2022韓国大統領選挙
争点と行方を探る

第20代韓国大統領選挙日の3月9日が約3週間後に迫った。革新系与党「共に民主党」の李在明前京畿道知事と保守系最大野党「国民の力」の尹錫悦前検事総長が大接戦を繰り広げている。それを中道系野党「国民の党」の安哲秀代表が追い、革新系野党「正義党」の沈相奵議員は大きく引き離されている。李・尹両候補とも決め手を欠く中、最後まで予断を許さない状況が続いている。今回の大統領選挙の争点などについて、『朝日新聞』ソウル支局長がレポートする。(編集部)


  • 残り約3週間薄氷を踏む接戦に
    神谷毅

    「これほど好感度の低い候補者同士の戦いはこれまでなかった」と韓国メディアが評する今回の韓国大統領選挙。薄氷を踏む接戦のキャスティングボートを握るのは、1980年代前半以降に生まれた「MZ世代」だという。


  • 4人の主要候補の横顔

    第20代韓国大統領選挙に立候補している主要候補4人の横顔を紹介する。

  • 民主化で勝ち取った直接選挙制を知らない世代
    MZ世代で最も多いのが無党派層
    文聖姫

    生まれた時から民主化された社会しか経験していない韓国のMZ世代にとって、自分の置かれた状況を誰が変えてくれるかが、大統領を選ぶ際の尺度になるかもしれない。

  • 文在寅政権下でさらに強まった交流と連帯
    国家の関係が悪化している時こそ
    市民の交流が重要

    宇都宮健児

    2016年のろうそくデモによって誕生した文在寅政権時代、日韓市民運動の連帯と交流はさらに強まった。韓国の市民運動から学ぶためにたびたび訪韓してきた弁護士の宇都宮健児氏。政府同士の関係が悪化している今だからこそ市民の交流が重要だと語る。

福井県高校演劇祭の記録から
消されかけた作品『明日のハナコ』


  • 2人の女子高生が演じた『明日のハナコ』に向き合う 藤田正
    高校生の演劇祭で上演された作品が、反原発のメッセージや差別用語などが盛り込まれているとして議論になった。そして公的記録から消されかけるという事件が発生した。昨年(2021年)の秋のことだ。脚本を書いた元高校教師を中心に抗議運動が始まり、その後、限定的に脚本、映像など閲覧は可能という方針が決まった。だが本来、演劇作品自体に個人への誹謗中傷は含まれず、差別用語にしても、原発利権に関する政治家の歴史的発言の劇中での引用だった。

  • 「生徒を守る」を口実に生徒の表現奪う? 本田雅和
    「このお芝居の一体どこが問題なんだ?」「これを公開させない理由って何なの?」―― 上演終了と同時に、隣席の観客がつぶやいた。筆者も全く同じ感想だった。『明日のハナコ』は恒例のテレビ放映が中止となり、脚本も回収され、公式上演もできなくなった。納得いかない演劇部の元顧問や演出家らが昨年末から今年にかけ、福井市内や関西各地で自分たちが役者となって再演。筆者は福井市内の上演会や学習会に参加し、その後も現地で関係者の取材を続けてきた。

  • 【要約版脚本】明日のハナコ 作・玉村徹
  • オミクロン株感染爆発でもワクチン打てず検査も受けられない
    岸田政権が行なう後手後手コロナ対策 山岡淳一郎
  • メディアウオッチ
    NHK五輪番組字幕問題で新聞社説も批判
    「デモへの偏見助長」と主催者が抗議
    臺 宏士
  • たとえば世界でいま
    オーストラリア/民族旗にかけられた著作権 北方農夫人
    イスラエル/アパルトヘイトを著名団体が相次いで報告 堅田文彦
  • 精神障害者「私宅監置」問題を描いたドキュメンタリー映画
    『夜明け前のうた』を上映中止に追い込んだもの 岩本太郎
  • 【提携連載企画】 公害『PFOA』09
    淀川支流から18年前に最高レベルの汚染を記録 Tansa中川七海
  • 自由と創造のためのレッスン(115)
    ベル・フックスとは誰か 廣瀬 純

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