きんようブログ 社員エッセイを掲載。あの記事の裏話も読めるかも!?

兼題「風船」__金曜俳句への投句一覧
(4月26日号掲載=3月31日締切)

「風船」は春の季語となっています。豊かな彩りも春らしいですよね。

さて、どんな句が寄せられたでしょうか。

選句結果と選評は『週刊金曜日』2024年4月26日号に掲載します。

どうぞ、選句をお楽しみ下さり、櫂未知子さんの選と比べてみてください。
『週刊金曜日』の購入方法はこちらです

電子版も発行しています

amazonなどネット書店でも購入できるようになりました。
予約もできます。「週刊金曜日」で検索してください。

※差別を助長するなどの問題がある表現は、この「投句一覧」から省きます。
※上記以外で投句した句が掲載されていない場合は、編集部(伊田)までご連絡ください。

【風船】
紙風船三回吹いて眠る子よ
家系図の絶えて風船割れる音
天井の角に風船棲みつきぬ
紙風船訳あつて穴開いてゐる
風船の紐細長く離すまじ
学歴をすこし詐称の風船売
風船売りライエル弾きに似る憂
紙風船漢方匂う薬箱
風船の墓場の在り処風に問ふ
死にどきの風船軽くなりしかな
小さき手するりと抜けし風船よ
風船のいつかは割るる半減期
風船を押せば大気の抗へる
放たれし風船消ゆる空の奥
手すさびに風船ついてやめられず
微風に風船よ飛べ天高く
手の平に軽き地球紙風船
二人乗風船でゆく宇宙旅行
薬屋は帰り支度や紙風船
風船を抱けばきしきし頼りなく
ロケットの絵柄打ち上げ紙風船
畳まれて久し昭和の紙風船
風船や空にすわれし十五の恋
ゴム風船どこまでも飛べ空の青
反戦と書いて風船飛ばしけり
風船や目指すはいづこ車道舞ふ
父母に息交互にもらひ紙風船
幾度か交わした視線紙風船
風船と離れたくない糸と指
風船のふくらむ不思議飛ぶ不思議
夕暮れにゴム風船の滅ぶとき
出さぬまま破れてをらむ紙風船
風船をテントに繋ぎ陶器市
紙風船ねだる子供や薬売
風船よ昼寝する子を連れてくな
風船の指を離るるあと速し
まだ空はあるか風船放ちたり
風強く風船ビルを越えにける
風船を膨らまさんと目の寄りぬ
風船や飛ぶこともなき指サック
風船を先に二階の子供部屋
憧れが紙風船を押し上げる
肺といふ風船けふも伸び縮む
羽田の空とぶ七色の風船
かみふうせんたたけばぽむというこたえ
空色に似合ふ風船飛ばしけり
八十路坂赤い風船追ひかける
銀行の店舗減りをり紙風船
風船に縋りどうにか立ち上がる
風船の濁世を離れまた戻る
風船や空は壁より高いもの
風船や空を見上げるドブネズミ
風船は地球の少し外に在り
紙風船子の飽き徐々に鈍き音
青春も混じりてをらむ紙風船
尖塔に触るる風船割れもせで
膨らみに少女の匂ひ紙風船
風船や吠えられて犬叱られて
飽きられて紙風船のへこみをり
天井を突きし風船今朝床に
風船やアタックしてる20歳
吹くごとに増す恐ろしきゴム風船
憎きかな赤子に風船持たす親
風船や母の口元見つめる子
風船や青空の果て知らぬまま
閉ぢこめた息や風船落ちてをり
風船に廃村からの手紙あり
風強し風船ギュッと握りしめ
風船の割るる間際の膨らみの
風船や少女が超えるガザの壁
客車からまづ風船の降りて来し
蒼天が一息に吸う赤風船
風船のまつしぐらなる海の上
風船を持って野道を明るうす
紙風船いつ迄も夢追いつづく
風船が子供と遊ぶ六畳間
風船へ観覧車より乗換える
引力に負け風船の寿命尽く
長距離を歩き風船踏まぬよう
風船や腹蔵ぶち撒けし日の
風船や天の咆哮吸い込まれ
少女持つハートの風船バンクシー
どこまでの風船の旅子と放ち
風船は東へ種と夢を載せ
風船の手紙読んだとラジオ聴く
風船の赤や幼女の声たかく
風船の一つ逃げたる展示場
風船やメカニカルなり矯正歯
風船やレジャー帰りの大荷物
紙風船三度返して飽きにけり
風船を逃がして泣きしころのこと
風船は我が分身で緊張し
風船を抱えて急ぐや孫の家
風船を両手に背中に三歳児
放たれし風船ためらふ素振りかな
風船を貰い闊歩の商店街
四色に塗り潰す地図紙風船
小さな手ほどいて風船舞い上がり
風船や未来に翔け若人よ
風船を貰ひ電車に持ちて乗る
風船や派遣社員の持つ希望
平穏な日々に飛ばせる黄風船
紙風船つかれて妻の息を吐く
無言なる二人と夜の風船と
祖母の手にきよらかな音紙風船
薬売り子らに風船ついてみせ
風船を握つて軽き右手かな
