週刊金曜日 編集後記

1552号

▼今号では社会運動に携わる若者たちを特集した。今後も取り上げていきたい。若者たちの活躍を頼もしく思う一方、彼ら・彼女らが主体的に取り組める環境づくりが急務だということも理解できた。対談では、2020年代のコロナ禍が若者の社会運動に与えた影響が話題になり、印象的だった。紙幅の都合で割愛したため、ここで紹介したい。コロナ禍では大学への立ち入りも制限され、学生に時間的な余裕が生まれると同時に、政府のコロナ対策に不満や違和感を抱く若者が増えたという見方だ。

 能條桃子さん自身も「コロナ禍があったからこそ活動ができた」。中村眞大さんは「(若者が)政治に関心を持つ大きな起点になった」と当時を振り返り、「20年代以降、若者の社会運動は(課題によって)個別化した」と分析した。

 対談を含め7人の若者が登場したが、共通していたのは社会への明確な問題意識と、「自分なら何ができるのか」を考える当事者意識だ。今後の誌面作りでも見習いたい。それにしても夜間のデモ取材は寒かった。改めて参加者の熱意に頭が下がった。(平畑玄洋)

▼あけましておめでとうございます。新年1本目は今週号50ページ「『金曜日』で逢いましょう 李誠雅さん」を担当しました。

 男子の「Jリーグ」に続き、女子サッカープロリーグ「WEリーグ」は2021年に誕生。李誠雅選手は在日朝鮮人として、初の日本女子プロサッカー選手となりました。直近の2試合はいずれも先発出場。しかも先制点を挙げ、今や不可欠の存在に。この調子なら、海外強豪クラブからのオファーもあるぞ。国籍の違いに意味はなく、スタンドでは声をからし声援を送るサポーターの姿が。スポーツっていいとこあるよなあ。

 今回、本誌で初めて取材と執筆を務めた洪愛舜さん。なんとお子さんが朝鮮学校でサッカーに夢中、李選手は憧れの的なのだという。夢はバトンタッチされていく。明日に継続されていく。

 昨年9月12日号「『金曜日』で逢いましょう」の、ミャンマーにルーツを持つプロサッカー選手・カウン ゼン マラさん(FC町田ゼルビア)インタビューも私の企画。どちらも希望のある記事になったでしょ~。(鎌田浩昭)

▼昨年6月、トツゲキ倶楽部の『金曜はダメよ』公演を観ました。知人俳優が客演したことも理由ですが、「『金曜日』はダメよ」とも聞こえてしまい、どんな内容なんだろう、と心を揺さぶられたからでもあります。

 昨年11月には、同劇団の舞台『喜劇王暗殺』にも足を運びました。五・一五事件(1932年)と、その背後にあったとされる喜劇王暗殺計画を話のタネとしたもので、それから続く軍国主義の台頭と戦争の勃発、凄惨な「負の時代」到来を予感させ、また、右傾化が懸念される日本の「いま」をも揶揄する演出となっていました。

 五・一五事件とともに激動の昭和を象徴するものに二・二六事件(36年)があります。落語家の五代目柳家小さん師匠が、この反乱軍にかかわっていて、それも夜中に突然起こされ、クーデターと知らずに参加させられてしまったと聞きます。「言葉の広場」の2月のテーマは、「『昭和』を考える」です。今年、二・二六事件から90年を迎えるのを機に、「昭和」に対する思い、あるいは「元号」「天皇」をどう考えるかなどについてご投稿ください。(秋山晴康)