おしらせブログ 週刊金曜日から定期購読者の皆様へのおしらせを掲載しています。

985号目次

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985号の注目記事

●世論から乖離した大越健介キャスターの政権すりより
放送を語る会

「放送を語る会」はこの3月、特定秘密保護法についてテレビがどのような報道したかを検証した報告書を発表した。詳細な検証のなかからNHKの部分を紹介する。

●司法取引で刑事訴追は当面回避、巨額民事訴訟への影響は不可避
トヨタ自動車に米政府が1200億円の「罰金」
平井 康嗣

●「武力強奪」との欧米の非難は二重基準
クリミア問題の深層と今後の危機
田岡 俊次

●中台関係は新次元を迎えるか
馬英九・習近平会談をめぐる駆け引き
本田 善彦

2月に行なわれた中台閣僚級会議をきっかけに、両岸首脳の会談開催もささやかれている。一方で台北では、中国への市場開放に反対する動きが起きている。

●超法規的に売却許可された香川の企業の不可解さ
朝鮮総聯ビルを召し上げた東京地裁の誘導疑惑
成田 俊一

東京地裁は3月20日、朝鮮総聯中央本部の土地・建物の競売で、
マルナカホールディングスに22億1000万円で落札したと発表。
24日には売却を最終決定した。思いもよらぬこの展開、背景に何があったのか。

●脱混迷ニッポン15 画家 壺井明
被災者の肉声胸に刻み原発神話の構造描く「無主物」
山岡 淳一郎

飛び散った放射性物質は誰のものでもない「無主物」だと主張する東京電力に怒りを覚え、以来福島で聞き取った事柄を描き足し描き足してきた作品「無主物」。壺井さんは絵を携え、誰かと対話するために今日も路上に立つ。

●効きそうで効かない。
かえって毒になる「花粉症予防グッズ」
渡辺 雄二

花粉症の季節となって、つらい思いをしている人が多いと思いますが、そんな人たちを対象にした花粉症予防グッズが、ドラッグストアなどで売られています。鼻の中や外側に塗って花粉の侵入を防ぐもの、マスクにスプレーして花粉を寄せつけないものなどが主です。しかしいずれもほとんど効果はほとんど期待できず、成分が鼻粘膜などにおよぼす悪影響が心配されるのです。

知る自由のためのやせ我慢

知る自由のためのやせ我慢

 日本書籍出版協会、日本雑誌協会、日本出版取次協会、日本書店商業組合連合会、出版文化産業振興財団の連名でポスターが制作され、2月から神保町の書店でも張り出されています。本誌はいずれの団体にも属していないのですが、そこには次のように大きく書かれています。
〈世界には、消費税20%でも本を非課税にしている国があります。〉
 この見出しに続く文章にはその意図が続いています。
〈イギリスでは、消費税の標準税率が20%にもかかわらず、書籍へは一切課税されません。
 出版物は、民主主義の発展・維持に不可欠な公共財。
 情報や知識に課税することは、文化を衰退させることになりかねません。〉
 出版業界も商売で成り立っています。販売価格を上げないためには本体価格を値下げしなければならないのですが、それでは利益を直撃します。だからどの業界も例外扱いしてもらいたいというのは本音でしょう。欧州では書籍や雑誌に非課税や軽減税率が導入されている国はいくつもあるのです。トヨタ自動車のような莫大な“消費税還付金”や税制優遇のある業界は別でしょうが(湖東京至元静岡大学教授が分析した本誌2013年9月20日号掲載のリポートによれば、トヨタへの還付金は12年度に1801億円ですし、11年度には還付のため豊田税務署は1365億円の赤字になっています)。

 しかしこのポスターの言葉に嘘はありません。本という、歴史と蓄積のあるメディアに人々ができるだけ多く接する機会があるよう守っていったほうがよいと私も考えます。

 この思いは伝統的に本を提供してきた図書館では、より日常的で自覚的なようです。先日、広く知られることになった『アンネの日記』破り捨て事件。犯人が捕まりづらかった理由として図書館に監視カメラが少ないことが挙げられました。なぜかと言えば、図書館には「知る自由」を守る自治精神があるからです。

 1954年に「図書館の自由に関する宣言」が採択され、そこに「図書館は利用者の秘密を守る」という言葉が見つかります。監視カメラが普及しても図書館は犯人をもふくめめた読者の知る自由を守ろうと踏みとどまっているように見えます。
「図書館の自由宣言」には次のような言葉も見つかります。
〈すべての国民は、いつでもその必要とする資料を入手し利用する権利を有する。この権利を社会的に保障することは、すなわち知る自由を保障することである。図書館は、まさにこのことに責任を負う機関である。〉

