きんようブログ 社員エッセイを掲載。あの記事の裏話も読めるかも!?

兼題「葉月」__金曜俳句への投句一覧
(8月29日号掲載=7月31日締切)

葉月は、旧暦八月の異称です。名の由来は諸説有ります。「葉落ち月」から来ているとの説もあるようです。

さて、どんな句が寄せられたでしょうか。

選句結果と選評は『週刊金曜日』2025年8月29日号に掲載します。

どうぞ、選句をお楽しみ下さり、櫂未知子さんの選と比べてみてください。
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※差別を助長するなどの問題がある表現は、この「投句一覧」から省きます。
※上記以外で投句した句が掲載されていない場合は、編集部(伊田)までご連絡ください。

【葉月】
葉月来ぬ夏の疲れを引きずつて
縄文の葉月の風とすれ違ふ
風やがてうるおつてゐる葉月かな
高架下空地葉月の立話
焼き付けるモノクロ画像葉月尽
鉄塔の病むやうに立つ葉月かな
紫の葉月の雨に沈む海
真直ぐに曲がる葉月の滑走路
葉月来る国歌が悲歌となりし国に
葉月尽大いなるもの逝くごとし
日光の葉月の雨の潔く
口紅を拭う葉月の飛行場
斎場に椅子並べをる葉月かな
先生の葉月と云へり葉月なり
みそかごと思ひ萎ゆたり亭葉月
声いつも耳求むるや木染月
葉月潮湛えて噴火湾夜明け
葉月来る友の死告ぐる頼り来る
カーテンをようやく洗う葉月かな
饅頭をゆつくり食べてゐる葉月
熱き島インバウンドとゆく葉月
歩荷の荷高さ変はりて葉月来る
それとなく葉月の風の匂ふなり
墨堤に子らの自転車葉月来る
阿武隈の水がうがうと葉月雨
絵葉書の遅れて届く葉月かな
葉月まで寝たままの母生きらるか
妻感謝双子生まれの葉月かな
休みとて師も子も走る葉月かな
寂聴の一筆箋に書く葉月
紙コップつぶされぬまま葉月かな
逝く人の声また消ゆぬ葉月の夜
名に葉月抱けり彼女昭和人
半年は温暖化なり葉月来る
沖なかにうねり呼応す葉月尽
草木のそよぎはじめる葉月かな
庖丁とぐ葉月に心置いて研ぐ
葉月の候異常気象と書き出しぬ
はらはらと畑に雨の葉月かな
作業予定遅々と進まぬ葉月かな
巡り来て感慨深し葉月かな
かげうせるひかりのありやはづきのあさ
背凭れのぎぎぎと喘ぐ葉月かな
古書店にシニア訪る葉月かな
わかしおの車窓に海の葉月見て
藍染のフレアー風の空葉月
水仕事終へて葉月の船着場
おみやげはもらわずにおく葉月かな
阿吽とや相添ふ夫婦葉月尽
駅弁の箸の短し木染月
タクシーで帰る葉月のウォーキング
ぬいぐるみ葉月の窓に額をつけ
なほ暑く葉月の汗をふきにける
鳴く鳥の姿は見えず葉月かな
草原の大きくうねる葉月かな
青々と琵琶湖右回りの葉月
葉月かな野菜の畝の草臥れて
デッサンのモデルの背中月葉月
門断平(めんたんぴん)葉月の卓に一人勝ち
葉月とは待てど暮らせど名のみかな
水に樹に土に葉月の疲れ見し
空青くいよよ美し葉月かな
ネックレス貼りつく葉月の胸元
風に揺れ闇の騒めく葉月の夜
地震止まずトカラの島の潮葉月
葉月来て美しきスカート丈になる
土手に寝て葉月の空に溺れけり
母魂を風吹き揺らす葉月かな
濱風に葉月纏わりつくやうに
おちてゆく葉月の側溝にもひかり
指輪二個∞の形葉月かな
挨拶を端折られてゐる葉月かな
帰る子やあれよあれよとゆく葉月
トイレ紙の芯を覗けば葉月かな
優しさは怖し葉月は禍々し
一筋の雲広がりて葉月空
萩月の井戸たつぷりと水湛ふ
