きんようブログ 社員エッセイを掲載。あの記事の裏話も読めるかも!?

社民党のミカタ

『文藝春秋』5月号で、西村眞悟(衆議院議員、自由党)と石原慎太郎(東京都知事)が「不審船放置するなら倒閣だ」と題する対談をしている。もちろん中身は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)、不審船、有事法制の三題噺である。社民党叩きの原稿と同時掲載されている。この今の時期に、同じ号で掲載することには偶然とは言えない編集の意図を感じる。

 そう忘れている人も多いでしょうが、小渕恵三内閣当時、防衛庁政務次官を務めていた西村は『週刊プレイボーイ』(99年10月26日号)で、大川興業総裁の大川豊と対談し、今の永田町の政治家の女性観を代弁するような一連の発言をしている。そして、「軍隊は天皇の軍隊であり、天皇という皇位を守ること」など、一連の発言が問題になり、防衛庁政務次官の職を追われた。

以下、抜粋する。

大川 パキスタンつながりで聞きますけど、今度のクーデターでインドとパキスタンの間で核戦争の危機が叫ばれていますが、やっぱり危険な状態なんですか?

西村 いや、核を両方が持った以上、核戦争は起きません。核を持たないところがいちばん危険なんだ。日本がいちばん危ない。日本も核武装したほうがええかもわからんということも国会で検討せなアカンな。

大川 それは政務次官である西村さんが国会で発言するんですか。

西村 個人的見解としてね。核とは「抑止力」なんですよ。強姦してもなんにも罰せられんのやったら、オレらみんな強姦魔になってるやん。けど、罰の抑止力があるからそうならない。周辺諸国が日本の大都市に中距離弾道ミサイルの照準を合わせておるのであれば、我々はいかにすべきなのかということを国会で論議する時期に日本もきているんです。

大川 社民党が「いつか来た道」って言うんじゃないですか?

西村 まあ、アホですわ、あんなもん。何を言うとんねん、と。だからボク、社民党の(集団的自衛権に反対を唱える)女性議員に言うてやった。「お前が強姦されとってもオレは絶対救ったらんぞ」と。

大川 強姦という言葉がすごくお好きなんですね(笑)。

西村 あ、ちょいと使いすぎるかな(笑)

しかし、この政党の女性議員を結果的に助けに来た人間も少なくない。

4月9日、東京・永田町では「護憲政党叩きが何を生むか」と題して、文化人たちがアピールを発表した。出席したのは、三木睦子、佐高信、落合恵子、石坂啓、大橋巨泉、村井吉敬、綿貫礼子、針生一郎(順不同)。

叩かれている護憲政党とは社民党のことで、辻元清美議員の秘書給与流用問題以降、「ガンコに護憲」の社民党叩きは日々エスカレートしている。本誌アンテナでも掲載しているが、ここで大橋巨泉の発言を詳しく引こう。

大橋「ぼくはけっして社民党を助けに来たわけではございません。でも、戦争に人を送りたくないと言うような単純なヒューマニズムを持っている、こういう小さな政党を無くしてはならない。どこの国でも社民党や1人でやっている中村敦夫(参議院議員)のようなことを言っているのがいて、一定の支持者がいるんです」

佐高信「大橋さんは入る政党を間違えた」

味方……ではなく見方はこうも違うらしい。

(敬称略)

(平井康嗣)