きんようブログ 社員エッセイを掲載。あの記事の裏話も読めるかも!?

賢い神奈川県警

神奈川県警は賢いと思った。

土曜日、オートバイで横浜市の本牧界隈の産業道路を走っていた。
本牧といえば「あいつとララバイ」(楠みちはる)の本牧レディを思い出す人もいるでしょうが、実際はなんにもない街です。ドラマや漫画にあるような米軍基地も、兵隊もハマの不良も、クレイジーケンバンドもほとんど見かけません。

信号も少なく、3車線でいかにもスピードを出しやすい、この産業道路はねずみ取りが土日の午前中いることで地元では有名である。入れ喰い場である。
私も昨年夏にオートバイのスピード違反で捕まっている。
私の速度違反を警告してくれた山手警察署さん、ありがとう。
そのため、この道路を通るときは、山手警察の手をわずらわせないように、最大限の注意を払ってスピードを抑える。
案の定、前方にねずみ取りレーダー(警察の速度違反取り締まり)を発見、捕まっているクルマを目撃する。今日も神奈川県警は給料稼ぎに励んでいた。

そのレーダー網をなんとか通過してほっと弛んだのが運の尽きだったらしい。

ギアを5速に入れたオートバイは、軽~くスピードが80キロメートルくらいは出てしまう。
ほんの数秒、気をゆるし、バックミラーを何気なく見ると、背後にぴたりとはりつく白バイを発見した。
いわゆるひとつの恐怖の瞬間です。
いわゆる白い二連星、神奈川県警のジェットストリームアタックでというやつである。

だいたい200メートルぐらい背後にいれば、速度は読まれないモノだが(だと思う)、この距離では言い逃れもできない。
すぐにスピードを落としたものの、バックミラー越しに左に寄れと合図しているのが確認できた。

ねずみ取りのレーダーは信用がおけないので、いつもクレームをつけるのだが、同じバイク乗りにはさすがにその手は通用しない。しかも白バイ隊員は、白バイを押してダッシュしたり、毎日、半端じゃない鍛え方をしている。
オートバイを降りて、降参した。

ちなみにこの神奈川県警って行政機関は、1999年9月に集団暴行やら交際強要などが発覚し、全国的に不祥事警察の代名詞となり、警察不信の火をつけた由緒ある警察なのである。
今でこそ警察不信の下火になったが、絶頂期にあった神奈川県民の県警に対する不信感はそれはもう激しかった。
知り合いの温厚な中年主婦ですら、駐車禁止の切符を切られれば「あんたたちに人を裁けるのか。この犯罪者!金返せ!」などと反抗されている有様だった。
しかし、やはり最大の薬は睡眠と時間である。
今では、そんな反抗も時代遅れ。
切符を切られた私もさすがに警察不祥事を引き合いにだすことに気が引け、新しいつっこみが欲しいと、神奈川県警の次なる全国ニュースを期待し、唇を噛みしめた。

「ねずみ取りのあとにすぐ白バイで捕まえるとずいぶん熱心ですね」と、とりあえずは白バイ隊員のその仕事熱心ぶりと、波状攻撃で違反者を取り締まる手口の賢さを評価すると、
「レーダーは山手警察署で、私らは神奈川県警第一機動隊ですから」と小杉巡査は答えたのだった。

私には難しすぎて小杉巡査の言っている意味はよくわからなかった。
所轄で二重のねずみ取りをするなら、怒ってもいいという意味に受け取れる。
今度は、所轄が二重で取り締まりをしていたら、そう言ってみよう。

こちらの小杉巡査はいい人で、私の免許が更新誕生日を過ぎていることを指摘してくれた。
危ないところだった(注)。
1万5000円と減点3点分の価値はあった。

昨年、テレビ(日本テレビ系のはず)で特集されていたが、神奈川県警白バイ隊員にとって最大の晴舞台は箱根駅伝での先導だそうだ。

小杉巡査は駅伝選手を先導したことあるのだろうか。
今度、神奈川県警の白バイ隊員に捕まったらこの質問をしてみよう。

(注)翌日、免許更新に行った。私は違反者なので2時間の講習が必要だと言われた。優良運転手は30分、一般は1時間である。だが、この日の教官は気配りの人で「日曜日は免許センターにいらっしゃる方が多いので、今日は早めに終えます」と、規則を曲げてまで、1時間20分くらいで講習を終えてくれた。規則を曲げてくれたおかげで、40分も節約できた。
神奈川県は免許保有者が529万6822人おり、一年間に6000人が免許取消になり、毎日70人から100人がうっかり失効がいるそうだ。
お約束の自動車事故の映画は国広富之と見栄晴が出ていた。

▼ 4月20日、総会屋といわれる人物(56歳)が不動産取引を東証一部上場企業に強要したとして商法違反(利益供与)で逮捕された。20億円で不動産会社が買った土地を50億円で買い取りたいと強要したという。
 この件について周辺筋からは「20億円の土地を50億円で買うと言って、どこが利益供与なのだ」と疑問の声があがっていた。一方で、不動産会社が付加価値をつけて30億円以上の利益を上げる予定だったならば、確かに不動産会社としては売る必要もなかっただろう。
いずれにせよ、6月23日の株主総会集中日に近づけば、「総会屋」「元総会屋」の逮捕が当局から発表されるのは悪しき恒例行事である。次はどの「総会屋」かと思っていたのだが、予想を超えたのは、担当者必携(総会屋など特殊株主とされる人物が記載される企業総務部が持つ名簿)にかつてその名が記載されていた大物「特殊株主」が逮捕されたことである。
村上ファンドの村上世彰さんである。
(平井康嗣)