きんようブログ 社員エッセイを掲載。あの記事の裏話も読めるかも!?

辺見庸さんへのインタビューに寄せて

シジフォスの希望(24)

「じつは新聞労連にいまして……」「ああ、そうなんですか……」――。話はそんなふうにして始まった。1月中旬、とあるホテルの会議室。濃い臙脂(えんじ)色のソファーに向かい合って座った。それから約2時間。世界と日本の現状およびメディアや資本主義や民主主義などをめぐる、根源的かつ極めて刺戟的な話が続いた。

 冒頭のやりとりには意味がある。共同通信社にいた辺見庸さんにとって日本新聞労働組合連合(=新聞労連)はいわば古巣の一つである。というだけではなく、あれからまもなく5年が経つのだというある種の感慨のようなものが一瞬、私の心をかすめた。

 辺見さんは新聞労連の講演で具合が悪くなり、病院に運ばれた。一報を聞いたとき、とても衝撃を受けた記憶が残る。私もかつて新聞労連の一員であり、さまざまな会議や集会や講演などに数え切れないほど参加したが、辺見さんが倒れた講演の場には居合わせなかった。

 脳出血で倒れた後も、がんが辺見さんを襲う。入院中も執筆を続けた。身体性は思考に影響を与える。その後の筆致の、思索の、研ぎ澄まされ方に、ある種の変化を感じ取った。不自由な身体からの融通ないしは無碍(むげ)。世界や人間の芯の部分に、ぐさりと錘(おもり)を下ろしているような感じ。

  インタビューの内容は「辺見庸 特別インタビュー〈同時性のパンデミックを語る(上)〉」として、『週刊金曜日』1月30日号に掲載される。「下」も近く載る。また、2月1日にはNHK教育・ETV特集(午後10時~)にも出演する。ファンならずとも、辺見さん渾身(こんしん)の語りに耳を澄ませてほしい。                                       (2009年1月27日・片岡伸行)

傍若無人子日記その八・布団の巻

あったかにゃ

新年あけましておめでとうございます。(……ってもう遅いかな?)

 

父を布団にするちび。

冬は、

ちびがワタクシたちをふとんにするか。

ワタクシたちがちびをちびたんぽ(湯たんぽ代わり)にするか。

その闘いが常に起きています。

 

※画像が悪いのはお許しくださ~い。

医師解放と日本のメディア(下)

シジフォスの希望(23)

 軍産複合体をその稼ぎ頭とした米国が戦争を事実上の公共事業にしているように、インド洋に面して、海賊を一種の外貨獲得の産業とせざるを得ないほどの掛け値なしの最貧国の一つで、公式国名すらない「失敗国家」とされるのがソマリアである。
 
 昨年12月に『産経新聞』は日本政府の動きを次のように伝えた。
≪政府は23日、アフリカ・ソマリア沖を航行中の日本籍船が海賊に襲撃される危険性が高いと判断した場合、インド洋での補給活動で展開している海上自衛隊の護衛艦に「海上警備行動」を発令し、護送(エスコート)を行う方針を固めた。政府が総合海洋政策本部で検討している海賊対策一般法制定までの過渡的措置として実施する。ソマリア沖では海賊の船舶襲撃事件が頻発しており、政府筋は「襲撃の可能性が高い場合には海警行動を躊躇(ちゅうちょ)なく発令する」としている。≫

 そして年明け、NGO「世界の医療団」所属の日本人女性医師が解放された2日後の『朝日新聞』(asahi.com、1月9日)。
≪ソマリア沖の海賊対策を検討する与党海賊対策プロジェクトチームの初会合が9日、国会内で開かれ、共同座長に自民党の中谷元・安全保障調査会長と公明党の佐藤茂樹・安全保障部会長が就任した。海賊対策新法(一般法)を3月までにまとめるほか、法制定までの「つなぎ」として、海上警備行動発令による海上自衛隊派遣、国連や各国への支援策について検討する。≫

