兼題「紫陽花」__金曜俳句への投句一覧
(7月31日号掲載=6月30日締切)
2026年7月4日2:51PM|カテゴリー:堀田季何の金曜俳句|admin
紫陽花(あじさい)は、ユキノシタ科の落葉低木の花です。花の色は、土の酸性度によって青色や赤紫色になります。
さて、どんな句が寄せられたでしょうか。
選句結果と選評は『週刊金曜日』2026年7月31日号に掲載します。
どうぞ、選句をお楽しみ下さり、堀田季何さんの選と比べてみてください。
amazonなどネット書店でも購入できるようになりました。
予約もできます。「週刊金曜日」で検索してください。
※差別を助長するなどの問題がある表現は、この「投句一覧」から省きます。
※上記以外で投句した句が掲載されていない場合は、編集部(伊田)までご連絡ください。
【紫陽花】
紫陽花の頃湿つぽい恋ごころ
紫陽花や天津甕星まつろわず
紫陽花の裏の筋骨隆々と
紫陽花の雨の促すけふの色
紫陽花や山門過ぎて手水舎に
紫陽花や修理費の出ぬアーケード
紫陽花の白咲き誇る裁判所
濃紫陽花嘘と知りつつままに言ふ
憚りの窓に紫陽花尼の寺
あぢさゐの呼気の昏さにふるるかな
紫陽花の群生掠め行く列車
御仏の前を素通り紫陽花寺
紫陽花やおまえはワタシワタシはおまえ
筒音の途切れぬ国の四葩かな
紫陽花や遠きところに雲があり
水滴を落としてくれと四葩かな
紫陽花の花に映り込む空の青
紫陽花やしとしと雨の音楽隊
空の青海の蒼充ち濃紫陽花
紫陽花や千夜一夜の陰をもつ
紫陽花に残る夕日の小径かな
紫陽花やかつてキューポラありし街
ふとももを伝ふ経血四葩咲く
紫陽花やブライドメイトとの一日
七変化死者の国には対の色
紫陽花も戦さも同じ星の上
紫陽花の毬あふれたり過疎の村
四葩咲き刑務所の昼ながきかな
紫陽花をどう描くのかゴッホなら
紫陽花の長きお別れジャポニスム
逢いに行きます紫陽花を餞に
紫陽花に想ひを寄せるシーボルト
紫陽花みな垂れ過ちを抱えきれず
七変化スイツチバツク折るる位置
あぢさゐのペルシャンブルー吊るそうか
流れ星紫陽花の花となんなりぬ
あぢさゐを老人みんなぽんぽんす
紫陽花の色を変へたる供述書
飽きもせず紫陽花を観る日頃かな
紫陽花の寺や家族のヒストリー
紫陽花やバックミラーに孝の影
紫陽花の始めの色のうすみどり
紫陽花や今日も手抜きのオムライス
便せんに紫陽花ほどのにじみかな
空破れあぢさゐの咲き一閃光
紫陽花や返信欄の未送信
江ノ電に身を躍らせる濃紫陽花
ただ雨音奏で愉しむ紫陽花よ
開国の誠うらはら七変化
七変化音楽室の肖像画
赤紙を紫陽花の中へ隠した
紫陽花へ天沼矛として支柱
川沿ひに紫陽花多し三万歩
鎌倉をのぼりつめたる四葩かな
紫陽花や神の悪戯ブーケトス
フィルム装填あぢさゐを試し撮り
本命の子の名を問へば濃紫陽花
紫陽花に隠れて「ゐないゐないばあ」
紫陽花の剪れば余りし重さかな
紫陽花は色彩感覚に優れ
朽ちてなほ四葩の色の残るかな
紫陽花は山道埋めて足だるい
紫陽花の奥へ踏み入る一歩かな
ホスピスに濃き紫陽花の仕掛けあり
A day in the life紫陽花へ突っ込む戦車
紫陽花咲きて願ひ叶わぬ世なりけり
紫陽花やもう気にしない靴の穴
あぢさゐの鮫皮となる夕まぐれ
紫陽花や空へと還る者ばかり
今生のしづくあつめし濃紫陽花
紫陽花の紅抱きたる水の底
鎌倉の雨に傾げる濃紫陽花
紫陽花の下で腐敗の進みをり
紫陽花の毬を揺すらば犬のやう
