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「反差別条例が泣いている」三重県が外国籍職員採用廃止を検討 田中宏一橋大学名誉教授に聞く

聞き手・まとめ/中村一成・ジャーナリスト|2026年4月7日4:45PM

三重県庁前では毎週、抗議のスタンディングが行なわれ、県内外から集まった有志が方針撤回を訴える。津市で、2026年1月20日。(撮影/中山和弘)

地方自治法10条違反か

――それでも一見知事は当事者排除の「アンケート」を強行し、集計に入りました。「一つの参考」と強調していますが、数を頼む姿勢は変わりません。

 このアンケートは発想、手法、内容とも問題だらけです。アンケートは名称を変えながら98年から続けているんです。対象者は「選挙人名簿」から抽出しています。端から外国籍住民を排除していることが差別だと言っても、担当者は理解できないようです。しかも調査の本体には対象を「18歳以上の県民」とだけ、嘘を書いているのです。三重は総人口の3・84%が外国籍者で、日本で4番目に多い。すでに一緒に暮らしている地域住民を国籍で排除して、これが県民の意見だとしてきた。

 面談したけど呆れましたね。2012年から住民基本台帳にも外国籍住民が入っている。なぜ選挙人名簿を使い続けるのかと聞くと、住民基本台帳だと「閲覧料がかかる」とか「選挙人名簿だと18歳以上だけが出てくるので好都合」とか平気で答える。閲覧に幾らかかるか聞いても調べていないという。

 地方自治法10条の「住民は、法律の定めるところにより、その属する普通地方公共団体の役務の提供をひとしく受ける権利を有し、その負担を分任する義務を負う」に違反している。入札上限額は793万円です。差別アンケートは、公金の不正支出として、住民監査請求の対象になるでしょう。

 だから私は言いましたよ。「記者会見で同じこと聞かれたら、あなたがたは、知事にそんな答弁させるの? それ知事の名誉を傷つけていると思わないの?」って。

 アンケートの「問16」自体も問題です。まず129字で情報漏洩の懸念を書いた後、人材不足で人員確保が難しいと36字で書き、その後、三択回答が用意されています。明らかに誘導ですよ。他の設問は生活への満足度や結婚観とかです。そもそも少数者を端から排除した多数決で少数者の権利を左右させる発想自体、人権上あり得ないことです。知事は外国籍者排除を謝罪して、差別アンケートを即時中止すべき。最低でも今回の問16の集計はやらない。過ちにケジメを付けることが、「多文化共生」の実践になるんですよ。

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