 知る自由、知る権利のために今何をすべきか。出版には立憲政治における役割があります。その一端である『週刊金曜日』も、その取材報告や評論は民主主義を耕し、独裁や排外主義と闘う武器であるという矜持があります。消費増税という“経済制裁”は知る自由と権利の前に立ちはだかりますが、輸出産業や原発関連産業のように出版も国から“裏金”を受け取り、自由を衰退させたくはありません。よって『週刊金曜日』は部数が減り続ける中、増税分を負担して定価を据え置くという姿勢を示すことにしました。知性と欲望がせめぎ合う今の時代にこそ、『週刊金曜日』を多くの読者のみなさんに読んでもらいたいと気負っているからです。私たちはこのたび、やせ我慢をします。

 今後とも、みなさんに支えていただきたく、ご協力をなにとぞお願い申し上げます。

 『週刊金曜日』編集長 平井康嗣

984号目次

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984号の注目記事

●電子巨石貨幣の功罪
ビットコインは「自由」のための貨幣か
斉藤 賢爾

マウントゴックス社の取引停止・経営破綻などによって、法的規制の声が高まっているインターネット上の電子貨幣「ビットコイン」。中央銀行や政府に依存しない「自由」を標榜した通貨の、誤りと可能性を検証する。

●ナショナリズムと市場主義的グローバリズムを背景に
安倍政権が急ピッチで進める「教育再生」のめざすもの
勝野 正章

教育をめぐるさまざまな改革を断行して、安倍政権はどのような社会をつくろうとしているのか。教育学の専門家がその全体像を明らかにし、問題点を探る。

●スマート日本見聞録1
「スマートシティ」で何が起きてる?
平田 剛士

スマートフォン、スマート家電にスマートハウスと、日本中で「スマート化」が進行中だ。「スマートシティ」はさまざまな“見える化”を通じ、エコや健康的な暮らしが実現するという。でも政府や有力企業がこぞって乗り出す理由は、どうやら別のところにあるらしい。てなことを考える連載全3回。

●新わたしと憲法シリーズ
デビッド・ロスハウザー
世界で9条を広める米国の映画監督

戦争の放棄は「夢想」ではない
人類が共存していくには
平和以外の選択肢はないはず

●音楽を詩をめぐるゆるやかな対話
谷川俊太郎×矢野顕子

矢野顕子さんは19歳の時、小室等さんのレコーディングに参加している。そのアルバムの歌詞は、谷川俊太郎さんの作品だった。昔からご縁がある二人の久しぶりの再開。対談はごく自然体ではじまった。

●村井知事が「住民が望んでいる」と強弁する背景
農業者の弱みをつく防潮堤建設
野中 大樹

多くの反対意見がありながら、被災地で着々と計画が進行している防潮堤の建設。宮城県気仙沼市の小泉地区では、防潮堤の建設が進んでしまう背景に、第一次産業の衰退や自治力の低下があることも浮かび上がってきた。

●税金も投入する不健全な9兆円プロジェクト
儲からないリニア新幹線にすべてを賭けるJR東海の裏事情
梅原 淳

9兆円のリニア中央新幹線を「儲からない」と公言しつつも退路を断って建設を進めようとするJR東海。一方、同社のご機嫌をうかがうために国民の税金を投入する政府。いったいなにがどうなっているのか――。

東京新聞3月21日朝刊に『週刊金曜日』の広告を掲載します

『東京新聞』3月21日朝刊に掲載する広告

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バックナンバーの処分について

現在、創刊号~2012年3月30日(889)号および2012年6月22日(900)号は品切れです。保管の都合上、2012年4月6日(890)号~2013年3月29日(937)号を処分します。これらの購入を希望される方は3月28日までにお申込みください。その際には郵便局備え付けの振替用紙をご利用ください。

振替口座番号:00160-5-717087
加入者名:週刊金曜日バックナンバー係
定価:580円 ※4月1日以降、それ以前の発行号は596円となります。
送料:4冊まで100円(5冊以上無料)
振替用紙の通信欄に、ご希望号の発行年月日(号数)および冊数をお書きください。

983号目次

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983号の注目記事

●福島を撮る ドミニク・ナール インタビュー
語られることのない物語

「3・11」直後に東北に入って以来4度目。今年1月から福島県で撮影を続けている。取材費を工面するために拠点としていたナイロビで持ち物を売り払い、福島に駆けつけた若手写真家は、何のために「福島」を撮るのか。

