1546号
2025年11月21日
▼「AI(人工知能)が弱いのはまだ出ていない情報。埋もれている(不正などの)情報を掘り起こし、いま起きていることを現場に行って取材し発信するのはプロしかできない」。11月7日号の本誌特集「『新しいメディア』の時代」で取材したTansa編集長の渡辺周さんの言葉だ。地道な取材、裏取りは報道の要でもある。一方のAIやSNS情報は特性を踏まえ、万能でないことを心に留めたい。
NHK党の立花孝志党首が11月9日、名誉毀損容疑で逮捕された(今号アンテナ欄参照)。自死した元兵庫県議の竹内英明さんについて虚偽情報を広めた容疑だ。虚偽情報はユーチューバーらが切り抜き動画を作成、SNS上で拡散された。そうした動画の編集・配信には収益を生む構造があり、拡散の動機づけになったことはTBS「報道特集」などの取材で明らかになっている。竹内さんはネット上で何の根拠もなく齋藤元彦・兵庫県知事のイメージを貶めた「黒幕」などとされ、事務所には嫌がらせの電話やメールが殺到した。
その情報に根拠はあるのか。常に意識したい。(平畑玄洋)
▼山田洋次監督、倍賞千恵子さんと木村拓哉さん主演『TOKYOタクシー』が11月21日に封切られました。幼い頃から山田監督・倍賞さんの『男はつらいよ』『幸福の黄色いハンカチ』『遙かなる山の呼び声』などで感涙しまくった私。でも監督は御年94歳。あの頃のように感動を得られるのかしら。ただ一方で、かつては山田組の常連だった倍賞さんを、しかも主役に配したことには関心がありました。
本作が扱うのはずばり「独居者の終活」。倍賞さんが終活っすか。マジすか。古くからのファンには寂しい設定ですが、本作は2022年制作のフランス映画『パリタクシー』のリメーク。家庭内暴力など以前の山田作品にはなかった今日的なテーマが盛り込まれ、前のめりで銀幕を見つめました。
監督は倍賞さんにどんな演出を施したのか。倍賞さんはどのように受け止めたのか。1963年公開『下町の太陽』から続く2人のコンビネーションは今回も秀逸でした。これからも2人の共作を見たい。そして、渥美清さんの分もいつまでもお元気で!(鎌田浩昭)
▼神代植物公園(東京・調布市深大寺)の「秋のバラフェスタ」(11月24日まで、大人500円・65歳以上250円)に出かけました。公園の公式サイトには〈秋バラは、春バラに比べて花が引き締まり、色は濃く深みを増します。朝はやわらかな光と芳醇な香りに包まれたばら園に、黄昏時には夕日に照らされ金色に輝くバラと、空が青からオレンジへのグラデーションとなるマジックアワーに運が良ければ出会えます〉とあります。
東京ドームおよそ11個分の約51万平方メートルの同公園の一角にあるバラ園は、約400種類5200本のバラが咲き誇っており、ゆっくりと散策を楽しめました。
〈自らへ贈るくれなゐ強き薔薇 櫂未知子〉
帰りには売店で四季咲きのバラ、「シャルルドゴール」の鉢植えを買いました。とある漫画で有名ですが、紫のバラって本当にあるんですね。樹高1メートルほどで、大輪の花を次々と咲かせています。
花期が終わった12月に剪定をして8号ぐらいの植木鉢に植え替える予定です。ベランダがまた狭くなりましたが、緑が増えるのは癒やしになります。(伊田浩之)
