禁忌のゲージツ

春画と戦争画

ずっとタブーだった----その性愛表現ゆえ、展覧会実施は困難だった「春画」。戦意高揚のため作られ、戦後は忌避されてきた「戦争画」。共に長らく、芸術の本流からは外れた「ゲージツ」だった。しかしこの秋、春画展がついに開催され大盛況。戦争画を描いた一人、藤田嗣治の映画や作品も公開されている。さて、どう満喫するか。まずは春画展実現の立役者、細川護煕氏に話を聞いた。

  • 義侠心からすぐ引き受けました
    日本初の春画展を開催中の「永青文庫」理事長
    細川護煕さんに聞く
  • 春画はなぜ権力から忌み嫌われるのか
    アライ=ヒロユキ
  • 春画展にイッてきまんこ!!
    ろくでなし子
  • 音と色 37
    やっと春画展
    田中優子
  • だから僕らはそんなフジタに引きずり回されるんです
    裸婦から戦争画へ--画家・藤田嗣治を映画化した
    小栗康平監督インタビュー

    第二次大戦前のフランス。独特の「乳白色の肌」で裸婦を描き、パリ美術界の寵児となった藤田嗣治。戦後は一転、日本で戦争画を制作したことで批判された。11月14日公開の映画『FOUJITA』でその半生を描き、戦争とは何か、近代とは何かを問うた名匠・小栗康平監督に話を聞いた。

  • どこで見られる?「戦争画」
    アライ=ヒロユキ
  • 春画と戦争画をめぐる「視線の力学」
    柴田英里

    春画や戦争画を見る機会ができる、それ自体は悪くないこと。ただ、作品に対する私たちの「視線」は政治性や差別の色合いも複合的に含んでいることを知ると、また違った「視点」が見えてくる。

  • 男は戦争画を、女は戦争の傷跡と棄てられた者の弔いを描いたんです
    富山妙子

    炭鉱を描くことに始まり、抵抗文化のラテンアメリカ、韓国の民主化運動、「慰安婦」、日本の戦争責任、フェミニズム--「禁」を生きる画家・富山妙子さんは、この国とアートをどう見ているのか。

  • 光州民衆美術の北極星・李相浩30年の画業
    傷つくことのできるものだけが持つ「つよさ」
    山口泉

    9月9日から1週間、韓国・光州で、民衆美術を代表する画家の一人・李相浩氏の回顧展が開かれた。軍事独裁政権との闘いから生まれた藝術表現が、いま私たちに持つ意味は何か? 彼らと親交を結ぶ作家・山口泉さんが考察する。

  • 沖縄を食い物にして憚らない"元軍人"
    佐藤正久議員と軍事系コンサルタントの二人羽織 野中大樹
  • 光州民衆美術の北極星・李相浩30年の画業
    傷つくことのできるものだけが持つ「つよさ」 山口 泉
  • 「財政再建」という橋下徹氏一流のまやかし
    大阪の人権文化つぶしにかかるハシズム 平野次郎
  • 連載 「慰安婦」報道と『産経新聞』3 ブーメラン
    『産経』は「強制連行」だと詳細に報じていた 植村 隆
  • 無実で20年も獄中、東住吉冤罪事件で再審決定
    脅しや偽計で自白を捏造した大阪府警 粟野仁雄
  • 予想される「死の商人国家」の行方
    武器輸出が「国策」でいいのか 成澤宗男
  • 飛耳長目 113
    沖縄へ警視庁機動隊を投入する政府 佐藤 優

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