兼題「梅見」__金曜俳句への投句一覧
(2月27日号掲載=2025年1月31日締切)
2026年2月20日9:33AM|カテゴリー:堀田季何の金曜俳句|admin
梅は、他の花に先駆けて1、2月頃から咲くので、花の兄とも呼ばれます。花の期間が長いので、梅の名所は多くの人々で賑わいます。
さて、どんな句が寄せられたでしょうか。
選句結果と選評は『週刊金曜日』2026年2月27日号に掲載します。
どうぞ、選句をお楽しみ下さり、堀田季何さんの選と比べてみてください。
amazonなどネット書店でも購入できるようになりました。
予約もできます。「週刊金曜日」で検索してください。
※差別を助長するなどの問題がある表現は、この「投句一覧」から省きます。
※上記以外で投句した句が掲載されていない場合は、編集部(伊田)までご連絡ください。
【梅見】
梅見とて老婆の帯の艶やかさ
梅見からお汁粉食べるルーティーン
星の夜に梅見ほのかに輝けり
漱石と老聃のをる梅見かな
年女の穢れ祓つてより梅見
子音より母音の大き梅見ごろ
五号館正門出れば梅見頃
奈良ことばやさしや月ヶ瀬梅見茶屋
濡れ縁でせんべい囓り梅見かな
豹柄も虎柄もおる梅見かな
リハビリ兼梅見の足をゆっくりと
出涸らしのお茶で居座る梅見客
観梅やあをむ長瀞アルプスを
誘ひたる富士見と梅見兼ねし径
大枝に支柱百齢の梅見
野点傘の朱の傾きて梅見茶屋
住職のたつた一人の梅見かな
こども食堂梅見の寺に案内板
菅公の時をはるかに梅見かな
あんちょこに縋るガイドの梅見バス
一枡と決めて立ちたる梅見かな
紅かをり瓣まるまりて梅見かな
もれなく笛の実演付きの梅見
水戸高の兜太を生みし梅見かな
観梅や谺の返す匂ひかな
ウォーキングいつもの道に梅を見る
ゲゲゲのゲ缶コーヒーの梅見かな
観梅へ無人の白き家並ぶ
蛇腹管膨らみ縮み梅見どき
遊園地親子たちの目梅見かな
「飛梅」の話題老人会の梅見
母と梅見母の齢はとうに越し
ほの甘きいろいろのいろ聞く梅見
ひらかなのこころとなりて梅見かな
寒戻り雪のちらつく梅見かな
予報士のの梅見の客に紛れをり
泥靴の三和土に並ぶ梅見茶屋
老犬の坂に屁をひる梅見かな
廊下立つ相談室は梅見して
散りゆくもふふめるもまた梅見かな
後楽の雨のそぼ振る梅見かな
青空に澄んだ月仰いで梅見
晴天の指揮棒を振る梅見かな
ポケットの手を出せぬまま梅見かな
特養の小さき裏庭観梅所
気付かれぬやうに恋せり梅見かな
馬乗りて笑えば梅見十里かな
青空のひび割れてゐる梅見かな
紅梅や気持ち新たに前を向く
一行は寡黙に離れ梅見かな
梅見なら車窓からでも歩行でも
先客はカメラマン梅見の目白
梅見ても香に遠きかな雲のひと
見てゐると夢に落ちたる梅見かな
梅見して子供ガイドの名調子
そろそろと帰る梅見の空模様
梅見ころ遅れたわけに頷いて
風上におけぬ人来て梅見かな
見上げても香り漂ふ梅見かな
梅見かなキルト仕立ての小リュック
梅見より帰せる体の吸ひとられ
まずカメラ次にしやつぽを脱ぐ梅見
坂道を自転車押して野梅見に
小高きに登れば海も梅見山
ポケットの中あたたかし梅見かな
塀越しの梅見を兼ねてけふの試歩
