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トランスジェンダーの存在と歴史を否定 米・トランプ政権の「反トランス」深刻化

三浦美和子・ジャーナリスト(2025年5月23日号)|2025年7月8日5:00PM

 第2次トランプ政権下の米国で、トランスジェンダーの人権を侵害する「反トランス」の動きが苛烈さを増している。現地で何が起き、人々はどう向き合っているのか。米国のジャーナリストと当事者の議員が語るオンライン勉強会が5月11日に開かれ、700人が視聴した。

 勉強会はトランスジェンダーの当事者らでつくる「Tネット」が主催。米国におけるトランスジェンダー政策について発信しているジャーナリストのエリン・リード氏は、紀元前からのトランスジェンダーの歴史を紐解き、各地の動きを解説した。

 

 米国では1960年代、トランスジェンダーやゲイがナイトクラブで逮捕される「ストーンウォール蜂起」が起きた。80年代にはHIV(ヒト免疫不全ウイルス)感染によるエイズが流行。男性同性愛者間の発症が多いことから、当事者は差別を受ける。90年代には同性愛者の存在を否定する「脱ゲイ運動」が保守派により展開された。こうした揺り戻しを受けながら2015年、同性婚が合法化されると、保守派は攻撃の的をトランスジェンダーに変えていった。

 リード氏によると、米国では22年以降の4年間で反トランス法案が約1600件生まれた。「その最終目的はトランスジェンダーから医療やケアを奪い、トランスジェンダーであること自体を禁じることにある」と指摘する。

 トランプ政権下では、大統領令によりパスポートに出生時に割り当てられた性別の表記しか認めないという人権侵害や、軍隊からのトランスジェンダー当事者の排除が行なわれ、教育分野では教師がトランスジェンダーの子どもを支援すると違法とみなされる恐れも出ている。「多くの教育機関はこれに反発し、当事者の子どもを守ると宣言する学校もある」とリード氏。一方、18歳以下の当事者がジェンダー肯定医療(ホルモン療法や性別適合手術など)を受けられないようにするという大統領令は裁判所が却下したにもかかわらず、政権への恐怖から大統領令に従う医療機関もあるという。

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