遠くに草団子
草の餅喉の仏といふところ
草餅や手付かずにある卓の上
脇役の鶯餅の切り口上
茶室から鶯餅の咳きアルト
遠き日の草餅綴じし祖母の指
草餅のかげに鴬餅ありぬ
草の餅なかなかふたつには割れぬ
犯行の証拠歴然鶯餅
草餅にくちのあまさをかんじをり
草餅の手のひらにのる野山かな
ひさびさの明るい話題草の餅
言葉添え鶯餅のこそばゆし
春風や鴬餅の甘き餡
萌え色のうぐいす餅や春うらら
草餅をほうばり想ふ幼き日
鶯餅愛にあかしは不要なり
草餅や法然院傍蝸廬の人
いつかまた鶯餅にひをさして
安息のかたちありけり蓬餅
長電話鶯餅の横座り
草餅に愛を包んでSt.Balentain day
洗剤の香に草餅をたづさへて
はんなりと草餅にある可逆性
草餅を作りし祖母の小さき手
卓上にうぐひす餅の背中かな
蓬色草餅の香は春めきぬ
鶯餅いまもこころにのこるひと
われは搗き母かえす遠き日草餅よ
祖母健やか鶯餅の姿良し
幼子のうんこを染める草の餅
菓子鉢にうぐいす初音いつかしら
草餅やつぶし餡から数の減り
鶯餅面変わりせし少年に
ととのはぬ草餅なれど色確か
鶯餅薄衣まず脱ぐように
声かけと回覧板と草の餅
草餅やふつ餅と唱へば懐かしき
鶯餅まづとつときの皿に載せ
草団子まるめこまれてやらんとも
紛糾のML閉ぢて蓬餅
草餅や母の背丸くなりにける
春浅し焼いて食らうや蓬生餅
草餅につくるみどりを摘みにゆく
うぐいすの餅は萌え色春の午後
鶯餅なるほどと言ひつまみ上げ
鶯餅しらずにいきてきたおれさ
鶯餅われに合はせて鳴いてみよ
鶯餅老舗の前は目白押し
おちょぼ口広がる宇宙鶯餅
熱き茶や鶯餅に雨の音
転ぶ児の手より飛び立つ鶯餅
草餅で折り合いつけてもらえぬか
草餅の蓬摘みし日母若し
祖母の笑み眼の裡に蓬摘む
言問で鶯餅を買ひにけり
きな粉より鶯餅の翔びたてり
持ち寄りの草餅の色濃く淡く
鶯餅いまだにみえぬあまさかな
草餅に水仙添えて君を待つ
甘党の鶯餅の指の跡
鶯餅素甘べこ餅母の味
草食にはあらねといふに草の餅
草餅に映る未来にさやうなら
草餅を買いひとり居のひとを訪う
草餅やぽつりぽつりと介護談
草餅や背の丸きを娘が摩る
お茶会を鶯餅が騒がせり
遠山の大あくびして草の餅
草餅や分け合うて姉弟と
鴬餅うしろ姿でありにけり