急増した「貧困家族」

■貧困を削減する仕組みはOECDでも最低レベル データで浮かび上がる社会保障後進国の姿 後藤道夫今回の総選挙は、現実味の欠けた前回の郵政選挙とは異なり、児童手当や年金など身近で重要な社会保障が争点になっている。社会保障に手厚いマニフェストを打ち出している民主党をバラマキと自民党は批判するが、はたしてそうなのか。日本政府がいかに庶民の生活に苦しい制度をつくりあげてきたか、数々のデータから読み解く。■政権交代で「反転」はどこまで可能か 五十嵐 仁総選挙では、政権交代だけではなく、貧困を拡大した小泉構造改革路線の転換も問われている。小泉構造改革からの「反転」は2006年から開始されたことを論じてきた筆者が、麻生政権下の構造改革路線の動きを検証し、政権交代後の課題を展望する。

  • 佐藤優の歴史人物対談8マサリクと語る 民主主義が人間の最もよい部分を引き出す八月三〇日の総選挙では民主党が勝利し、政権が交代するという予測が多い。だが、新政権の誕生によって、貧困問題は解決に向かうのだろうか。民主主義は、国家は、国家間の関係はどのようにあるべきなのか。政治には、政治家にはどのような理念、哲学が必要とされるのか。二〇世紀最大の哲人政治家とよばれたマサリクと静かに語り合う。
  • 「女性の貧困」の可視化から「貧困の女性化」の可視化へ伊藤 みどり ここ数年で急激に注目されるようになった労働者の貧困問題。だが、女性はずっと以前から、そして今も、圧倒的に貧困状態におかれている。
  • 痛憤の現場を歩く 特別対談同時代をルポするための姿勢と手法 雨宮 処凛 鎌田 慧鎌田Jさんの本誌連載ルポ「痛憤の現場を歩く」が次回で一〇〇回を迎える。これを記念して、貧困の現場に詳しい本誌編集委員、雨宮処凛さんと「闘うこと」「書くこと」について語り合った。
  • 歴史の抹殺とすり替えは許さない関東大震災時の朝鮮人虐殺・追悼碑が完成 藤田 五郎関東大震災直後、自警団らに虐殺された「韓国・朝鮮人被害者」を追悼する碑が完成する。建設地をめぐり墨田区と日本政府は協力を拒否、さらに虐殺を正当化する言説が世に出る中、市民団体が地道に進めた調査・運動が実を結ぶ。
  • 産休切り・育休切りが急増 出産する女性が「雇用調整」の標的に 森 映子育児・介護休業法が前国会で一部改正されたが、出産を理由とした事実上の解雇などの違法行為が改善されるかどうか効果は不明だ。特に非正規雇用者は本当の理由を明らかにされずに雇い止めにあうことも多い。現在の雇用情勢が続く以上、出産する女性が職場から排除される可能性は減らないのではないか。政府は本気で改善する気があるのだろうか。
  • 自治体が貧困を放置・推進する「官製ワーキングプア」をなくすには法制度改革が急務 野村 昌二既得権益批判の中で、バッシングにさらされがちの公務員。だが、その公共サービスの現場にも、民間と同じく短期契約を更新しながら低賃金で不安定に働く非正規職員が急増している。非正規化と民間委託とで広がる「官製ワーキングプア」。自治労が初めて行なった調査などから、その実態を見ていく。
  • 佐久総合病院が乗り出した「再構築」医療と産業、自然を結ぶまちづくりに挑む第一歩(下) 山岡 淳一郎地域医療のメッカとして知られる佐久総合病院で、患者の「人生のクライマックス」を支えるのが地域ケア科だ。現場では医療、介護、福祉が溶けあい、「治す医療」と「寄り添う医療」が連繋してきた。この「佐久病院らしさ」を保つための病院再構築。そこには医療と産業、自然を結ぶ「まちづくり」という視点も含まれる。医師たちは未来を見すえている。

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