1550号
2025年12月19日
▼今週号50ページ「香港映画『私たちの話し方』アダム・ウォン監督に聞く」を担当しました。
「きんようぶんか」映画評を担当するようになり、事前試写を見ることが増えました。中には琴線に触れず、掲載を取りやめた作品もあります。本作は日本公開が来年3月であり、事前情報が少ない。期待せずに試写を見たのですが、驚くほど良い。障害者を描いた良作である前に、人間を描き、若者を描いた良作でした。大林宣彦、その次に今関あきよし、かつての岩井俊二を連想しました。
子役を含め生き生きとしたキャストは、プロの俳優、俳優ではない人、実際に難聴の人が混在。見分けがつきにくく、その境界線はおぼろげです。
監督は、SNS動画に寄った流行りの演出をせず、スマホ視聴を意識したカメラワークもしない。オーソドックスな演出がかえって新鮮。監督は過去の名作をたくさん見てきたのかもしれません。お会いしたウォン監督の話す広東語は耳に優しく、作品と同じような穏やかさを携えていました。
本誌に勤務して早9カ月、最初の年末です。来年も新たな人との出会いが楽しみです。(鎌田浩昭)
▼11月3日付で発表された「秋の叙勲」一覧を見て驚いた。旭日大綬章に高市早苗首相の夫である山本拓(本名・高市拓)元農林水産副大臣の名があったからだ。
内閣府によれば、旭日章は「国家又は公共に対し功労のある方」に贈られるもので、旭日大綬章はその最高位。2003年に閣議決定された「勲章の授与基準」によれば、首相や衆参議長、最高裁長官の職にあり「顕著な功績を挙げた者」が旭日大綬章、最高裁判事や国務大臣、副大臣などの職にあり「顕著な功績を挙げた者」は「旭日重光章又は旭日大綬章」とある。実態はさておき三権の長が最高位なのはまだわかるが、副大臣の「顕著な功績」とは何か。また誰が「顕著な功績」だと判断したのか。
政府広報によれば勲章は「各府省の大臣などから内閣総理大臣に推薦され、内閣府賞勲局での審査を経て、閣議決定の後、天皇陛下の御裁可を得て発令」される。山本(高市)氏の叙勲を誰が推薦したにしろ、高市首相へのごますりにしか見えない。
そしてもう一つ驚いたことに竹中平蔵元総務相も旭日大綬章を叙勲されているのだ。勲章制度自体に賛同しないが、それにしても評価基準が不可解すぎる。(宮本有紀)
▼今日はどうしてこんなに邪魔な人が多いんだ。疲れているから早く目的地に着きたいのに。朝も前を行く人にぶつかりそうになった。帰りの今も次から次へと障害物競走のように邪魔な人が湧いてくる。イライライライラ。
イライラし疲れて、ペースダウン。ゆっくり歩いてみたら、あら不思議。誰も私の邪魔をしない。なんだ、悪いのは私だったのね。心の中で恨み節をぶつけた方々ごめんなさい。
ペースダウンといえば、3年ほど前に始めた「1人エスカレーター歩かない運動」。あの頃は歩く人の多い側で歩かない度胸はなく真ん中寄りに立つスタイルだった。その後、多くの駅に「歩かず立ち止まろう」のポスターが張られ、歩く人も減ってきた。この夏、早くから条例のある名古屋に行ったら、ほぼ歩く人がいなかった。
私の「歩かない運動」も変化し、最近は、片側がすっかりガラガラのエスカレーターでは、空いている側に立つことにしている。両側に乗れば結局みんなが早く到達できるのに、後に続く人はまだまだ少ない。(志水邦江)
