きんようブログ 社員エッセイを掲載。あの記事の裏話も読めるかも!?

兼題「プール」__金曜俳句への投句一覧
(8月28日号掲載=7月31日締切)

プールの説明は不要でしょう。ただ、プールの老朽化や指導教員の負担、熱中症への警戒などから、全国の公立中学校で水泳の実技授業を廃止する動きが広がりつつあるようです。

さて、どんな句が寄せられたでしょうか。

選句結果と選評は『週刊金曜日』2026年8月28日号に掲載します。

どうぞ、選句をお楽しみ下さり、堀田季何さんの選と比べてみてください。

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※差別を助長するなどの問題がある表現は、この「投句一覧」から省きます。
※上記以外で投句した句が掲載されていない場合は、編集部(伊田)までご連絡ください。

【プール】
一位二位抱き合ふプールロープ越し
ギロチンに向かふ心地のプールの日
プールねだる父母に祖父母に大叔父に
眼も口もぎゆつと結びてプールの日
人知れず風に吹かれてプールの子
プール出で四五歩で消ゆる足の跡
水のあしおと閂のなきプール小屋
全長をまた折り返すプールかな
月光やプールに考の浮かびたる
国民皆泳プール嫌いな非国民
市営プール水遊びするスズメたち
世の闇のひろがつてゐるプールかな
浚ひ来し星屑放つプールかな
プールにはどこもかしこも子どもかな
廃校のプールに乱る夕校舎
プールサイド腕立て伏せの罰ゲーム
死に際の鳥ならプールの水を飲む
プール出づ重き地球にしがみつき
プールへと道着のままに飛びこめり
絵日記にまいにちプールの水描く
日本だけ拘るプール授業かな
ファウルボール飛び込む市民プールかな
プールより無言で戻る生徒たち
ほのか恋出会ふ私のプールかな
ナンパする市民プールの監視員
戦争やプールは死体を置くところ
プール開きそろりそうろり足の先
プール暮れブリキの金魚残されて
数滴の涙も混じりプール澄む
泳げずにプール行ったりきたりかな
プールにも少子高齢化の波紋
海亀の泳ぐ廃校プールかな
プール監視や泳ぐ児の癖見ぬく
プールより戻る子の耳まだ水位
流されて雲となりけりプールかな
原子炉のプール覗きて鬼火あり
夜のプール手のひら程の鱗浮く
消毒の匂い懐かしプールかな
日もすがらプールの吾子は陽の塊
豪快に大減点の水しぶき
人でなく底見るプール監視員
家庭用プールではしゃぐ吾子と犬
夏プール行けぬわが身の影ひとつ
背浮きして臥薪嘗胆するプール
香り放つプールサイドに夜の花
決戦へプールに通ふ選手たち
心地よい眠り誘ふプール後
彼のプール底なし沼へ続きをり
水面の下で競り合ふプールかな
背の龍がプールの水面渡りゆく
プールなる消防水利子ら浮けり
天然のプール各地にあった頃
プール越し停電つづく呼吸止む
泣き虫が女教師として今プール
愛人のふりを独りのプールにて
市民プール子の歓声を俯瞰せし
プール終へ水かるがると脱ぎすてり
プールバッグの底なるサガミオリジナル
海見ゆる宿のプールに遊ぶかな
プールより勝者をたたふ握手かな
天空のプール吹き落とせマーライオン
アイドルや昭和はプールいま銭湯
療養の身を投げ入れしプールかな
どつちみち水は水なり雨プール
学校のプールで毎日会ったやつ
月光に照らされプールひとり歩き
リハビリも楽しく通う市民プール
声嗄らす監視員をりプール入る
プール開き同級生のママ若い
放課後の市民プールに浮く死体
長き髪ぴつちり収めプールの子
葛飾区渋江プールが初泳ぎ
鎧めく水を剥がしてプール出る
幼児みなビニールプールに置かれをり
プールより厚き胸板水ひらり
影脱いでさつと飛び込むプールの子
涙までプールサイドに置いてくる
プールのそばを新幹線が通過
太陽は丸くてプール四角くて
独り親プールは独りで行くところ
閃光無風轟音プールサイド
紫のうなじのナイトプールかな
SSがプール授業を代行し
