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参院選直前!緊急対談 中村文則×雨宮処凛 「リベラル」はなぜ嫌われるのか
2025年7月2日5:20PM
表現をサボっている?
雨宮 石丸・齋藤系の現象がやばいのは、選挙がお金儲けの場にもなってるけれども、「世直し」に参加しているということで、ちゃんと感情がやり取りされているところです。あれが初めての政治体験という若者も多い。
中村 まさに。となると逆に、現状に疑問を持った人を、掘り起こす必要がある。
雨宮 石丸氏は自分の支持者を〝国政の代理戦争にうんざりしている人たち〟と言っていましたが、今の状況を非常に端的に言い表していると思います。確かにこの間、野党に期待しても政権交代の受け皿として機能していないのではという不満の声が多いです。
中村 若い人へのアピールでいえば、昔SEALDsさんたちがデモで音楽に乗ってコールしてましたよね。気持ち的には全応援でしたが、実は最初画面で見た時、ミスマッチを感じたんです。でも実際デモに行ったら、とてもフィットしていると気づいた。ある役者さんが、舞台上の熱演は観客も同じ場にいるから熱を持って見られるけど、画面を通すと醒めてしまうことがある、だから映画用の演技があると言ってて。なるほどなと。

雨宮 私もまさにそのことを考えてるところです。最近だと、リベラルの人たちが街頭でアクションしている様子をアンチが撮って、「こういう人たちが親族にいなくてよかった」とかキャプションをつけて晒しています。私は2008年頃にデモをよくやっていましたが、その時はまだSNSがなかったから安全でした。でももう、今はデモも怖いです。「時給を上げろ」「生活保護引き下げ反対」くらいでも炎上するし、写真や動画に写ってる全員が貶められる。
中村 強い言葉は引かれてしまうんですよね。以前の「安倍やめろ」コールも引いて見ると怖いので、せめて「安倍首相やめろ」くらいにすればと思ったけど「安倍やめろ」の方が語呂がいい(笑)。プラカードも、本当はデモにいない人も共感できる言葉がよくて。
雨宮 以前、政治に無関心だという若いアート系の人と一緒にリベラル系の集会に行ったんですが、「なんでこの人たちこんなに伝えることをサボってるのか」と驚いていました。知らない人が見ると何も伝わらない内輪のノリ。若者はプレゼン技術とか、伝え方がいかに大事かを刷り込まれているから「安倍やめろ」とかがすごくサボっているように見える。そこは納得しました。ちなみに今この場に、リベラルが大嫌いという人がいたらなんて言いますか。
中村 まずどういう生活状況か聞いてみます。
雨宮 こちらから喋っちゃいけない。相手の困りごとを聞き出せって話ですよね。
中村 その上で、実は今の政治も元凶の一つと伝える。「生活保護嫌い」と言われたら「人間的におおらかな人って良くないですか」と返しますかね(笑)。その後、まあまあ、と相手の不満を鎮めるトーンで、皆がお金を使うから景気がよくなるんであって、社会に安心がないと景気は回らない、だからセーフティネットの不十分な社会では景気も悪くなるのだと、具体的な話をしますかね。
雨宮 10億円貯蓄している人が12億円に増えても意味がない。
中村 そうなんですよね。今の格差社会は景気を停滞させる。そういう実際的な話も、根気よく。
雨宮 あとはやっぱり丁寧に優しく、ユーモアも、ですね。
※5月7日、東京都中央区の弊社で。
まとめ/小林和子(編集部)
(『週刊金曜日』2025年6月20日号)







