2020年の日本と世界

 2020年になった。新しい年に、新しい気持ちで、手元にある文庫本サイズの『日本国憲法』(童話屋)を開く。そして、ルビのついている日本国憲法前文を朗読した。

 戦争の放棄、主権在民、国際平和、世界中の人々の幸せ、他国との協調などを謳っている。前文はこう結ぶ。「日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ」。ページを繰る。第12条にはこうある。「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない」。

 憲法は、「全力をあげて」「不断の努力」をわれわれに呼びかけている。

 憲法に込められた大切な精神を蹂躙してきた第2次安倍政権は今年で8年となる。2019年には、ゆがんだ歴史意識から日韓関係を悪化させた。「桜を見る会」問題では、公的行事の私物化を進め、証拠を隠蔽し、居直っている。まさしく憲法の破壊者である。

 新たな年に、もういちど誓う。憲法で保障された市民としての権利を「全力をあげて」「不断の努力」で守ろう。そして、腐敗政権をわれわれの力で終わらせる年にしたい。(本誌発行人・植村隆)

  • 2020年 世界と日本のスケジュール
  • 4年に一度の2大ビッグイベントの年
    佐藤和雄
  • 「成熟」とは複雑化し多様化すること
    身の程を知るな、身の丈をこえろ
    内田樹

    政治の腐敗、経済不況、貧困問題、日本の「衰退」はとどまるところを知らない。出口の見えない閉塞した社会の中で誰しもが感じている「生きづらさ」。思想家・内田樹氏がその原因を解き明かし、脱却のヒントを提示する。2020年、わたしたちはどう生きるべきか?(聞き手・植村隆)

  • 〈日中・中国〉反日デモからようやく改善
    「桜の咲く頃」習主席が訪日
    奥寺淳

    「桜が咲くころ」、中国の習近平中国国家主席が訪日する。日中関係は「新時代」を迎えるのか。

  • 〈日米〉新外交イニシアティブ代表・猿田佐世弁護士に聞く
    カウンターパートとしての発信が急務

    2020年、日米関係はどう進むのか。安倍政権はトランプ大統領に追随する外交を続けるのか。11月には米大統領選挙が行なわれるが、結果如何では日米関係の構図も大きく変わる。米国政治に詳しい新外交イニシアティブ代表の猿田佐世弁護士に聞いた。

  • 〈日本と朝鮮半島〉言論人、政治家を経て市民運動家・李富栄氏に聞く
    憲法9条を守ることは東アジアの平和に貢献

    昨年、日韓関係は国交正常化以来最悪とも言われた。日朝関係は対話の糸口すら見いだせていない。日本と朝鮮半島との関係改善には何が必要なのか。憲法9条にノーベル平和賞を与えるための運動を推進する東アジア平和会議運営委員長の李富栄・自由言論実践財団理事長に話を聞いた。

  • 裁判所は「合意なき性行為」と認定
    伊藤詩織さん勝訴 小川たまか
  • 伊藤詩織さん、判決報告集会でのスピーチ
    「今回起きたことを刑法改正の材料にしてほしい」
  • 「桜の人」田村智子参議院議員(共産党)に聞く
    もう安倍首相は逃げられない 片岡伸行
  • 新聞労連委員長・南彰さんに聞く
    内閣記者会は首相記者会見を要求すべきだ
  • 安倍一強が政権末期の権力闘争へ 鈴木哲夫
  • カジノ汚職、拡大の可能性
    担当副大臣逮捕、複数議員に現金授受の疑い 片岡伸行
  • ゴーン被告"逃走"の背景
    国際世論に裁かれる日本の異様な司法 西山隆則
  • 2020新春 若者座談会
    多様性を認め合う 石井達也、漢人薫平、砂川侑花、三宅梨紗子
  • STOP! 9条改憲(51)
    政府間の危機は市民の手で打開 高田 健

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