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986号の注目記事

●満腹の情景 第28回
凍てつく大豆
農家が守る「凍み豆腐」の技
写真・文 木村 聡

 宮城県は北海道に次ぐ全国2番目の大豆生産地。大崎平野の岩出山周辺も水稲からの転作で大豆作りが多く行なわれている。
 その大豆から作るのが、豆腐の保存食「凍み豆腐」である。岩出山は温泉は出ないが、いい水が出た。豆を煮るための薪も、近くの山から容易に調達できた。そして、冬の冷え込みと乾燥した気候。自然環境を生かした凍み豆腐作りは、いまに続く農閑期の伝統的な仕事だ。
 昔は自然のままに凍結、解凍、乾燥させていたが、現在は豆腐を作ったらすぐに冷蔵庫で凍らせる。その後に1週間ほど熟成させてから天日干し。この熟成工程がほかの地域にない味わいを生む。確かな歯ごたえ。かみしめると漂う豆の素朴な香り。風土が培うというあたり前で、貴重な味である。

●報道されない国際会議の議論の中身
放射線の影響を否定できない福島の甲状腺がん増加
まさの あつこ

福島県で甲状腺がんと確定、または疑いありとされた子は75人。事故前、100万人に1人とも言われた病で、36万人中(0~18歳)27万人しか検査していない段階でだ。国際会議では放射線の影響を否定する議長コメントが発表されたが、実態は――。

●「みんな」と「維新」の存在感急低下の一方で
集団的自衛権行使めぐり連立の意味を問われる公明党
横田 一

みんなの党の渡辺氏の借金問題と維新の橋下代表の空振り市長選で、安倍首相が代替連立相手と目論んでいた両党の存在感が急低下。公明党の存在感が増すなかで、集団的自衛権行使をめぐって溝が横たわる自・公が、連立協議に向けて準備を本格化させている。

●「戦後」の墓碑銘 03
STAP細胞騒動、捏造列島に夜明けは来るか
白井 聡

●大西巨人さんを悼む――『神聖喜劇』連載のころ
木下 昌明

作家の大西巨人さんが3月に亡くなった。戦後文学の金字塔と言われる『神聖喜劇』や、鋭い批評などで知られる。本誌とは、創刊号から2年ほど連載コラムを持つなど、縁も深い。『新日本文学』に「神聖喜劇」が掲載された当時、編集者を務め、その後も半世紀にわたって親交のあった木下昌明さんに寄稿して貰った。

●水俣を継承する〈東北〉へ
山内 明美

3年前のあの日の夜、通信機器は使えず、故郷である宮城県南三陸町がどういう状態にあるのかわからぬまま、石牟礼道子さんの『苦海浄土』を手に取り、読みはじめた。なぜ『苦海浄土』だったのだろう――山内明美さんはそう振り返る。2011年3月11日の夜を、あの出来事を迎えるにいたったのは、ひとりの人間の単あるめぐりあわせというより「近代の帰結」であったといえるのではないか。東日本大震災から4年目にして、山内さんはようやく水俣へたどり着くことができた。あの日の夜から連なる水俣は、〈東北〉へと、どのようにつながっているのか。水俣病の震源地となった茂道や坪谷を歩き、胎児性水俣病患者、半永一光さんらにお会いした。(編集部)

●『産経新聞』のキャンペーンに反論する
「河野談話見直し」の策動を許してはならない
林 博史

従軍「慰安婦」問題で政府が謝罪した河野談話の見直しを求める動きが、『産経』を中心に続いている。安倍首相は見直しはしないと国会で発言したが、自民党や「維新」の談話攻撃も止む気配はない。

◆始まった河野談話擁護の運動(編集部)