きんようブログ 社員エッセイを掲載。あの記事の裏話も読めるかも!?

大物総会屋、小川薫氏死去

昨晩(4月27日)、大下英治氏が小説『最後の総会屋』のモデルにした小川薫氏が死去した。

4月になってからはいつ亡くなってもおかしくないと言われていた小川氏であるが、今年の3月にも弊社に”濃厚な”手紙を小菅(東京拘置所)から送ってきていただけに、やはり驚いた。

この小川氏の死について、ある元「総会屋」は「警察に殺されたようなもの」と指弾する。

というのも、

「小川さんは、あるとき詐欺と窃盗で捕まり起訴猶予になった。それは車を2日間貸してくれといったのが、4日間になったからなんですよ。

2日借りるといったのに4日になったのが詐欺で、2日間借りていたのが窃盗になったんです。小川さんも脇が甘いといえば脇が甘い。よく喋るし。警察は毎年6月の株主総会シーズン前には”総会屋”を逮捕する。企業に平気で乗り込んでいく小川さんは、警察が狙いやすい良い標的だったんですよ」(前出の元総会屋)。

小川氏は戦後の「総会屋」の代名詞的存在であり、「広島グループ」の親分として、かつては、その抜群の情報力に社会部系の記者は相当世話になったはずである。私も小菅に差し入れにいったことがある。檻の向こうで吠える姿は、株主総会でドスを効かせるだけはある。

しかし晩年は、拘置所や刑務所と”シャバ”を行き来し、身体を壊した。

落ち着いたら小川氏を偲ぶ会が開かれると聞く。戦後の日本経済の裏面史を垣間見に参列できれば幸いである。

                                                        合掌