きんようブログ 社員エッセイを掲載。あの記事の裏話も読めるかも!?

兼題「キャンプ」 金曜俳句への投句一覧(7月27日号掲載=6月末締切)

「櫂未知子の金曜俳句」投句一覧です

選句結果と選評は『週刊金曜日』7月27日号に掲載します。

どうぞ、選句をお楽しみ下さり、櫂さんの選と比べてみてください。

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予約もできます。「週刊金曜日」で検索してください。配送料は無料です。

【キャンプ】
軒先に赤き布ありバンガロー
キャンプの荷たためば消ゆるキャンプ村
しくしくと泣く子も集うキャンプ村
二の腕をそつと掴まれキャンプの灯
水と火と人間がいてキャンプかな
砂のへこみ頭を合わせ寝るキャンプ
キャンプ場山の匂ひの川の水
コンピューター制御施設のキャンプ場
河原のテント養老山地かな
尾根道をもののけゆきてキャンプ更く
キャンプの灯ときに天使が通りけり
なかなかにテントの立たぬ父のゐて
先生の足が出てをりテントかな
テントごと雨に包まれ眠りたり
暮れゆくや山なつかしきキャンプする
キャンプには災害グッズでサバイバル
カルピスで乾杯をするキャンプ場
改行の多き本読むキャンプの夜
まさちゃんとたかとひろがねいてキャンプ
キャンプでは炊事させぬと妻口説き
世の中の雑音忘れキャンプ寝る
先生の懐中電灯キャンプの夜
キャンプとはキャンピングカーの夜明けかな
帰り道瞼に映るキャンプ場
朝に見るキャンプファイヤー地を焦がし
キャンプして牙むく風に出逢いけり
橅の葉に風吹き渡るキャンプかな
幼少期キャンプよくしたよく泣いた
樹間から仰ぐ大鷲キャンプ村
キャンプ地の犬山二度目は無かりけり
電波網少し抜け出すキャンプかな
帰らむとキャンプファイヤー跡黒し
キャンプ地の明けきらぬ朝救急車
キャンプファイヤー想ひ出など要らぬ
よく眠る充電電池キャンプの子
お隣のテント助けてお礼酒
顔洗ふキャンプの水の余りをり
手始めに水切り競うキャンプかな
星空に歌声流るキャンプファイヤ
キャンプ場尖り帽子の赤い屋根
キャンプの灯消えていよいよ星灯る
琵琶湖とね初めて添い寝キャンプして
キャンプファイヤー燃え続くのも困りもの
夜の色あらためて知るキャンプかな
人出れば人語を話すキャンプかな
からからと飯盒の鳴るキャンプかな
切株が食卓となるキャンプかな
都会の子キャンプで食べるハンバーガー
天気予報テントの部品かぞへつつ
原色のテントに近く海の色
乾いた手湿った手取りキャンプの火
青春のキャンプの景はおぼつかず
キャンプの夜平均点の者同士
琵琶湖から聖なる火出でキャンプファイアー
本当の星空を見たキャンプかな
キャンプ地の炊煙二本空蒼し
汗乾く頃の呑むビール粋キャンプ
子が喰ふを親の見てゐるキャンプかな
老ふ村にキャンプ持ち込む若き声
天幕に風の音聴くキャンプかな
ゴリラとかあだ名で呼んでキャンプして
麗しき軽さやキャンプグッズ選る
定時のベル聞きキャンプ地へ走りけり
星の声確かに聴きしキャンプの夜
キャンプ場感謝の言葉のみ残し
食べること寝ること集うことキャンプ
キャンプの荷どこに降ろせど海の音
雲切れて星のいくつかキャンプ村
テントからカレー奉行を拝命す
キャンプファイヤー星々を乞ふあはれ
キャンプ村朝の峰風深く入る
就活も酒の肴さキャンプ中
キャンプ場森の轟夜寝れぬ
ドラム缶キャンプの名残遠き日や
境内の地蔵の笑やキャンプ張る
キャンプ地は飛び降りる地では無かりけり
回り来る十八番の料理キャンプ村
酒すこし甘くなりけりキャンプの夜
ふるさとの異境に見ゆるキャンプの夜
輪唱の焚きつけてゆくキャンプの火
キャンプの火影も生まれて風の音
キャンプ場鳥より早き子らの声
マドンナをつれて俺たちキャンピング
鳥と人格差は静寂(しじま)キャンプかな
火を落しキャンプファイヤー跨ぎけり
その人の片影照らすキャンプの灯
キャンプ張るテントの生地に真の闇
わが身超す影を背負ひてキャンプの火
天窓に蠍座入れてキャンプ村
キャンプ地の星空怖し子ら拠らず
一瞬に雨のキャンプとなりにけり
キャンプ張る増水の来ぬ地を選び
頂上の雲切れキャンプ蠢けり
三つつ四つ田に踏みこみてテント張り
呼鈴をテントに下げて眠りけり
キャンプして夕べの雨に逢いにけり
衣食住ごったに束ねキャンプの荷
接吻の真っ最中や初キャンプ
月入れて飯盒洗ふキャンプかな
せせらぎを添へてキャンプのカレーかな
土砂降りにテント畳んだ初キャンプ
雨脚に歩幅ありけりキャンプ小屋
児のひとみ野性に還るキャンプかな
やがて忘るるキャンプファイヤー続きをり
天空に飛行機雲やキャンプする
大阪のおばはんがゆくキャンプ村
団地から抜け出しキャンプテントかな
こんなにも大きな鍋はキャンプのみ
想ひ出になつてしまひしキャンプかな
キャンプするへんないきもの裸虫
設営のテント傾ぎて夜もそぞろ
身ひとつをテントに囲うキャンプかな
少しづつ灯り違えるテントかな
ふた坪のキャンプサイトの衣食住
朝靄とコケッコッコーとキャンプ場
風の音のみ闇夜のキャンプかな
こゑ満ちるテントの花の咲くあたり
灯が点る白馬大池キャンプ場
キャンプ地の石持ち帰るべからずの事
夕方が琵琶湖に沈みキャンプファイアー
野うさぎの様子みにくるキャンプかな
キャンプする理念は「喝」と思ひけり
キャンプファイヤー弦の外れしギター鳴る
粋キャンプ汗消え頃にビールかな
水辺にはビキニ姿のキャンンパーたち
文明の枠抜け切れぬキャンプ場
薪爆ぜてひと針すすむキャンプの夜
忘れぬはキャンプで炊ひた飯盒めし
大書する熊出てますとキャンプ村
パパのいるまだパパのいるキャンプかな