紫陽花の雨に錆びずに日に錆びる
向こう岸の存在だよ、紫陽花
山寺を沈めるごとく濃あぢさゐ
膝うつがごとく紫陽花露こぼす
モネの色を小さくまとめ濃紫陽花
紫陽花の毬に隠るる検問所
紫陽花にエリーゼのために雨音よ
改行のおほき一日四葩咲く
あぢさゐや大きさはみな不揃ひに
紫陽花を配る行員年金日
紫陽花や地球は蒼き水の星
紫陽花や歓びよせて咲き誇る
羊水の中かも知れぬ濃紫陽花
紫陽花の藍がきはだつ今朝の雨
紫陽花や久遠信じてゐるやうな
四葩みなビル解体を見上げをる
無いやうである紫陽花の径遠し
引き分けは白白白よ七変化
紫陽花や辞めて十年経つ店へ
紫陽花や木目あらはの芭蕉像
濃紫陽花名字の違ふ骨二つ
紫陽花やソファーの隅に父の癖
紫陽花はしとどに濡れる花である
紫陽花や雨のまにまに深呼吸
締切りは迫る四葩の青深む
渋谷への鉄路さ揺らぐ七変化
伴奏の代はりに四葩灯りけり
一色のまま変はらざる七変化
紫陽花やバリアフリーの河川敷
紫陽花やペット火葬のライトバン
紫陽花の紫紺の毬に紅一点
歳時記の付箋いろいろ七変化
紫陽花の白や滲みて雨となる
濃紫陽花雨粒あまた有る光
紫陽花や積ん読本の塔崩れ
あぢさゐに人うばはれて雨しとど
四葩咲く帰化願ひの母の文字
紫陽花やロックスターの貧乏ゆすり
山紫陽花古墳の主に逢ひたしか
子午線を揺らしてをりぬ四葩かな
紫陽花や父のロザリオ現るる
紫陽花の雨たたまねば核の傘
あぢさゐの限界近くなりにけり
愛咬に臥し紫陽花の枝の下
紫陽花やディベート中の俳句会
紫陽花の美人顔なり雨あがる
紫陽花や観光バスの通路側
清涼剤めく色淡し額の花
手折られてなお紫陽花はふくよかに
散らずしてひたすら老いて七変化
紫陽花の径ゆずりあう会釈かな
紫陽花に借地権有り地代無し
紫陽花の青深みたり母忌日
紫陽花やポストカードのIloveyou
紫陽花に登山電車を待つ間かな
あぢさゐやからんと昏るる砂糖壺
紫陽花や200色ある赤と青
紫陽花や反原発の絵本買う
紫陽花を抜けて眩しきスタジアム
紫陽花の雨何処にぞ美少年
紫陽花や千百円の四神像
紫陽花のたたずみてゐる不動かな
紫陽花に幻影あまた浮かびけり
AIのまだなき頃の濃紫陽花
紫陽花やゲリラ豪雨に大はしゃぎ
紫陽花やまあるく咲きて天球儀
紫陽花の色を深めず枯れにけり
鎌倉の谷(やつ)の奥なる七変化
なかないであじさいピンクにしてあげる
紫陽花や手帳の裏に新住所
新しき街に紫陽花根を張るか
不発弾処理の回覧濃あじさい
紫陽花や空つぽ寸前の頭
紫陽花やひとり遊びがうまくなる
紫陽花や聞きとりにくき広報車
紫陽花の尽きぬ住まひや子沢山
退院を急かす会議や濃紫陽花
七変化戸籍の父を消しにけり
四葩散る雨のしぶきを日のしぶき
紫陽花の寺に紫陽花また愛づる
紫陽花や雀飛び込む雨宿り
紫陽花や廊下の角に車椅子
ぬれぎぬや雨に色無し七変化
あぢさゐの惑星のごと玻璃に浮く
紫陽花や束ねる髪の少なさよ
紫陽花を掻き分け江ノ電現れり
紫陽花や透明感に惹かれてる
一夜また一夜紫陽花変りゆく
紫陽花は他の植物に隠されて
儚さの先で語られる紫陽花
紫陽花や雨を待たずに勇足
紫陽花のグラデーションの性差なり
あじさいは白しなんでも信じる子
庭先に誼の声や濃紫陽花
紫陽花は物識り来れば色変える
てのひらに紫陽花の海ひとしづく
紫陽花の重き頭に手を添ふる
紫陽花に従ひ至る寺の門
紫陽花の中にブラックホールあり
