1540号
2025年10月10日
▼スパイ防止法を制定しようとする動きが急です。報道によると、国民民主や参政、維新が熱心で、自民の総裁に選ばれた高市早苗氏も必要だと主張しています。
この法律が成立すると、政府は都合の悪い情報を今以上に隠しやすくなり、戦争に向かう動きなども批判しにくくなります。これは、戦争体制を準備してきた特定秘密保護法(2013年)、集団的自衛権を認める平和安全保障法制(15年)、共謀罪(17年)、経済安保法(22年)、経済秘密保護法(24年)などの流れのなかにあります。
読者のなかには、中曽根康弘政権時の1985年に自民によって議員提案され、同年に廃案となったスパイ防止法案の危険性を覚えている方も多いと思います。この制定運動は、統一教会・国際勝共連合(当時)が強力に推進しました。
あの時以上に、広範な反対の声を集めて、「民主主義の破壊」を止めなければなりません。
10月2日は、「スパイ防止法の正体~戦争をくり返さないために」と題した院内集会が開かれました。YouTubeで公開されています(https://www.youtube.com/live/sBB96I9vjkg)。『週刊金曜日』でも今後、スパイ防止法の危険性を訴えていきます。(伊田浩之)
▼静岡県の伊東市長と群馬県の前橋市長、くしくも女性市長のスキャンダル(?)が立て続けに起きていますが、思うこと。
伊東市長の件で解せないのは、人は「学歴なんて関係ない」なんて言うくせに、本音は違うということです。卒業証書を「見せない」ことに注目が集まるのは、要は「卒業していないんだろ」と言いたいのでしょう。もちろん、「卒業していません」と、市長が最初から言っていればよかったのでしょうが、言えない何かがあったのかなとも想像します(あくまで想像)。いずれにしてもこの件は、「学歴なんて関係ない」と言いながらそうではない、ということを立証したと感じました。
一方の前橋市長の件、大人の男女が合意の上、ホテルに行ったのであれば、何をとがめられることがあるでしょうか。男性が既婚者であったことが問題ならば、それは関係者で解決すればいいことであり、わざわざ全国ニュースにする必要はないでしょう。公用車で行ったことが問題なのであれば、昔、公用車でジムに行った知事もいましたが、謝罪したのかどうだったのか。「不倫」ってなぜか、女性側が責められるのですよね。(渡辺妙子)
▼本誌の「読者会から」と「きんようびのはらっぱで」を今月から担当することになりました。どうぞ、よろしくお願いいたします。
9月23日の「さようなら原発全国集会」(東京・代々木公園)では、金曜日のブースにいらっしゃった本誌読者会の方に直接、ご挨拶させていただきました。
これからも、こうしたイベントには積極的に参加したいです。会場でお会いすることがありましたらぜひ、お声をかけてください!
そういう訳で毎週、全国津々浦々の読者会から送られてくる原稿を拝読する日々を送っています。
読者会ごとにさまざまな議論が展開されており、とても勉強になります。今号の「関門・北九州読者会」では、「誤情報や憎しみ、軽蔑に満ちた言動」に対抗する場としての読者会の重要性が指摘されています。ネットに流されるのではなく、他者の意見を聞いた上で情報を検討する姿勢は、本当に大切だと思います。
前任者からの引き継ぎで一番驚いたのは、「読者会から」欄に時折掲載されるイラストが担当者の手書きだったこと。生成AIの時代でも、こうした手作り感は本誌に残したいものです。(渡部翔太)