天候が決まる中止のプールかな
背泳にプールの水のひび割れす
屋上のプールの雲の白さかな
プール閉づ誰も正しく濡れぬまま
水面の織り機で編んだ彩都かな
プール嫌ひ悪夢の巨大滑り台
機銃痕土耳古ブルーのプール跡
C組の授業はプール吾は古文
プールとは塊である大地震
プールサイド影だけ先に老いてゐる
混雑のプールゆつくり動くなり
月光の素足遊べるプールかな
銃声やプール開きのサプライズ
五時限目数学Ⅲと化すプール
順流のプールで歩き軽き膝
トップレスカフェのプールの花氷
スポンジのやうにプールを上がりけり
風流るるプールの傍に戦かな
幾たびも昏きプールを往復す
大プール尿ぬくしやなほ生きる
監視台影が動かぬプールかな
森近くプールに葉々の溜まり易し
抜手きる筋肉プールに輝けり
車窓のプール瞬く間の喧騒
プールの匂ひの少女と老人と
第八レーンに弱者集めらるるプール
アーティスティックスイミングプールにさく水中花
山の湯の眼下に開くプールかな
埋蔵のお宝有る筈無きプール
徒に地雷を踏みしプール爆ぜ
水のないプールの底で雨を待つ
放課後のプルーにひとり師の孤独
己が身の幅のみ使ふプールかな
石蹴って気づけば今日はプールの日
領といふカラ◯プールの罪いづこ
我モーセプールが嫌い大嫌い
耳抜きの水やプールのカルキ臭
プールより国家見下ろす飛込台
プールよりラツシユガードの少女湧く
飛び込めば打つ腹ぎゅっと止まる息
垢や汗流すプールの排水口
拾はないプールの底の哺乳瓶
噂ではプールしかない天の国
子供用プールの中の大人かな
DNAに刻まれし性プール行く
竹筋のプールがあつた昭和かな
プールの子イカ泳ぎして天あおぐ
プールのコースロープに凭れしまま
魂の緩み流るるプールかな
小魚とタイドプールで泳ぐ子ら
百万人プール人魚の混りをり
ぬるみつつぬめりしプールサイドかな
生ぬるき羊水湛うプールかな
プール底国旗ことごと歪みをり
プール青しできるかじゃねぇやるんだよ!
雨の日のプールの底の黒いもの
足跡の消えるプールのサイドかな
初めてのビニールプール先づ兄が
深夜プールの金網にしがみつく
生きてゐて地獄シャワーのプールかな
初めて見るプールの中の妻の顔
プール開き鳥の死骸が浮く前夜
流れ来るたびにプールの同じ顔
プール後の重き体で家路つく
生理日と偽りプール見学中
区のプールだけで会ふ人渋谷区民
プールの子香水のごと塩素臭
立ち飛びやプールの底を認識す
幾万の雨よプールに飛び込みぬ
息絶えてプールの底を蹴るかかと
真昼より深きプールの忘れもの
プールは湯浮力に弾む子ら跳べり
水音も密かに夜のプールかな
幼児みな流されているプールかな
昇級は隣のレーンプールの子
流れないプール回転しない寿司
水際に立てぬ身を知りプールかな
スライダー悲鳴残してプールへと
首だけがごろごろプールの面をながれ
プール底喧噪遠く宇宙船
ざんばらの落武者一服プールの匂ひ
昇級のロープを潜るプールの子
山岳部渓の溺死を言ふプール
水足跡消ゆる焦熱のプール
プールの水飛び来蜥蜴遠回り
3人がプールサイドに見学す
パーソナルジムに続きてゆくプール
海際のプールに上がる青い旗
泳げぬ子プールサイドに膝を抱く
欲望の予感渦巻くプール裏
プール帽何度やつてもかぶれぬ子
五郎逝くプールサイドのエンタシス
篠突く雨プールを薄め去りにけり
プール行き図書館で寝る心地よさ
プール帰りの震災の海しづか
ホイッスル合図に爆ぜるプールの子
いろ沈むプールの底の陽に向かふ
一閃の直後プールへ墜ちる鳥
曇天のプールよ父を止り木に
溶けそうでプールも行かぬここ三日
鉄板のごときプールへ飛び込みぬ
学校やプールサイドに番を待つ
乱反射プール開きの大飛沫
プール監視員地元大学生
波の立つプールせえので跳び上がる
プールサイドタオル持ちたる母のゐる
子と通ひ今は見てゐる夏プール
クルーズ船プールを乗せて太平洋
ひと夏はドルフィンキック女忘れ
