きんようブログ 社員エッセイを掲載。あの記事の裏話も読めるかも!?

怪文書

『週刊金曜日』が掲載した、拉致被害者の平壌にいる家族への会見記事に対する余波が続いています。岡田幹治編集長が、このHPの「編集長 幹治の部屋」で書いているように、テレビのニュース番組とワイドショー、新聞、雑誌などで、悪意に満ちた報道があり、そのなかには誤った事実に基づいた非難が少なくありません。

 誤解に基づく批判をする人には、説明すればわかってもらえる可能性があります。少なくとも議論はできるでしょう。しかし、最初から悪意を持って「嘘の情報」を流す相手には、強い怒りを感じます。

 政治コラムの執筆者である山口二郎・北海道大学教授から「自分の名前を使った怪文書が流布しているようだ」との連絡がありました。この怪文書は、山口教授を差出人にして、『週刊金曜日』と北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の密接な関係を非難し、同誌と『朝日新聞』が一体であるかのような中傷を行なっているそうです。山口教授は『私は一切関知していないし、大変迷惑に思っている』と述べています。

 知り合いの新聞記者は、「『週刊金曜日』は公然と“国策”に逆らったのだから、いろいろな攻撃を想定して備えるべきだ」と忠告してくれました。そうですね。日米の密約をスクープした『毎日新聞』の西山太吉記者(本誌第341号〔2000年11月24日〕の特集《沖縄密約30年目の真相》参照)が当時、スキャンダルで攻撃され、それを機に『毎日新聞』が長期低落傾向に入ったのは教訓としなくてはなりません。それにしても怪文書のような卑劣な行為は、歴史を停滞させることはあっても、けっして歴史を動かさないことは確かだと信じます。