1565号
2026年04月17日
▼働くことも許されず、社会保障も受けられないとしたら、どうやって生きていけばいいのか。仮放免の人たちは、そんな理不尽な状況に置かれている。
特集の鼎談は、池尾伸一さん、雨宮処凛さん、それに仮放免の当事者であるエマさんに登場いただいた。3月の忙しい時期だったが、池尾さん、雨宮さんとも高校3年生のエマさんの都合を最優先して予定をあわせてくれた。
話し始めてすぐにナイジェリア出身のチママンダ・ンゴズィ・アディーチェさんの『男も女もみんなフェミニストでなきゃ』(河出書房新社)の話になった。エマさんと雨宮さんのテンションが爆上がりするのがわかった。そういう私は、当日ひどい風邪をひいていて耳もよく聞こえず、正直何を話しているのかさっぱりわからなかった。あとで録音を聞き直し、実際に作品を読んでみて、あのときなぜ二人が盛り上がったのか、遅ればせながら合点がいった。
エマさんは英文学を学びたいとも言っていた。希望が叶わないときの進路も語っていた。いずれの道に進まれても、この日本で安心して暮らしていけることを願うばかりだ。(小林和子)
▼「あの人は自分とは違う」。いつ、どんな場面でも抱き得る感情だが、やはり危うい。麻原彰晃(本名・松本智津夫)の三女の松本麗華さん、和歌山カレー事件で死刑囚となった林眞須美さんの長男、林浩次さん(仮名)らが登壇した座談会に参加して改めて感じた。
加害者と加害者家族を同一視してしまう世間の風潮は根強い。そこから家族への差別、偏見が生まれ、誹謗中傷が蔓延する。麗華さんもSNSなどで心ない言葉を浴びせられ、自殺しようと思い詰めたことが何度もあった。林浩次さんの姉は実際に自殺している。
麗華さんは「加害者家族が死んでしまえば被害が増えていくだけ。私たちにできることは、できるだけその傷を減らしていくこと」と語った。会場から「生きがい」について尋ねられると、弁護士会主催の自身の講演がきっかけで加害者や死刑囚の家族を支える仕組みづくりが進んでいることだと言い、「生きててよかった。今までの苦労は無駄じゃなかった」と前を向いた。「自分が加害者側、加害者家族になり得ると想像することで社会はより寛容になって事件は減るのでは」とも。同感だ。(平畑玄洋)
▼3月に受けた健康診断の結果が出まして、いくつかの数値が基準値より上回っていたので「要経過観察」となりました。トホホ......。
健康診断の結果が出るたび、不思議に思うことがあるのです。
学生のときは、テストの結果が悪いと「平均より下回っている。もっと勉強しろ」と言われるのに、健康診断では「基準値を上回っている。下回るようにしてください」と言われる。平均値=基準値ではありませんが、「平均」がある意味で成績がいい・悪いの「基準」となっていると考えると、一方では平均(基準)より下だとダメだと言われ、もう一方では基準より上だとダメだと言われる。
不思議ですねー。そもそも「平均」というのがよくわからなくて、点数が高い人もいれば低い人もいるから平均という概念が存在するんでしょうけど、だったらなぜ平均点より下だとダメなのか、ずーっと謎です。もしみんなが同じ点数だったら、平均というのは成り立たない。低い点数の人がいるからこそ平均が成り立つのに。平均以下の存在意義を認めろー!
以上、万年平均点以下だった者の叫びでした。(渡辺妙子)
