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日本で育ったクルド難民申請者、彼らの夢を誰がつぶしたのか

田中喜美子 日向史有|2021年9月9日11:58AM

「善良な外国人」であろうとする枷

『東京クルド』
2021年/日本/103分/配給:東風
●シアター・イメージフォーラム(東京)ほか、全国にて順次公開中。
写真は左がラマザン、右がオザン。(c)2021 DOCUMENTARY JAPAN INC.

――在留資格のない人たちは、実はずっと宙吊り状態の中で、自分たちの暮らしをつくってきた。その姿をこの映画は映し出している。

日向 田中さんもきてくれた映画の試写会で、オザンを舞台挨拶に呼ぶために東京出入国在留管理局(東京入管)を訪れ、一時旅行許可の申請をしました。埼玉に住んでいるので、東京の試写会に参加するのは「県外移動」となり、許可が必要です。

その時、もし許可が出なければ、隠れて映画を観てもらうかという軽口を僕が叩いたら、オザンは「こそこそしたり、隠れるのに疲れました」と言ったんです。在留資格がなくても、正々堂々と生きていたいとオザンは強く思っている。

結局、5年ぶりに一時旅行許可がおりて、試写会に参加でき、昔から自分を知っている田中さんが映画を観て、褒めてくれた。人に認めてもらえる経験ができたことは、オザンにとってすごく幸せだったようです。

現在は日本人の彼女ができて、きちんと自立して自分の生活を送るんだ、そして彼女を幸せにするんだという気持ちが高まっている。

田中 オザンの人間として生きる力がとても好きです。

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