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生物学とジェンダー学      vs(対立)からand(融合)へ

古川晶子・ライター(2025年6月20日号)|2025年7月9日11:55AM

 日本では性について学ぶ機会が乏しく、適切な知識や情報を得られないことで、年齢や立場にかかわらずトラブルに巻き込まれることがある。そのようなときに助けとなる医療・福祉・心理・司法・教育・社会学などの専門家たちが集う、日本「性とこころ」関連問題学会の第14回学術研究大会が6月7日、東京・池袋で開催された。

 

 大会テーマは「生物学とジェンダー学の対話~生物学vsジェンダー学から生物学andジェンダー学へ」で、参加者は約200人。副題の「生物学vs(対)ジェンダー学」は、「性別は男・女として備わる変えられないもの」とする考え方である「生物学的本質主義」と「性別は社会的に付与されるもの」というジェンダー学の考え方の対立を指す。メインシンポジウム「科学的データとジェンダー」で田代美江子さん(埼玉大学)は、「生物学的本質主義は、男と女は違うから区別や差別があって当然という差別と表裏一体になっている」と指摘した。

 高井ゆと里さん(群馬大学)は、この「生物学vsジェンダー学」という考えを大々的に利用しているのがトランプ米大統領だ、と批判する。トランプ氏は今年1月の大統領就任早々、「性別は男性と女性だけ」と「男女二元論」を宣言し、「ジェンダー・イデオロギーの過激主義から女性を守り、連邦政府に生物学的真実を取り戻す」という大統領令に署名した。この政策転換によって政府のウェブサイトから貴重な情報が削除され、多くの職員が失職し、医学研究のプロジェクトが停滞するなど、さまざまな弊害が出ている。

 佐々木成江さん(東北大学)によれば、性差によって診断や治療の有効性が異なることを明らかにする性差医療の研究はまだ発展段階だという。トランプ氏はその研究をストップさせて、どう「女性を守る」のだろうか。

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