きんようブログ 社員エッセイを掲載。あの記事の裏話も読めるかも!?

総会屋・芳賀龍臥に会った話

5月某日、総会屋、芳賀龍臥(はが りゅうが)に会うことができた。
評論家・佐高信さんの同行取材である。

総会屋とは株券を持ち、株主という立場を理由に企業に苦言を呈し金銭をもらったり、企業に業界紙を何部も買わせたりして生計を立てている人種だ(注)。
芳賀は日本の銀行の株券は全種類持っていたという往年の大物総会屋である。馬鹿みたいな額の日銭を稼いでいたそうだ。
そして今年3月、突如世間をにぎわせた西武鉄道利益供与事件で、土地の転売で利益を受けたとされる張本人である(芳賀は単なる商行為だと主張している)。この事件で堤義明会長は引責辞任し、日本経団連の理事も辞職。西武鉄道、西武不動産、不動産会社、芳賀龍臥とその秘書ら10人が商法違反で起訴されている。久々におおがかりな総会屋関連の事件だった。芳賀は体調不良で入院していたため、警察に連行されることはなかった。

だが体調不良というのは、いかにもうそ臭く聞こえた。7年前に撮影された切れ長の目の老人もただ者ではない。かつて佐高さんが芳賀に会ったときは、両脇に用心棒をしたがえて、生牡蠣をずるっずるっとすすっていたという。病室にもきっとそんな強面の用心棒がいるのだろうと想像した。会いたいという芳賀は一体、何を企んでいるのかとも邪推もした。

病室はもちろん偽名の名札が飾られていた。部屋には用心棒はいなかった。芳賀龍臥は文字通り、都内の某病院で「臥」せていた。手みやげに持っていった桃すら食べられない状態だった。

小さい声を振り絞っていたが、「俺」という一人称と、べらんめえな断定口調は鋭い。佐高さんの質問には、あけすけに答えていた。

西武・堤の話をはじめ、そのほかの経営者や政治家そして経済事件の話などを数時間にわたって聞いた。

その一部を今週号(6月25日発売号)に載せることができた。
できるだけ早く歴史の生き証人である芳賀に再び会い、話を聞くつもりである。
ひじょうに楽しみである。

(注)総会屋といえば、ネットで人気の論壇同友会(http://www.rondan.co.jp/)や暴露本を出した小川薫氏などが、個人的には面白い。小川氏は総会屋を消費者運動の一種と考えているらしく、反戦左翼は嫌いだが、日本のラルフ・ネーダー(大統領選にも出馬した米国の消費者運動家)を目指そうと思ったと、著書で語っている。ちょっとずっこけた。いつかご本人に会ってお話を聞きたい。
(平井康嗣)