怠惰なる南国の夢葉月尽
話すことなきその人よ葉月かな
黙祷の多き葉月をやり過ごす
白山の葉月は黒き肌迎ふ
葉月には素足のままで嘘を吐く
澄みわたる風に故なき葉月かな
木染月離婚届を迫らるる
ストローの袋を結ぶ葉月かな
猫の来て葉月の寝床広くなる
葉月には笑いの奥の祈りまで
はや葉月手帳の余白減りにけり
葉月には君の名前も忘れてた
素描画の少女の憂ふ葉月かな
一膳を洗うための泡葉月尽
月なくも葉月と言えば見えるごと
死に易き葉月朔日の朝空
傷つきてゐしとおぼゆる葉月かな
真つ白に降つてゐるなり葉月雨
優勝に望みをつなぐ葉月かな
芸能人「葉月」と名乗り麗しき
尖りゆくばかり葉月のささくれは
満ちみちて葉月潮闇に立つ富士
葉月には声の重さを持ちすぎた
植木鉢伏せて置かるる葉月かな
旅の足洗ふ葉月の千曲川
今出川通に人をらぬ葉月
老嬢の独り葉月を過ぐしけり
歯並びのはちぐわつ葉月きれいな子
葉月なる休み祈りの使ひ分け
海鳴りや葉月の空は模糊として
葉月尽町に本屋のなくなる日
まといつく暑さ凌いで葉月待つ
新調の衣装をまとふ葉月かな
テラス席葉月の海を前に置く
月見月人が縮んで立つてゐる
傘捲り顔を見てゆく葉月かな
歯磨きのミントの香る葉月かな
繻子を売る葉月のフリーマーケット
指多く使う服着て葉月かな
葉月かな蝶と見まがう蛾の翔てり
勤しみてこの笑み願う葉月かな
音もなく葉月の宵の迫りくる
葉月尽ノートブックの背に小文字
温暖化に耐えし昼夜や葉月尽
艇庫まだ海に開ける葉月かな
眉少し足すや葉月の参観日
家族写真撮って葉月の旅鞄
木木の赤しかと増えゆく葉月かな
このまんまリーグ優勝葉月果つ
体重減り貯蓄は更に減り葉月
葉月空やる気のなささうな感じ
留守電の意味不明なる葉月かな
それはいいことわるいことなの葉月
起きてきて食らふ葉月のグラノーラ
鱗ごと葉月の大樹剥がす幹
葉月かな列車の中は皆スマホ
惜しむ海錦下ろして葉月かな
幾度も吐息を洩らす葉月かな
葉月来ぬ気球のための今日の空
胡桃葉は困り眉にも似て葉月
葉月なり馴染みのホテルバスローブ
彼方には紋かきやあり葉月かな
定宿のぬる湯に浸かる葉月かな
草や木の気の衰へる葉月かな
舫はれしままの葉月の遊覧船
葉月には終わる気配のある朝陽
イートイン子の歓声の葉月かな
自意識のバウムクーヘンめく葉月
庭の景少し色づき葉月かな
風の音風の声聞く葉月かな
父の忌を思ひ始むる葉月かな
太陽が最も円いらし葉月
あとがきのほどよき長さ葉月空
葉月来る古墳の埴輪やさしかり
雲間より夕日散りばめ葉月富士
葉月来て学生街にひと戻る
一周忌変わらぬ日々よ葉月かな
金銭を言ひし貧しき葉月過ぐ
灼熱の底で吐息の葉月来る
襟の釦は外されていし葉月
酷暑乗せ船こぎやがて葉月来る
銀の匙掬ふ葉月のサルモレホ
コンビニにグミと供花買ふ葉月かな
やうやくに葉月の風に安らぎぬ」
としひとつ増える喜び葉月かな
装丁で選ぶ句集や葉月来る
玄関へ蛾がとまりゐる葉月なり
竹の皿と氷の器葉月膳
現実の温暖化あり葉月耐へ
きつパリと葉月のちやつとGTP

【雲の峰】
喫茶店雲の峰見てから入りぬ
割れ目より草生えて来る雲の峰
雲の峰煙の様な腕が出て
雲の峰ライバルは犬かもしれぬ
低くなる雲の峰大雨の予感

【竹婦人】
修行する俳句竹婦人が要るか
竹婦人愛は没落期を見詰め
竹婦人抱きしめなくても分かる愛
上昇の気流竹婦人死蔵され
山の神善意の固まり竹婦人

【不明】
登りきり激戦の丘青葉潮