風船よ弾けて退屈をこわせ
風船や上手く描けない父の顔
空に飛ぶ五色の風船駅開通
夜の部屋に風船を抱いてつぶしゆく
悍ましき武器にもなりし風船は
輝ける空に天使のごと風船
真球の紙風船をつくりたし
幼子の息の足らずやゴム風船
風船が月に届けば結ばれる
風船に胸の愁ひを吐き空へ
風船が庭へ逃げ出す雨上がり
海へ来て風船息を吹きかへす
風船を膨らますのが好きな父
ベビーカーきゅっと風船括りつけ
加齢臭飲んで風船逆噴射
裏木戸に手紙つきたるゴム風船
風船が割れても猫の無関心
大谷の号外で折る紙風船
ゴム風船夢で膨れていた頃よ
脳痩せるやうに風船しぼみたる
風船を吊りてイルカを跳ばせたる
泣き虫のピエロに貰ふ赤風船
風船が宙一面にたかく高く
北海道の真ん中に浮く大風船
天上に風船並ぶ子供部屋
手のひらで転がし楽し紙風船
遺産から頭金風船貰ふ
物欲を吹き入れ破裂する風船
風船をゆつくり放すタイミング
ぺちやんこの紙風船となりにけり
耳の下あたり酸つぱしゴム風船
海豚飛ぶ部屋から部屋へ風船よ
紙風船折り目伸びたる割烹着
風船やバンクシー見に都庁前
風船や七回裏のタイガース
待ち侘びる置き薬屋の紙風船
一息に愁ひ膨らむ紙風船
春の空上がり鳥の目熱気球
しょぼくれし風船ひとつ水曜日
検問で膨れる呼気やゴム風船
風船に撫でられ空の薄茜
ふうふうと風船に息三姉妹
校庭や文を結びてゆく風船
ただ浮かぶ我が風船やそれもよし
紙風船犬も戯れ空を知る
息を足す軽いキッスや紙風船
泣くな子よ風船ごとき喪失を
風船にキュキュッと魔法ほら兎
風船が手から離れて泣き出して
紙風船ふの音ばかりが膨らみて
風船の紐を片手に寝息かな
風船はわが天井を港とす
風船の黒くまばゆき点となる
空かける犬の風船リード引く
風船のガス吸ひ声が超音波
風船の置場探してキョロキョロと
星の夜はいよいよ軽く紙風船
風船の情報戦や国を越え
風船や犬は先立ち子は巣立ち
風船やいつでも口は下を向く
風船を持てばはるかな父の腕
風船や寝息とともに老いゆけり
風船が飛べる空にも戦闘機
投票を終えて風船赤二つ
やめて風風船弾く指の先
子ども等は手に風船の笑顔かな
幼稚園児平和を飛ばす風船よ
風船の破れた辺り秋津島
あくまでも無音風船空を行く
風船のしぼむ速度を測りけり
風船が割れてはるかなビッグバン
風船にピエロの鼻の映りけり
ガス欠の風船居間に蹲る
風船の影をうごかす猫の影
風船を飲み込み空の青深む
ひとりつ子部屋いつぱいの風船かな
手に持つて風船売の飛んでゆく
風船に逃げられし手をかざしたる
風船が上がる空には恋模様
風船の落ちて無言の息吐けり
黄色くて風船好きと告白し
臥す母へ座して風船吹きにけり
風船の届く高さを世と思ふ
風船を持って悪事はできません
風船の思ひのほかに永らへる
落ちる前が一番高き紙風船
ゴム風船ピエロが作る刀かな
ポンポンと三度でいびつ紙風船
ゴム風船クラーク像の指す空へ
叩きをるうちに膨らむ紙風船
雲ほどに風船ガムを膨らます
大空に風船ひとつ句読点
折紙の紙風船や兄妹
紙風船おもちやの箱に葬られ
風船の飛んでわびしき吾の影
風船を一方的に持たさるる
風船が見えなくなったよ青と青
風船や遠くの国は戦争中
風船やモデルハウスの展示場
魂は風船となり母のもとへ
風船をいくつ飛ばして老ピエロ
臨月のごとそつと抱く赤風船
風船や宛名知らずの文つけて
風船のたかさに風の群れるかな
風船を見守る欅高き枝
風船を吹いてピエロの赤い鼻
紙風船夢と云う名の嘘をつく
五つの赤い風船や雲の上
母のなき兄と弟や紙風船
平和へと届け風船メッセージ
風船は膨らますもの潰すもの
縁日に集まる子等の風船売り
赤と青君と送った風船や
越中の薬屋うれし紙風船
風船を持つ手が上がる子の気持ち
検問の灯に萎みゆくゴム風船
風船は家までもたず破裂する
バンクシーの赤い風船風任せ
雲へ風船川へ鳥もぐるおと
小児病棟命を吹けり紙風船
風船に風の流れてゐぬ時間
風船の行方は地方ラジオ局
風船や自由と平和を謳歌せり
風やんで風船さらに宙を行く
網膜のやがては点に青風船
子が吹けば顔が隠れる紙風船
定員に風船加へ昇降機
風船の引き上げんとす乳母車
風船をつまらなそうに引き摺って
風船や政治の怒りパチン割れ
風船の自由を縛る五円玉
はひふへほばあば苦しいゴム風船

【不明】
クロッカスあたい惚れたら恐いんよ
甲斐駒を崇めるごとくクロッカス