1579号
2026年07月31日
▼ドキュメンタリー映画『ゆきゆきて、神軍』(原一男監督、122分)がYouTubeで無料公開され、反響を呼んでいます。私も学生時代以来、久しぶりに鑑賞し、あらためて衝撃を受けました。
主人公は、神戸市で妻とバッテリー商を営む奥崎謙三さん。自らを「神軍平等兵」と名乗り、「神軍」の旗がたなびく車に乗って日本列島を疾駆します。奥崎さんは、かつて自身が所属し、ニューギニアにいた独立工兵第36連隊で起こったある事件の真相究明に乗り出します。奥崎さんの執拗な追及により、元兵士や元上官たちから驚くべき事実が明かされていくのです。結末もショッキングでした。
1987年の公開時点でも、時には暴力を辞さない奥崎さんの姿勢は賛否両論がありましたが、現在ではさらに拒否感が強まっていると思います。もちろん暴力は否定されるべきですが、奥崎さんの暴力によって、戦争の巨大な犯罪性、暴力性が浮かび上がってくると私は感じました。
YouTubeでは、原監督のトークなど関連動画もアップされています。ぜひ多くの方にみていただきたい映画です。(伊田浩之)
▼ドイツ在住で一時帰国中の映画監督・國本隆史さんが、東京都内で開いた上映会に参加。ちょうど20年前、国立市出身の彼が、同市の象徴でもある国立駅の三角屋根駅舎の解体話(後に保存が実現)が浮上した際、問題を訴えるべく『駅舎に登ろう』という、建造物不法侵入現行犯ドキュメンタリー映画をゲリラ撮影で作った頃からの知り合いだ。後にピースボートの乗船取材中に出会ったドイツ人女性と結婚し、国を出た。
現在、彼が妻子と一緒に暮らす北ドイツの街はさまざまな国や地域からの移民や難民が多数居住。彼自身も移民の一人として、タイやボスニア、シリアなどにルーツを持つ隣人らとの日々の関わりの中から作った『もうひとつの故郷』という映画が今回は上映された。ごく普通のドイツのおばあちゃんだと思っていた女性が実はポメラニア地方(現在は大半がポーランド領)出身で、第2次世界大戦中に3日間のつもりで難民で逃れてきたその街で生涯をまっとうした(映画完成直後に死去)との切ないエピソードが印象的だった。今後の作品にも要注目だ。(岩本太郎)
▼毎年恒例の「ジャーナリストを目指す日韓学生フォーラム」が7月末から8月初めにかけて開催される。なんと、今回で11回目を数える。言論機関への就職を目指すか、すでに内定をもらっている日本と韓国の学生、言論機関で働いているOB・OGらが、日本と韓国のさまざまな歴史的現場を訪れ、学び、今後のジャーナリスト活動で生かすことを目的としている。今年は関西のコリアンタウンをいくつか訪れる予定である。
コリアンタウンといえば、大阪の鶴橋が有名だが、日本各地にコリアンタウンはある。某大学で非常勤講師をしているが、そこでもコリアンタウンについて教えている。鶴橋や東京の新大久保ぐらいしか知らない学生も少なくないので、全国のコリアンタウンについて教えると好評だ。なぜそこにできたのかを話すと俄然興味を覚えてくれる。私自身も知らなかった部分が多く、講義の準備をする過程で調べることがとても面白い。
今回参加者たちは何を学んでくれるだろうか。詳細については、後日、本誌でご報告したいと思っている。(文聖姫)
