「3・11」から2年 封じ込められる福島

●警戒区域の富岡町はいま空間も時間も止まったまま山村 清二原発事故は収束せず、被災者の暮らしは切迫しているのに、だれも責任をとらず二年。今も一五万人以上が県内外へ避難し、被曝の健康不安に脅える。除染も進まず、効果も疑わしい。しかし、そうした情報も被害者の苦悩も、降り積もる雪の下に封じ込められているかのように、「復興」の言葉だけが躍る福島の現況を伝える。●甲状腺がん、通常の250倍の発生率内部被曝を気にかける日常文・写真 森住 卓●子ども10人が甲状腺がんの可能性本当に「被曝の影響はない」のかおしどり マコ一八歳以下の子ども一〇人が甲状腺がんの可能性――。二月一三日に発表された二〇一一年度の福島県民健康管理調査「小児甲状腺検査」の結果だ。きわめて深刻な事態だが、同検討委は「被曝の影響はない」の一点張り。本当にそうなのか。●福島大学准教授 荒木田岳さんに聞く「脱原発」ではなく「脱被曝」を原発事故は収束せず、被曝させられている福島県民は「見捨てられている」と言う福島大学准教授の荒木田岳さん。「脱原発」ではなく「脱被曝を」と呼びかける。●不理解がもたらす暴力性沈黙させられる原発避難者山下 祐介事故で避難を余儀なくされた人々の「帰還」政策が着々と進められている。だが、当事者である避難者たちの声は聞こえてこず、この避難という状況を断ち切ろうとする動きさえ見え始めている。●訴訟に立ちあがる原発事故被害者たち加害者主導の賠償は変わるか除本 理史加害者「主導」ですすめられている東電福島原発事故の賠償問題。その一方的な構図に対して、被害者たちが「反撃」をみせはじめた。その意味と今後への展望を探る。●高い放射線量から目をそむける教育現場福島を去る教員たちの苦悩前屋 毅依然として高い放射線量であるにもかかわらず、そのことを指摘しても学校も保護者も相手にしない。「生徒たちに申し訳ない」と思いながらも、福島からの移住を決断した教員たちがいる。

  • レーダー照射事件の原因は安倍首相の挑発だった!?中国軍部怒らせた安倍「ダイヤモンド安保」 高嶋 伸欣
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  • 福島の森と海は今 第2回沿岸放射能のゆくえ 平田 剛士事故を起こした東京電力福島第一原発が放出した膨大な放射能のうち、八〇%は海洋に流れ込んだ。海中に拡散した人工放射能の回収――除染――はかなわず、自然に希釈されるのをただ見守ることしかできないでいる。海洋国にあるまじき大罪を日本は犯した。
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  • 会田誠展 天才でごめんなさい森美術館問題を考える 会田誠は10年ほど前から知っている。日本画の技術をサブカルチャーと組み合わせた現代美術に昇華して村上隆、山口晃らとともに注目されていたからだ。森美術館で個展を開催する運びになり大作家になったなと思いきや、作品と展示をめぐり抗議が起こり、本誌編集者でも意見が対立した。一つは「女性の尊厳を傷つける人権問題」として絶対的批判の立場(上段記事)。もう一方は「具体的な被害者はいるのか。抗議側含めいろいろな視点からこの問題を議論したい」との立場(下段)である。そこで今回、それぞれの視点から記事を構成することにした。どのような価値観を読者の皆さんは共有したいと思いますか。(平井康嗣・編集長)人権侵害の表現を「芸術」とするのか宮本 有紀解釈や鑑賞における感受性は多様だ渋井 哲也
  • 13・1兆円の気になる財源と使い途参議院選挙対策と化した補正予算 まさの あつこ二月二六日に成立した総額一三・一兆円の巨額「補正予算」。夏の参院選を前に国民へのアピールは抜け目ないが、突っ込みどころは満載。だが追及する野党の足並みは今ひとつ。そんな「国会審議」を尻目に、「霞ヶ関」がほくそ笑む。
  • 満腹の情景たくあんの原風景 写真・文 木村 聡漬物ダイコン生産日本一の宮崎県。旧田野町では「大根やぐら」での寒干し作業は冬の風物詩だ。12月から2月の冷え込む季節。農家は気温が下がりすぎるとストーブを焚き、霜でも雨でもシートを掛ける。「たくあんのため、なんとか残したい風景です」(JA宮崎中央田野支店・郡浩章<こおりひろあき>さん) 土地の農産物を使った漬物が日本各地にある。それは風土と塩蔵技術が織りなす見事な食文化。だが漬物の消費は減るいっぽう。伝統の大根やぐらも昔ほどの数はない。「とにかく、いまの親の世代が漬物を食べない。でも試食会では意外に子どもたちが喜んで食べます」 郡さんたちは危機感と同時に、漬物文化の将来に期待も寄せた。

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