おしらせブログ 週刊金曜日から定期購読者の皆様へのおしらせを掲載しています。

916号目次


       914号目次PDF

〈916号注目記事〉
●園子温監督インタビュー
 聞き手 早乙女 愛

日本のメディアの取材でいちばん多い質問は「なぜ原発の映画を撮ったのか?」
それ、おかしいでしょ。目の前で原発が爆発したんだからさ、撮らないほうが変でしょ。

もし、また原発事故が起きて4回も被曝することになったら赤塚不二夫の漫画の世界だよ。
僕は「脱原発」という言葉もまだゆるいなと思う。
そうじゃなくて原発は今すぐ出てけ! ってことです。

独特の映像世界で熱烈なファンも多い映画監督・園子温さん。最新作『希望の国』のテーマは「原発」。東日本大震災から数年後、再び大地震と原発事故が起きるという設定だが、そこにも {タブー} は存在した。これまでの作品とは違い、思うように企業の協力を得られない製作資金。「原発」に向き合おうとしない同業者――。そこから見えてくる日本社会の「病い」について、話を聞いた。

●想田和弘監督インタビュー
聞き手 中村一成

「よく観る、よく聴く」をないがしろにする社会が橋下的なものを跋扈させる

台本を作らず、ナレーションや音楽に頼らないドキュメンタリー制作スタイル {観察映画} の実践を続ける想田和弘監督。話題の新作のこと、芸術を細らせる日本社会のことなどを、聞いた。

●保坂展人世田谷区長×上原公子元国立市長
「5%の大改革」で自治体を変える

「五%がガラッと変わると、付随する部分が変わっていく」
という持論に沿って、区政を司っている保坂展人世田谷区長。
時に {八方美人} の批判を受けながらも一年半経ってその成果は?
元国立市長の上原公子さんと語り合った。

国会での厳しい質問を思い浮かべるので、世田谷ではやけに穏便だなと(笑)。

少数与党ですから、どうしても全方位的な進め方が必要でした。

●10シーベルト地帯にも作業員が!
 福島第一原発フリーランス初の撮影取材
 写真・文 尾崎 孝史

10月12日、福島第一原発が報道陣に公開された。これまで政府・東京電力は、フリーランスによるカメラの持ち込みを認めてこなかった。多くのフリージャーナリストの訴えが実り、初めてスチール取材が許された現場で見たのは収束作業の危うさだった。

●写真家・南條直子が向かい合った世界
 日雇い労働者の街「山谷」を撮り続けた女性
 織田忍

●自由と創造のためのレッスン 第7回
 出来事に「期限」はない
 廣瀬純

ジャン + ジャック・ルソーは、しばしば、近代自然法論者の系譜に位置づけられる。しかし、アルチュセールによれば、ルソーはまったく異なる思想家だ。「出来事を到来させるために」ルソーを読み解く、第二回目。

●国策捜査 第31回
 北陵クリニック事件で無期懲役が確定した 守大助さん
 殺人事件そのものが壮大な虚構ではないか
 青木 理