戦争は続く梅見の丘登る
場所取りも酔っ払いも見ぬ梅見
ビニルシート冠り舟より梅見かな
やさしげな夫婦営む梅見茶屋
湯浴より梅見と誘ふ熱海の地
たましひの少し歌うて梅見酒
梅見茶屋のれんを透かすくに訛
着くまでにうろうろしたる梅見かな
潮騒を遠くに聞ける梅見かな
鎖骨へと枝垂れ梅より夜の風
梅見の地かつて富豪の庭といふ
百までは生きるつもりで梅見かな
梅見行き銀河の星を数へんや
ゆつくりと梅見帰りの女坂
フォロワーの「いいね」あふれる梅見かな
梅見なるにはか城主と姫ふたり
梅見どき彷徨ふいのち漂はせ
救急車より早く着く梅見かな
歩きつつ空を見てゐる梅見かな
梅見酒をとこのきもち穏やかに
梅見茶屋団子も白き日差しかな
道のひび梅見に感覚敏くなり
缶コーヒー頬に当てつつ梅見かな
風さらに強く梅見に背を丸む
後半は名札を読まぬ梅見かな
梅見せり我より若き校長と
梅見茶屋二階の芸妓控室
潔くマスク外しぬ梅見山
梅を見む一筆書きの話題なら
やや熱めなるがうれしき梅見酒
目を閉じて顎上げて笑む梅見の子
岬から岬の見える梅見かな
支那鉢にのたうち回る梅を見む
梅見茶屋同級生の退職日
寺入りて肘を枕にする梅見
大声の人もちらほら梅見茶屋
挨拶と交互に梅見里の医師
紅白の好み分かるる梅見かな
住職も知らずに過ぎる梅見茶屋
梅見にて枝垂れた紅の香を聞く
山国の青空硬き梅見かな
観梅の隣りけいこ場剣道部
五年後の君に逢ひたき梅見かな
梅見かな喉に馴染めるカニューレと
人生を曲がりしところ梅見茶屋
妻偲ぶ一人梅見の縁側か
公園の梅見とりごろ計りつつ
梅見せず頬染めし君を観てキュンと
犬と足止めて梅見の散歩かな
指に息吹いて香をきく梅見かな
観梅や茶屋の湯飲みに皹のある
スイス製時計見せびらかせ梅見
探鳥の心も少し梅見かな
センサーを過りて点る梅見かな
口実は梅見の下見ホーホケキョ
観梅や野点の席に呼び込まれ
鼻の孔一つになれよ梅見行く
人知れず鈴を鳴らして梅見道
梅林をはづれ河原の梅見かな
利休鼠の空梅見のぬかるみ
君育ち八十年後の梅見想う
大吉をハートに結び梅見かな
袖広げまた袖広げ梅見かな
綺麗だと君に言いたい梅見かな
懐にCHOYAの小瓶梅見かな
茶を啜るマイノリティーの梅見客
梅見みな汁粉に塩をひとつまみ
故郷や一期一会の梅見茶屋
近傍に友越して来し梅見かな
コピー機に着く早早の梅見かな
色気より食い気優先梅見茶屋
享楽と背中合はせの梅見かな
自転車のタイヤが回る梅見かな
廃屋の塀に白梅見頃かな
そぞろ立つ芳香の後の梅見かな
神社脇チラ見していく梅見かな
数式の解を待たせて梅見かな
飼い犬の骸の咲きし梅見かな
異国語のガイドにつきぬ梅見かな
隠れ呑むものを隠さぬ梅見かな
約束の時は近づく梅見かな
革靴に泥のつき染む梅見かな
サラームと言ひしヒジャブの子や梅見
合格を祈るついでの梅見かな
初孫の溢るる光梅見かな
濃い赤に心揺さぶられて梅見
観梅やスカイツリーを遠望す
石段を休みやすみの梅見かな
はとバスの梅見コースは完売し
途中から名札は見ざる梅見かな
梅見つつ結露を拭ふ呼吸かな
見晴るかす武蔵野台地梅見茶屋
