1567号
2026年05月01日
▼今号の特集「憲法の現場から」の中にある憲法学者の清水雅彦さんの記事中の4枚の写真は、実は私が撮影したものです。編集を担当しているわけではないのですが、とても思い入れのある誌面となりました。
写真撮影のため、4月16日に清水さんが登壇した新宿駅前の「憲法9条改悪に反対します『9条署名』キックオフペンライト集会」に伺いました。平日の夜だったにもかかわらず、主催者発表でおよそ300人が集結したとか。
印象に残っているのは、20代くらいの若い人や外国人とおぼしき参加者が少なからずいたことです。また、後ろの方では通行人が足を止めて登壇者のスピーチに耳を傾けている姿も見られました。「憲法9条を守る」というメッセージが、道行く人々にも響く時代になったということでしょう。
先日、最終回を迎えた朝ドラ「ばけばけ」の主題歌「笑ったり転んだり」で「日に日に世界が悪くなる 気のせいかそうじゃない」と歌われていますが、改めて今を生きる私たちの心情を捉えていたのだなと、デモに参加している人々を見て思いました。(渡部翔太)
▼私が担当する「きんようぶんか」の書評・映画評では、さまざまな分野の人に筆を振るってもらっています。
韓日・日韓翻訳者のすんみさんには、キム・イソル著『わたしたちの停留所と、書き写す夜』評をお願いしました(2月20日号)。原書も邦訳も読みこなせる人ならではの評を期待しました。
宮下今日子著『ヘルパー裁判傍聴記』評を引き受けてくれたのは、某介護専門紙編集部・佐藤慎之介さん(3月13日号)。介護の現場や国の事情をよく知る記者がこの裁判をどう捉えたか、読んでみたかったのです。
現在上映中、若い聴覚障害者の青春を描いた劇映画『私たちの話し方』評は、川崎市立聾学校教員・重田剛志さんに託しました(3月27日号)。彼が書いた聾学校でのエピソードは、私のような聴者が知らないことばかりでした。
4月3日号は、『キネマ旬報』元編集部・平嶋洋一さんが登場。公開中の劇映画『OCHI! ―オチ―』を取り上げました。
「きんようぶんか」ではどのような評者が登場しているのか? 引き続き楽しんでもらえたらうれしいです。(鎌田浩昭)
▼昨年、若松孝二監督の映画で山谷初男(はっぽん)さん主演の『胎児が密猟する時』と『性の放浪』を2本立て続けに観ました。晩年のはっぽんさんは、その場面や舞台にいるだけで涙を誘い、ふんわりと心を包み込む独特の存在感が魅力でした。一言発する台詞で主役を食ってしまう名脇役でもありました。ただ、2本の映画の中のはっぽんさんは、力強い肉体とギラギラした欲望に満ち、別の顔に出会った思いでした。
亡くなった2019年は、月に1、2回は会っていましたが、残念なのが出演した作品について、あまり話を聞くことができなかったこと。いま住んでいるアパートの大家が、はっぽんさんの付き人兼俳優のHさんで、1階の住人ははっぽんさんがコンサートを行なっていたライブハウスのオーナー。秋田の葬儀にともに参列した仲でもあり、機会をみつけては、はっぽんさんの話を根掘り葉掘り聞くようにしています。
Hさんが教えてくれました。4月25日から5月8日まで、横浜シネマリンで仲代達矢さんの追悼特集がある、と。「『いのち・ぼうにふろう』は、はっぽんも出ているから」。「言葉の広場」6月のテーマは、「映画」です。(秋山晴康)
