週刊金曜日 編集後記

1590号

▼米国の「力の支配」の最前線に立たされているベネズエラとキューバから現在の世界はどう見えるのか。11月3日の米中間選挙を前に両国の駐日大使に見解を聞きました。インタビューに同席して特に印象的だったのは、ベネズエラ駐日大使、セイコウ・イシカワ氏の「コムーナ」の話です。

 コムーナとは、地域住民の合議で意思決定をする住民自治の共同体です。教育や医療などの公共サービスも担います。6月の震災時には、独自の助け合いも見られたといいます。チャベス政権の時代に制度化されました。

 温厚な人柄で日本語に堪能なイシカワ大使ですが、コムーナについてはスペイン語を交え熱心に語っていました。それだけベネズエラの社会に深く根ざした独自の制度だということでしょう。米軍の攻撃を受け大統領が拉致された後もコムーナは存続しています。

 石油よりも大切な社会の根幹は必ず守りぬく。大使の話を聞き、ベネズエラのしたたかさを感じました。(渡部翔太)

▼先週号の「風速計」「らんきりゅう」「ジェンダー情報」で、与党が成立を狙う衆議院の比例定数削減法案や「議員定数削減反対!緊急アクション」についてとりあげている。9月15日に行なわれた同アクション結成の記者会見では、本誌編集委員の雨宮処凛さんと田中優子さんを含む呼びかけ人がずらりと並んで壮観だった。 

 いくつかの質問のあと、某新聞の男性記者が「なぜ女性ばかりの呼びかけ人なのか」という趣旨の質問をした。アクション事務局の亀永能布子さんが「私たち女性は国民の中で多数で、本来はマジョリティのはずなのに、選挙制度の結果として国会に過少代表しか出ていない状況。これをひっくり返していきたいということで女性が呼びかける形になったが、賛同団体や賛同者の中には男性もいらっしゃる。性別、ジェンダーに関わりなく皆さんに呼びかけて共同の行動にしていけたらいいと思っている」旨を返答。呼びかけ人らもその返答内容に異議なしとしたあと、三浦まりさんが「男性だけの呼びかけ人の団体はたくさんあると思うんですけど、ぜひ、なんで男性だけなんですかという質問をしていただければ、と思います」と付け加えた時には拍手が起きた。質問にも無意識の偏見は表れるものである。(宮本有紀)

▼これまで11回実施されてきた「ジャーナリストを目指す日韓学生フォーラム」については、本欄でも何度かお伝えした。日韓の若手記者や、マスコミへの就職を目指す大学生らが参加する行事だ。今夏は関西地方のコリアタウンを回ったが、そこで某大学の学生Aさんと縁ができた。Aさんの父が『週刊金曜日』の読者で、そんなことから私に話しかけてきた。Aさんの尽力で、本誌を読んだことのある大学生数人と懇談会を開けることになった。若い人が本誌にどんな感想を持っているのか、今から興味津々である。

 最近、若者たちと接触する機会が増えた。二つの大学で非常勤講師を務めているからだ。授業後に学生たちと雑談する機会もある。そんな時、学生たちの考え方や発想に、ハッと気づかされる。私の孫のような世代だが、話していて楽しい。若者たちとの話からヒントを得て、誌面の活性化にもつなげたいと思っている。

 今号が読者のお手元に届く頃には、学生らとの懇談会も終わっている。どんな話が出たのか、また報告する機会があればと思う。今夏実施された日韓学生フォーラム参加者らの原稿もすでに届き、編集作業を進めている。近日中に掲載を予定している。(文聖姫)