棺桶を運んだ庭の梅見かな
観梅や二度の楽しみ富士見坂
観音の点呼に混じる梅見時
高校の同級生と梅見かな
赴任地の花は遅咲き梅見酒
レイトショー終えて迎える梅見かな
公園で銀河のように梅見かな
梅見茶屋繰り合わせたる友は逝き
梅の香に気温上昇みなみ風
踏む石の息を聞き分く梅見かな
焙じ茶のまことによろし梅見茶屋
一樹ずつ挨拶をして梅見かな
渋滞に梅見行くよりUターン
日本人の端くれとして梅を見る
山道にふと立ち竦む梅見かな
老いし身のこころを洗ふ梅見かな
懐のホットコーヒー梅見かな
梅見出て後の酒肴を考へん
中国語ハングル飛び交ふ梅見茶屋
帯を解く梅見帰りの身のほてり
凸凹の土踏みこえて梅見かな
梅見にと誘ふ友ありやや古風
締切りはわかっちゃいるけど梅見酒
スキットル取り出す宵の梅見かな
梅割がやはりよく合う梅見会
慶喜の蟄居間(ちっきょま)に座し梅見果つ
竹林の静寂喧騒なる梅見
香に惹かれ闇の奥へと梅見果てず
告白の体温になる梅見かな
海望む寺より始む梅見かな
梅見して五秒数える願い事
梅見とて古米の花の切なさよ
梅見てるつもり?せっかく梅見きて
梅見来て碁盤の石見る野暮天爺
復讐の「第九」梅見へミステリー
足腰の急に気になる梅見かな
伏せをりて軒に華やぐ梅見かな
座す人と押す人のゐる梅見かな
梅見せりGOLD’S GYMの帰り道
梅見にはちょっと早いか退院日
海ゆかば黄泉比良坂梅見坂
梅見客有刺鉄線二度潜り
梅見酒バレテイマスヨGoogleデ
人避けて川に出くはす梅見かな
梅見客サンダル履きの者同士
急坂を登り詰めたる梅見かな
天守閣仰ぎて梅を見る日かな
狭筵に耳を澄まして梅見かな
ぬかるみに足を取らるる梅見かな
イベントに心弾みぬ梅見かな
炭酸に美酢を割りたる梅見茶屋
密やかに詰る聲する梅見かな
血のいろは赤か青きか梅見をり
梅見して生きやすき日の無かりけり
パノラマの梅見の丘の空蒼き
梅見頃旅と似てるがまた違う
ついでとは云へ夕日優しき梅見
梅見客今日の法事や奥座敷
初めての土地で迷つて梅見して
若ければ音符と連符並ぶ梅見
フーテンの寅さんとゆく梅見坂
助手席の曇りもとれて梅見かな
天神さん誘いをかけている梅見
梅見行年々遠出しなくなり
肩窄めつつそそくさと梅見かな
二十分空きて偶々なる梅見
水涸れて梅見の川となりにけり
小高きに富嶽望みて梅見かな
梅見酒酔ひに誘われ昼寝かな
観梅や五百羅漢をたぐりよせ
梅見する果たして今は平和なの
面白し桜は狩って梅は見る
翳深き母の人中梅見酒
副業として梅を見る無職だが
せせらぎを風が運べる梅見かな
ミサイルも弾も気にせず梅見する
母は茶屋しばし独りの梅見かな
戦跡と知らず沸き立つ梅見かな
梅見するお礼参りの天満宮
逢瀬かな梅見の風の吹き止みぬ
早生もあり晩生もありて梅見かな
たつぷり梅見してモーニングセット
吾も儂も朕も梅見の空の下
梅見して予備の電池の重みかな
ヒールの吾を母は追い抜く梅見坂
梅見とて歳下に誘はれてゐる
菅公も梅見か白「飛梅」よ
杖無しで愛でる百寿の梅見かな
結晶の法則に惑う梅見人
梅見茶屋冥土の土産探す旅
一樹一樹語り合ふ君梅見かな