●ネオナチがウクライナ暫定政権の中枢を掌握
黒海の対ロシア包囲戦略と米国の思惑
成澤 宗男

冷戦時代の旧ソ連のように、クリミアの軍事掌握をめぐりロシアが「悪玉」にされている。だが一連の事態は黒海での対ロシア軍事包囲網形成の動きと、ウクライナの政変の影の主役である同国ネオナチの跳躍を抜きに語れない。

●清流・最上小国川に“環境にやさしいダム”!?
山形県の宣伝文句にアユも漁協も騙されない
まさの あつこ

アユで全国的に知られる山形県随一の河川・最上小国川。その清流にダムをつくろうと手段を選ばず仕掛けてくる山形県。ダムに拠らない治水と漁業振興の両立を求め抵抗する漁協。対立は深まり先月、ついに漁協側に犠牲者が出てしまった。

●大阪朝高ラグビー部が目指した「ノーサイド」
弓削田 理絵

朝高チャレッター(よくやった!)――。2010年1月5日。全国高校ラグビー大会(通称・花園)準決勝に駆けつけた朴思柔監督。競技場に響いていたのは溢れんばかりの「ウリマル(私たちの言葉)」だった。

●佐藤優の飛耳長目93
ウクライナ緊迫でロシアが危惧する軍産技術の米流出

●在留邦人が急増!
日本人はなぜマレーシアに向かうのか?
谷瀬 綾子

海外に移住・長期滞在する日本人が増えているが、その行き先のうち最も人気なのがマレーシアだ。しかも高齢のリタイア組のみならず子育て世代の在留者も増加している。なぜ日本人はマレーシアに向かうのだろうか。

●乳幼児や妊婦は十分な注意を!
農薬類は微量・低濃度でも安全とはいえない
岡田 幹治

本誌は消費税増税に反対し定価を据え置きます

読者のみなさまへ
本誌は消費税増税に反対し定価を据え置きます
『週刊金曜日』発行人  北村肇

 弊誌をご愛読いただき、まことにありがとうございます。創刊から21年、『週刊金曜日』は常に読者のみなさまに叱咤激励され、あるいは支えられて歩んでまいりました。改めて感謝の意を表するとともに、社員一同、よりよき誌面つくりに邁進することをお約束します。
 さて、消費税がこの4月より5%から8%に増税となります。弊誌は一貫して消費税増税に反対してきました。消費税そのものについても、誌面で何度となく問題点を追及してきました。
 しかし、遺憾ながら、いかなる悪法や悪制度も成立すると否応なく押し被さってきます。(株)金曜日もそこから逃れることはできず、弊誌の制作費等々、相当程度の負担増が見込まれます。極めて重い現実です。定期購読部数は低減傾向にあり、現在は1万5000部を割り込んでいます。書店売りも少しずつ落ちています。単行本の刊行でしのいでいる状況ですが、書籍の売り上げは安定性に欠け、経営の足を引っ張る危険もあります。出版界全体が冷え込んでいることもあり、正直、弊社もここ何年か営業収支の赤字が続いているのが実態です。
 このような中で、消費税増税への対応をどうするか、昨年から社内で論議を続けてきました。結論から申し上げると、今回は『週刊金曜日』の定価は上げないことにいたしました。定期購読、書店売りとも据え置きにします。つまり、本体価格は値下げするということです。
 まさに苦渋の決断でした。経営的にはありえないことかもしれません。しかし、消費税増税に対する怒りの表明も込めて踏み切りました。今後は、これまで以上に社員一人ひとりの努力で誌面の質向上をめざし、また経費節減にも努めてまいります。
 とはいえ、それだけで苦境を乗り切るのは現実的に困難です。そこで、まことに恐縮ですが、読者のみなさまにお願いがございます。身の回りの方に定期購読を勧めていただけないでしょうか。なかなか新聞広告を出す余裕のない中で、「ご紹介」は本当にありがたく、みなさまのご協力がなければいまの1万5000部はないと思っております。
 5月いっぱいまでを「ご紹介キャンペーン期間」として、ささやかではありますが図書カードをご紹介者と新規購読者の方にそれぞれ2枚ずつ送らせていただきます。「そんなものはいらない」とお叱りを受けるかもしれません。でも、ささやかな中に私たちの切羽詰まった思いがあることをご理解いただければ幸いです。
 来年の「10%」時の対応を含め、将来的には不透明な点もありますが、何としても定期購読部数を増やすことで、可能な限り、ぎりぎりまで、読者のみなさまの負担を回避すべくがんばりたいと思っております。
 安倍政権の暴走は目にあまります。憲法の基本原理である「主権在民」、「平和主義」、「基本的人権の尊重」すべてが蔑ろにされています。このままでは「改憲」あるいは「壊憲」に突き進みそうな勢いです。許すわけにはいきません。断固として安倍政権を倒さなくてはなりません。弊誌は非力かもしれません。でも読者の方々の支援をいただくことで、想像を超える力を発揮できると確信しております。
『週刊金曜日』の灯を消したくない、『週刊金曜日』によってあらゆる人権侵害のない平和な社会をつくりたい、そう強く思っております。どうか、お力をいただけないでしょうか。
何とぞ、ご協力のほど心よりお願いいたします。