紫陽花に紛れて泣けば目立たない
紫陽花に背中押されて診察日
モノクロになれば確かに濃紫陽花
恋色の紫陽花なりと幼き日
脳染めるほど紫陽花の恋ぢから
川沿ひに紫陽花ならぶ石橋群
紫陽花を銀河に箱根登山電車
戦争の終わり混沌七変化
逢ふたびに変る態度や四葩の夜
日陰より日向好みの濃紫陽花
紫陽花や宇宙は今日も膨らめり
紫陽花に迎へられたる理髪店
友愛の香り継ぎたる八仙花
紫陽花や我が道を行く女子高生
雨色の甲羅揺らめける紫陽花
紫陽花の深縹までうつろへり
あじさいや死なぬ理由がふえていく
紫陽花や大空襲の焼夷弾
一斤の紫陽花五個の重さかな
紫陽花やきのふの嘘を忘れたり
手水鉢揺らぐ水面に七変化
紫陽花はみ出し枯れる権利もつ
鳴瀧や雲を呼びこむ七変化
紫陽花や遠ざけて読む成分表
紫陽花やいま荒ら屋の王となる
紫陽花や地球をささふ細き首
紫陽花の色を深める細雨かな
あぢさゐ垂れ懺悔とはかくうつくしき
贖いの紫陽花を置くカインの手
紫陽花の白を捨てたる湖の色
あぢさゐや薄きいのちの掠めける
紫陽花の日焼けし老いにある矜持
廃線の朽ちた駅舎や小紫陽花
虫食葉たんと抱へて濃紫陽花
七変化孤独なる日を飼ひ慣らす
紫陽花やスワイプの指ひとりぼち
きのふより少し紫陽花らしくなり
粉々の世界のかけら濃紫陽花
阿武隈の水がうがうと山紫陽花
原発禍四片一片のみ海へ
手を繋ぎ踊るマティスや額の花
紫陽花の今のところは妻の色
刺繍花母語をなくした母の国
紫陽花の此処に咲こうとする高さ
あぢさゐひたひたひたあめのあしあと
色とりどりなべて紫陽花と呼んでおく
紫陽花やダブル不倫のラブホテル
紫陽花のあたりいつもの潦
友熱く紫陽花片手にルッキズム
紫陽花の腰の重さに寝ておりぬ
後光差すロザリオ抱きをり四芭
紫陽花の水より水の色持てり
この町の紫陽花の場所覚えけり
紫陽花の青を縁取る影濡れて
額紫陽花銀河系のかくありぬ
客呼べる紫陽花装置完備せし
七変化だれか隠れているやうな
八十の色はあぢさゐソファミレド
七変化君は気ままな水瓶座
こきうきののどごろごろと四葩の花
紫陽花の脇を日毎の配達夫
紫陽花の毬に老後の透きにけり
時計屋の奥ほど昏し四葩咲く
紫陽花をアフロと思ふ撫でながら
あぢさゐやシュガーポットに粒の影
あじさい寺紫陽花色の鐘の音
濃淡は白にもありて七変化
朝日のあからあぢさゐのあに変る
紫陽花ぼんぼん雨降つてろんろん
寄り道重ぬ紫陽花の咲くところ
薄紅の紫陽花濡れし朝ぼらけ
濃紫陽花明日の色に移りゆく
あぢさゐの雨に飽きられ枯れ始む
警報へ首傾くや小紫陽花
あぢさゐの姿そのまま終にけり
紫陽花や末廣亭裏口出待ち
庭隅に三代つづく濃紫陽花
紫陽花の咲く喪の家の灯一つ
紫陽花は揺れない母は諦めない
紫陽花や就職決まって寄るお店
水絵具今絞りたる紫陽花に
国宝の茶器は二の次紫陽花寺
あぢさゐのあをは燃えない國境
あぢさゐはゆるしの花ぞ雨のなか
紫陽花を大切に飼ふ遊園地
海へ向く道綴織七変化
紫陽花や宿坊下駄の音遠く
侵略のあるや七変化の惑い
紫陽花や夕べの紙をたたむ手よ
紫陽花や隣同士で無言なり
あぢさゐや傘取り違ふかの如く
紫陽花の陰に撮り鉄登山鉄道
紫陽花の陽に項垂れてゐて虚ろ
紫陽花の葉騒はイリスの羽搏き
足元に低空部隊四葩かな
紫陽花の青を通りて逝きしひと
投函や青紫陽花の迎えをり
雨の糸に四葩縫はれてしまひけり
【不明】
領といふカラ◯プールの罪いづこ
徒に地雷を踏みしプール爆ぜ
