1557号
2026年02月20日
▼衆院選の結果を受けて、政治シリーズの名称を〈どうする日本政治 「高市一強」を問う〉に今号から変更します。
2025年10月24日号の奥付で、多党時代について私はこう分析しました。〈自民党が今後、衆参両院で過半数の議席を獲得することはないでしょう。有権者の広範な利害を代表し調整する"国民政党"ではなくなったからです〉
自民党は、今号で白井聡さんが喝破したように〈右派ポピュリズム政党〉になりました。その意味で、広範な利害を調整する国民政党でなくなった、との指摘は当たりましたが、前段の選挙予測については見事にはずしました。
今後、高市早苗首相は、衆議院での圧倒的な議席をもとに、「国論を二分するような政策」の実現に突き進むでしょう。そして、高市自民に投票した国民の多くは、それを支持するのではないか。
2月13日号で書いたとおり、野党による国会監視機能は著しく下がりました。だからこそ、メディアが警鐘を鳴らす必要性がますます高まっております。
『週刊金曜日』はさらに力を入れて、「国民主権」「平和主義」「基本的人権の尊重」の大切さを読者のみなさまとともに考えてゆきます。今後も一層の叱咤激励をお願いいたします。(伊田浩之)
▼衆院選の結果に、衝撃を受けた人も多いのではないか。身勝手な解散、討論番組からの逃避、宣伝動画の異常な再生回数、争点を隠して人気投票に誘導する手法など、自民党の煽動的でやったもん勝ちの選挙戦術を見せつけられた。
国会の中には行政府の監視という重要な役割がある。ところが、「真っ当な批判や責任追及」が「非難」「政局優先」と貶められ、権力に物申してきた勢力が次々と議席を失った。批判をしないとどうなるか、与党入りで裏金問題に甘くなった維新が良い例だ。
圧倒的な議席数をもって、この先、個人の権利を制約する法律が熟議なく押し通される恐れがある。国会議員が沈黙したとき、誰が行政を監視するのか。報道機関の役割も重要だが、市民が声を上げるほかないのではないか。今回、私は初めて「ひとり街宣」をした。AI(人工知能)とSNSが選挙で影響力を強めるなか、身近な場所で、生身の人間が組織性を帯びずに一人で声を上げることで、現状の政治への批判を可視化し、通りかかる誰かの心に刺さり、権力者の煽動に乗せられない社会に変える転換点になるのではないか。本誌1月16日号の若者たちの叫びが今も胸に響く。彼ら・彼女らを範とし微力を尽くしたい。(上野和樹)
▼電車の中でさっきから、隣に座っている女の人がこちらをちらちらと見ている。なぜ? どうして? 私、この人の怒りを買うようなことをやった覚えはない。とにかく隣を見ないように、目を合わせないようにし、この人、途中で降りないかな、早く終点に着かないかなと、心の中で祈る。しかし途中駅で降りる気配はなく、私の緊張感はMAXに。
あと数分で終点駅というところで、その人がついに口を開いた。
「あの~」
私「(ひぃ、来た~!)な、な、なんでしょうか?」
「それ、かわいいですね」
「へ?」
私のかばんには、去年中国で買ったラブブがつけてある。その人はラブブを指さし、「かわいいなーって思って見ていたんですよ」
あらー、ラブブですか! ラブブを見ていたんですね。バカバカ、なんたる自意識過剰! しかしすべての謎が解けてホッとした。
「これ、ラブブって言うんです」
「そうなんですか」
「今、人気があるみたいで」
「あ、そうなんですね」
みたいな会話を交わしたが、予想だにしなかった展開で、うまく話せませんでした。あの時の方、すみません。(渡辺妙子)