<別項>

業務部からのお知らせ

4月1日以降、2014年3月28日(985)号以前の本誌バックナンバーは、現在の本体価格552円に消費税8%が適用されます。従って販売価格が580円から596円となります。なお、4月4日(986)号以降の発行号は本体価格を引き下げ(本体537円)、定価580円に据え置きます。
また、上記「ご紹介キャンペーン」にご協力いただける方は、紹介者のお名前(購読者番号)と住所・電話番号、被紹介者のお名前、住所を明記していただき、FAX・郵便・メールなどで業務部宛お送りください(弊社Webサイト「購読中の方」の「宣伝のお願い」もご利用ください)。

982号目次

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982号の注目記事

●「君が代」強制、公募校長、幼稚園の民営化……
政治主導で迷走する橋下教育改革
平舘 英明

大阪都構想をめぐり橋下徹大阪市長が突然の辞任。「出直し市長選挙」が3月23日に迫っている。
府知事時代から教育関連条例を次々と成立させ、まさに政治主導の教育政策を行なってきた。
その結果、大阪の学校はどうなったのか。「出直し市長選挙」を前に、教育現場の実態を追った。

●舛添新知事は石原・猪瀬路線を引き継ぐのか
最高裁で取り消された不起立による処分を出し直した都教委
永尾 俊彦

東京は舛添都政下で初の卒業式シーズンを迎える。「僕、国歌歌わないもん」
などと最近文芸誌で語った石原知事時代の負の遺産は断ち切れないのか。

●主婦の科学9
掃除上手は片付け上手?モノを減らせば負担も軽減
アズマカナコ

「断捨離」が流行るなど、いかに「モノ」と付き合うかは
今も昔も同じ。「苦手」「面倒」な掃除も、
モノが少なければ手間もかからず、効率よくなるのです。

●サケ弁当がサーモントラウト弁当に!?
メニュー表示ガイドラインのおかしな解釈
垣田達哉

偽装メニュー表示事件を受けて、メニュー表示の新たなガイドラインが発表されました。
そこで問題になっているのが、サーモンとサーモントラウト。

●満腹の情景 名前をなくしたアグー
タロウとハナコと大二郎
写真・文 木村 聡

 豚飼いの名は山本五郎。タロウとハナコとは13年来の付き合いだ。2頭は沖縄の希少なアグー豚。養殖豚としても現役で、純粋なアグー生産を行なう山本さんの欠かせない相棒である。
「アグーでも普通の餌なら同じ。肉の味は飼い方で変わります」
 山本さんは品種もこだわるが、餌にもこだわる。使うのは小麦ふすまや酒粕など。その日はアグーの好物というセンダン草を刈り集め、手づから子豚に与えていた。
 現在、山本さんは飼育規模を大幅に縮小し、定期的には豚の出荷をしていない。アグーとアグーとして食べてもらうには、今の沖縄はたやすい環境とはいえない。純血種も交雑種もいっしょくたなアグー豚肉市場。山本さんのアグーは本当の幻の豚になりかけている。

●「戦後」の墓碑銘2
安倍首相が筆頭、権力者に蔓延する反知性主義
白井 聡

●世界ランク121位と最低レベル
なぜ日本の女性議員は増えないのか
三浦 まり

世界経済フォーラムの男女平等(ジェンダー・ギャップ)指数〔2013〕で日本は136カ国中105位と最低レベル。Political Empowerment(政治への関与)の数値が悪いことが要因だ。列国議員同盟(IPU)の女性国会議員割合最新データ(2013年12月1日付)でも188カ国中日本は121位。1位のルワンダ63.8%(下院)には遠く及ばず、56位の中国(23.4%)、89位の韓国(15.6%)からも引き離されている。なぜ日本はこれほど女性議員が少なくそして増えないのだろうか。

◆現職女性議員座談会 「境界を越えて女性が手をつなぐことが大事」
西崎光子・野田聖子・市来とも子