消費税減税にともなうレジ改修は「1%」で大丈夫
垣田 達哉・食品問題評論家、消費者問題研究所代表|2026年4月30日4:53PM
消費税0%には3種類ある
国税庁は、消費税0%には「非課税」「不課税」「免税」の3種類があるとホームページで紹介している。
3種類は「消費税0%は共通」でも違いがあるというのだ。違い(扱い)が異なるから区別している。今言われている消費税0%は、この3分類のどれかになるのか、それとも四つ目の「0」になるのかはわからないが、システム上は区別する必要があるだろう。店頭では、税金が「0円」であっても、会計上は「非課税」か「不課税」か「免税」か、それとももう一つの「0」なのかをPOSシステムが認識しないと、どこかの段階でトラブルが発生するかもしれない。
大手POSシステムメーカー2社は「そもそもそういう設定を想定していない」と答えている。想定していないとすれば、POSシステムで消費税率を「0」と入力できるのかも疑問である。入力エラーとしてはじかれる(入力できない)かもしれない。
POSシステムは多くのシステムとつながっている
流通企業の多くは、自社の会計システム・在庫システム・発注システム等、POSデータを活用している企業がかなり多い。さらに、各種得意先・取引先等ともデータのやりとりはある。このさまざまなシステムは、「消費税0%」を何と理解するのだろうか。エラーとして受け付けないかもしれない。
流通企業だけでなく、関連企業も大幅なシステム変更を迫られる可能性がある。日本の場合、大規模企業はもとより中規模企業でも、独自のシステムを持っていることが多い。そうした企業とPOSシステムのデータのやりとりに問題が生じるのかどうかは私にはわからないが、まったく影響がないとは思えない。
イートインと持ち帰りを同じ値段にできる?
現在の法律では、飲食店の店内で飲食する場合(イートイン)の消費税は10%、持ち帰り(テイクアウト)は8%となっている。しかしファストフード等で、イートインとテイクアウトを同じ値段で提供している店もある。法律上で区別されているにもかかわらず「差額の2%分は店が負担している」とか「持ち帰り容器などの費用がかかる」といった理由が一部でまかり通っている。現状2%の差なので、納得しない人もいるが「仕方がない」となっている。
しかし、消費税率が変わりテイクアウトが0%になると、イートインとテイクアウトの差は1割になる。
たとえば、イートインもテイクアウトも1100円で提供されていた商品が、テイクアウトが消費税0%になっても1100円で提供され続けると、消費者としては「どうして値下げしないの」という感情を抱くだろう。
国税庁がどういう判断をするかわからないが「販売方法の違いで消費税が0%と10%の違いがあるのに、どうして同じ値段で販売できるのか」と疑問に思う消費者は多くなるのではないだろうか。
消費税1%スタートを提案
では、消費税0%をあきらめるしかないのか。そうではない。時間さえあれば、システムは対応できるだろう。しかし、その時間が何年かかるかはっきりしていない。
そこで提案だが、まず「1%でスタートする」のはどうだろう。0でなければ、半年でシステム変更ができる可能性が高い。そして、0%を実施する際の問題点やシステム変更等の費用負担がどのくらいかかるのかを確認し、その費用は誰が負担するのかも決めなければならない。1年以上かかるシステム変更費用を、すべてPOSシステムメーカーに負担させるのは荷が重い。何年後になるかはわからないが、体制が万全になったところで0%にすればよい。
(『週刊金曜日』2026年2月13日号)
※定期購読はこちらをクリック