梅見茶屋香りの濃淡楽しめり
一本をためつすがめつ見る梅見
一眼レフシャッターの音梅見かな
観梅やいつしか鶴の歩みして
梅見酒二合瓶さへ持て余す
畝の間を山の麓へ梅を見に
どむみりと八雲漱石梅見坂
メジロ着き同じ処に梅見客
句作りのメモ忙しき梅見かな
流れゆく梅見の空に白い雲
悠久の日を浴ぶ墓地の梅見かな
夜の部も観ることにして梅見かな
犬の来て梅見の犬となりにけり
Оの字に続き8の字せり梅見
目印は旗ぞろぞろと梅見かな
途中より見合ひと気付く梅見かな
甘酒の文字が旗めく梅見茶屋
梅見せり変わらぬことは死ぬること
不器用なポテサラ抱え梅見交じる
国道の一本裏の梅見かな
お金貯めて貯めて梅見てまた貯めて
連泊の温泉の地の梅見かな
梅見とて当の目的茶屋にこそ
紅梅の蕾ほころぶ梅見かな
牛の鳴く声を遠くに梅見かな
みづうみは地図におほきく梅見舟
見上げれば紅白青の梅見かな
気がつけば梅見の客となつてをり
とびとびの梅見のひとを連れとせり
振り出しに戻る梅見でありにけり
これ三分(ぶ)あの木は五分と梅見かな
海見えで潮の鳴りたる梅見かな
ゆつくりと悼む歩幅の梅見かな
沢庵を玉子焼きだといざ梅見
梅見酒大きあくびのその後に
観梅や飯の真中に去年の梅
梅見して帰れぬ人の名を呼べり
稀少土もスマホも要らぬ梅見かな
天満宮お礼がてらの梅見かな
解体の日近し我が家梅見かな
梅見とて円き目の鳥渉猟す
痛き腰伸ばしてしまふ梅見かな
滅びへと向かふ男の梅見かな
梅見ごろ戦隊ポーズ親子して
去り際のロマンティクスの梅見茶屋
UFOはどこにも飛んでない梅見
観梅や遥か晴れたる播磨灘
懐に般若温めて梅見かな
富士塚に日の当たりたる梅見かな
一分咲き瞳凝らして梅見かな
梅見客有刺鉄線二度潜り
初梅見玉三郎のやうな所作
車椅子連ね梅見の五六人
梅見するときは笑顔で受験生
左手に吉の御籤よ梅見せり
梅見頃地図を片手に一人旅
玻璃越しに雨筋ひかる梅見茶屋
天高く孫の両手と梅見かな
飴色の大黒柱梅見茶屋
古寺にぬかるみながら梅見かな
梅見とは一人となりて黙すこと
大絵馬に梅見の客も一礼す
灯篭の色より薄く梅見かな
観梅や茶飲み仲間のままでよし
此の先は集落ひとつ梅見坂
筑波峰借景にして梅見かな
線香のほどよくくゆる梅見かな
古き壁梅見促す隙間有り
十年の散歩コースの梅見かな
梅をめで長五郎餅いただきぬ
好きなだけ梅を見てゐるテラス席
四方ビル天満天神梅見茶屋
無愛想に梅見の返事天邪鬼
城の梅見ごろなれどもあの登り
ポスティングしばし休みて梅見かな
梅見するなどかは梅見きておきて
梅見茶屋重機に酔ひのまはりけり
梅見へは黄色き花を見てからに
梅見客なぞへに謎の渋滞中
月ヶ瀬や梅うめうめのシャングリラ
車椅子戻りて揃ふ梅見茶屋
門越しに梅見返して出立す
約束の梅見を果たし友は逝く
野に点てる茶の香の混じる梅見かな
好文亭藩主の間から梅見かな
梅見茶屋茶の一杯に並びたり
老梅の見ゆる窓ある湯治宿
自転車の巡査も愛づる梅見頃
酸素ゆく泡の音聴く梅見かな
梅見園もつと静かに見てくれろ
人少なき梅見の午後の静けさよ
パステルを基調のコーデ梅見客