 日本政府の狙いは明白だ。またもや米国に追随して自衛隊を派兵する。しかも武力行使をいとわない。長期の内戦で人心・国土ともに荒廃し、貧困と病苦と絶望と飢えにあえぐ人たちが一方にいる。その人たちに最も必要なことは何なのか。軽んじられる命を救おうと現地に入り支援をする人たちが、大国の思惑や武力行使の影で不公正な状態に置かれる。

 NGO「世界の医療団」(メドゥサン・デュ・モンド)のスローガンにこうある。
 ≪私たちはあらゆる病と闘います。不公正という名の病とも≫。
 メディアが問うべきは、「自己責任」でも「家族の声」でも「身代金」でもなく、この「不公正という名の病」の構造そのものではないのか。それとも、日本の大メディアにそれを求めるのは米国および軍産複合体に良心や公正を求めるのと同じくらいに、もはや絶望的なのか。
                                                                                                                          (2009年1月12日・片岡伸行)

医師解放と日本のメディア(上)

シジフォスの希望(22)

 昨年末のこのコラムで少し触れた、国際医療援助を展開するNGO「世界の医療団」(メドゥサン・デュ・モンド、本部・パリ)所属の日本人女性医師が1月7日に解放された。昨年9月22日にソマリア国境に近いエチオピア東部オガデン地方でソマリア系とされる武装勢力に拉致されて以来108日ぶりの解放である。まずはその無事の帰還に心から安堵するものの、同時に、5年前(2004年4月)にイラクで拉致され解放されたボランティア女性らへの日本国内の右寄り醜悪メディアと政治家らによる「自己責任」バッシングを想起し、やや憂慮してしまう。

 新聞・テレビを主とした日本の大メディアの特徴を、今回の事件と合わせて見ると次のようになる。
 ①事件の本質(要因となる背景や歴史的な経緯)を意図的に無視ないし隠蔽する、②当事者の活動の意義や目的よりもプライバシー暴きにいそしむ、③「危険地域での活動のあり方」などともっともらしい理屈を並べ立てて事件を矮小化(本質そらし)する、④その上で「身代金」などのカネの動向については異常に執着する、⑤解放された場合は(仮に解放されなくても)家族をも巻き込み「自己責任」を追及するとともに国家・国民(世論)への感謝と謝罪(忠誠と服従)をまるで領収書をとるように暗に要求する、⑥本質とは無関係の話題(日本食が食べたい、家族らとの再会などお決まりのパターン)で当事者を日本国内の日常レベルに引きずり下ろした上で追い回して①をさらに闇に葬る――。今回もその体質はいかんなく発揮されている。

 英国、イタリアの植民地から独立そして内戦、国連介入の失敗など複雑な経緯をたどり、「失敗国家」という烙印を押されて現状に至るソマリアだが、近年の構図は比較的分かりやすい。米国を背景にしたエチオピア軍とソマリア暫定政府VSイスラム法廷連合をバックとしたソマリア再解放連盟。この2つの勢力の停戦合意(2008年8月)のほぼ1カ月後に、今回の拉致事件は起きた。07年1月のエチオピア軍による侵攻作戦には米軍特殊部隊が参加しており、つまりはアフガニスタンやイラクと同じ構図、「アルカイーダ」との関連を疑う米国が「テロとの闘い」を標榜して深く介入してきたのが近年のソマリア内戦の実情だ。そうした中、日本人女性医師らを拉致・監禁したソマリア系とされる武装集団は、エチオピアで収監されているソマリア人の解放を求めたのである。
 今回の拉致に至る要因に米国は深く関わっていた。そのことを報じようとしない日本の大メディアの姿勢あるいは狙いは一体何なのだ。(つづく)                                                                                         (2009年1月12日・片岡伸行)

<武土道雑記> たまねぎ 5玉

謹賀新年。

本年もお付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます。

 

 

 

<前回からの続き。まだ11月の話です。マキ入れます>

さて、師匠に出会っていなかったら、「楽しそうだ」と私もキャベツの苗を植えていたことでしょう。

種から苗に育てるのは結構難しいんです。

しかし、「10円の苗と50円の苗」では、意味がまったく違います。

(さらに…)