週刊金曜日 編集後記

1577号

▼今週号の《天皇制と「皇位継承」問題》の編集作業をしながら、衆議院・議院運営委員会の「皇室典範改正案」をめぐる質疑と答弁の模様をラジオで聞いていた。「安定的な皇位継承の確保は、わが国の根幹であり、国柄に関わるきわめて重要な課題」という小林鷹之議員の冒頭の口上からのけぞった。この人の頭の中に天皇の地位が「主権の存する国民の総意に基づく」という憲法第一条の条文が1ミリも入っていそうもないからだ。腹から響きわたる声で滑舌よくぐいぐいと突き進む。「皇位の男系継承は2600年以上にわたって先人たちが守り抜いてきた皇統、皇室の伝統」。再び驚く。

「天皇退位特例法」成立時の附帯決議が政府と国会に課した段取りを、改正案は踏まえたように見えるが、その内実はまったく違うのではないか。そもそも天皇が「国民の総意」に基づくというのならば、今回の改正案の眼目である「皇族数の確保」の前に、議論すべきことがあるのではないか──。今週号の2本の記事はそんな問題提起をしているように思える。

 校了日の関係で審議を最後まで追えなかった。(小林和子)

▼昨年の山形国際ドキュメンタリー映画祭で見た後、全国公開を心待ちにしていた秀作『ハワの手習い』がようやく8月から順次上映される。タリバンの支配下で、女性が中等・高等教育を禁じられている世界で唯一の国アフガニスタンを舞台にしたドキュメンタリーだ。ナジーバ・ヌーリ監督が自身と母、姪を軸に母国の実情を描く。

「ハワ」はナジーバ監督の母の名だ。13歳で30も年の離れた夫と結婚させられたハワは、自分の人生を取り戻そうと、孫と共に読み書きを習い、手芸品の商売を始める。ナジーバ監督は、ハワが自分と同じ轍を踏ませまいと手塩にかけた娘で、AFP(フランス通信社)のジャーナリストに成長する。

 ナジーバ監督は外国の報道機関に身を置きながら、母国に関するその報道ぶりに疑問を抱いてきたという。仕事で「暴力」の現場を取材するなか、「暴力の対極にある普通の暮らしや女性たちの闘いをどうして見ようとしないのか」と。今作にはそうした監督の思いが込められている。次週7月24日号では戦争や平和について考える映画を特集し、ナジーバ監督のインタビューも掲載する。(平畑玄洋)

▼市販の梅干しの甘さに閉口して、自分で作るようになりました。とはいっても、甕や重しを使う本格的なものではなく、ビニールの密閉袋と冷蔵庫を利用するお手軽レシピです。赤にはこだわらないので、赤しそも入れない白梅干し。

 1年目は天日干ししすぎて、梅がかっちこっちになってしまいました。まるで石みたい。レシピでは天日干しは3日間とあったのですが、1週間干してしまったのです。過ぎたるはなお及ばざるがごとし、長時間干せばいいというものではなく、ちょうどいいあんばいがあるのですね。

 2年目は天日干しの日数には気をつけ、いい感じの柔らかさになりました。ところが塩を入れすぎて、しょっぱい、しょっぱい。でも保存している間に熟成が進み、徐々にしょっぱさよりも酸っぱさが出てきて、最後のほうは思い描いた酸っぱさになりました。

 3年目の今年は、先日、天日干しが終わり瓶詰めしました。今年は梅が熟しすぎ、傷み始めていたので、ちょっとビミョーです。塩は控えめにしてみたのですが、はたしてどんな梅干しに仕上がっていくでしょうか。いいあんばいになっているといいのですが。(渡辺妙子)