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780号目次


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780号の注目記事

■一三年前に引き裂かれた町は今
 名護市長選と普天間基地
 平井 康嗣

自民党政権時代の日米合意が、民主党連立政権を揺るがしている。
米軍普天間飛行場のある宜野湾市と移設予定先の辺野古地区を抱える名護市をリポートする。

■佐高 信 対談
 日本を何とかしよう5
 民主党前最高顧問 渡部恒三

鳩山政権の支持率は各世論調査で六割前後で推移している。「事業仕分け」で注目を集めるなど国民の期待は高いが、今後の課題はなにか。「落選と首相以外はすべて経験した」政界ご意見番に見通しを聞いた。

■清水康之さん 自殺対策支援センター・ライフリンク代表
 生きづらさの正体を明らかにしたい
 聞き手 北村肇 本誌編集長

自殺者が一一年連続三万人を超える国、日本。何が原因なのか、どうすればよいのか。
番組制作をきっかけにNHKを退職して、自殺対策支援のNPOをつくり、法律策定に尽力。
現在は、内閣府参与として、当事者本位の対策をめざす清水康之さんの「生きる支援」とは。

■政治主導で一部開放された大臣記者会見
 見え隠れする情報統制の思惑と求められる記者団体の設立
 塚田 和

鳩山政権が掲げる「政」主導の政策決定は、週二回(原則として火・金曜日)の閣議後に開かれる記者会見の在り方にも及んでいる。
新聞、放送記者が中心だった大臣会見に、一部ではフリーやネット記者らも参加し、質問をぶつける風景が日常化しつつある。一方、
一斉に廃止された各省庁の事務次官会見は復活の見通しはない。情報発信を「政」に絞ることによる情報統制の思惑も見え隠れする。

■きんようぶんかインタビュー
 森功
 聞き手 佐高信

でたらめな航空行政
その象徴がJALの破綻

■天皇在位二〇年
 皇室の混迷とこれからの役割
 天野恵一・千本秀樹・吉田裕
 司会 成澤宗男

一一月一二日、明仁天皇が即位して満二〇年の慶祝行事が行なわれた。この間、皇室の情況にも国民の意識にも変化が起っている。皇室典範の改正すら行なえないまま、これからの皇室と天皇制はどこへ向かうのか。

■浮躁中国22
 同じ歳月、それぞれの今日
 本田 善彦

中国の建国六〇周年は、台湾から見れば国民党政権が台湾に退いて六〇年でもあり、
中台問題六〇年でもある。両岸の六〇年は、今後、どのように作用していくのだろうか。

第20回「週刊金曜日ルポルタージュ大賞」佳作入選作

修復的正義は機能しないのか
~高知県警白バイ事件の真相究明を求める~ 

 山下由佳

 平成一八年三月三日、高知県春野町で、スクールバスと県警交通機動隊の白バイが衝突して隊員が死亡した交通事故をめぐり、業務上過失致死罪で禁固一年四カ月の実刑判決を受けた片岡晴彦さんの冤罪の訴えが繰り広げられている。この事故処理と裁判の経緯については、ブログや雑誌やテレビ報道によって、全国で「合理的な疑い」が湧き起こり、ありのままの事件の真相究明が要請されている。
 筆者も、県内の人権活動仲間から救援依頼の手紙を受け取って後、さらに、事件を雑誌『冤罪File』で知って以来、支援者達と同様の疑問を抱き、現在、学術調査研究中。筆者の最大の疑問は、対向車線遠方から事故の一部始終を目撃したとして、裁判で証言台に立った同僚隊員の証言の信憑性である。というのも、高知県の交通機動隊の損害賠償事案の人身事故は年間一件程度であり、ましてや死亡という特殊なケースである。確率論から考えても、あまりにもできすぎた偶然だと思うからだ。同僚の市川幸男隊員の「私は白バイが時速六〇km、バスが時速一〇kmで動いて衝突するのを目撃した」との供述が、片岡晴彦さんの有罪を確定させた。
 片岡晴彦さんは昨年、高知県警を「証拠隠滅罪」で告訴。その不起訴処分に対して、検察審査会は、平成二一年一月二八日、捜査不十分と「不起訴不当」決定。その後、検察庁の再不起訴処分を経て、現在、被告高知県知事や県警本部長以下の関係者に対する一〇〇〇万円の「国家賠償請求事件」が係争中。また、事故処理から裁判経緯に納得がいかない片岡晴彦さんは再審請求を準備中である。
(さらに…)