一匹のうろこがはためく夏びより
褐色の身体を曝すプールかな
波の出るプールに足を取られけり
ゴムプール裸足で走る三姉妹
中間点プールの旗のひらひらと
水着に制服着朝一のプール
プール底飛行機の影ほどけゆく
泣きながら夜のプールに泳ぎけり
星条旗プールの底の言葉かな
夜のプール身体を冒す水と闇
プールより浮き出る肌のまぶしさよ
自転車に立ち乗りしつつ行くプール
サイレンは遠しプールの昼下り
プールなら三羽の交尾が成立し
人波引き月の浮きたるプールかな
プール開誰かの名前呼ぶサイレン
日雇いやプールの水面眩しき家路
ぎゆうぎゆうに空の詰まつたプールかな
待望のプール大会腹筋す
プール帰り熱い小石を耳に当て
ブザー鳴るプールに水のにほひかな
波を打つプールに空の歪みかな
学校の夜のプールへ君と脱ぐ
プールには動物入れるべからずと
丸文字のやうなプールのお母さん
子どもらの集まるプール青さ満つ
友だちと潜るプールの空の色
シャワー浴びプールサイドも青くなる
プール割る一閃光のホイッスル
池心めくプールに人の血のにほひ
溺死せし姿勢プールで救わるる
初戀のプールの底に沈みけり
人の世も流れるプールまがれ右
時々は市民プールの人魚姫
プール来て昔の人と今の人
つながれてプールへ向かう指と指
合宿の月夜プールは濡れてゐし
ディクテイタープールに光る廃墟かな
爪の先よりプールへと切り込みぬ
すれ違ふプール帰りの子の匂
水抜かれ今年でプールは廃止され
小学校プールに目隠しするそうな
プールきらきらどこかに帽子落ちたらし
人間は水したたらすものプールかな
どことなく怖しプールの管理人
ふつふつと人新世のプールの香
いま昔プール中止は暑すぎで
飛び板のプール俄かに震へ出す
学校のプールの授業減る近年
児童減り水音弱きプルーかな
近づけばプールの淀み逃げたかり
回るプールぬるさで人の多さ知る
言葉なきプールの底に少し棲む
日曜のプール怪獣Bの父
楽しみなプール不可へと地獄風
プールからあがってと死ぬほど叫ぶ
学校のプール中止となる陽射し
プールサイド髪短き君の恋
光る藻や夜半のプールに息吹あり
教室はプールの時間待てぬ子ら
プールの子足をつけたり離したり
学校にまたプールなき時代くる
プールに潜る羊水の中の音
プールの恋水の浮力を持て余す
プールの授業いまは無いんだと言ふ子ら
水面より日差し揺れ来るプール底
熱々のラーメンすするプールの日
プールに入る火葬の熱がまだ膿む身
新設のプールに列の子の日焼け
水に人浮かべプールは神の箱
プールから出てきたような有象無象
プールの底沈み息止む少年や
ゴールしてプールの水面叩きけり
つと入りつつつと出でるプールかな
プール底兄と並んで梨を待つ
人生は流れるプールみたい思慕
廃校に子どもがひとりプールかな
抱きあげてプールの匂う子総身
夏の冒険深夜のプール友と二人
プール打つ雨に体育授業なし
けんけんや耳よりプールの水たらり
青さ満つ今年のプール空の色
プールサイド束髪の耳美しき
春プール曲に踊れるウォーキング
プールサイド監視のバイト眠そうに
雨降りてプールに弾む水の玉
プール来てぱつぱつ更衣室の黙
六年が総出で洗ふ初プール
プールの底届かぬ先の痒みかな
少女らのプールの内緒話かな
プール底光りて息の遅れけり
プールの底見えないものの影を見る
プールより声とんで来る飛んでくる
ラムの香か汝の匂ひかプールバー
すこしがまんをすればプールの時間
笛の音に徐々に平たくなるプール
プール消え共に遊んだ従姉逝く
児童減り設備老化のプール危機
泳法を編み出すプール今日ひとり
兄の名を被りプールに紛れけり
数珠繋ぎ老爺の歩くプールかな
また来年プールの底にさよならす
内側も外側も人プールかな
プールには革命前夜の塩素臭
子を入れてプールの水の歓べる
プール揺れ天の汀やほどけゆく
重き水引摺りプール這ひあがる
赤旗やプール開放中止報(しら)せ